大塚商会ホテルグループ(運営会社:株式会社大塚商会)は、自然豊かな4カ所のリゾート地に趣の異なるホテルを展開しています。
中でもホテル琵琶レイクオーツカは、滋賀県大津市の北部、近江舞子に位置し、1987年の開業以来多くのお客様に愛されてきた全28室の小さな宿です。
ホテルの正面に琵琶湖が広がります
今回は2024年7月にリニューアルオープン、集客・売上向上とともに多くのお客様から高い評価を得るまでに至った5年間の歩みを支配人山極明宏からお話しいたします。
大型ホテルから転職し入社。高評価の一方で、薄利多売の状況を懸念
2019年、私山極はあるご縁で別会社の大型ホテルからホテル琵琶レイクオーツカに転職して参りました。
私が入社したころは、サービスやスタッフはご好評いただいていたものの、低価格プランを前面に出して販売したり、団体・研修の占める割合が多いなど薄利多売で多忙な割には売上・宿泊単価が低い状況でした。また、ターゲットやコンセプトが明確ではなく、団体と個人のお客様が混在、旅館なのかホテルなのか、はたまた保養所なのかも中途半端な状況でした。
このままでは近い将来、個人・団体どちらのお客様も失い、数あるホテルの中で埋もれてしまうと危機感を覚え、ホテルのセールスポイント・狙うべきポジショニングを明確にしてPRする必要があると思いました。
そこで、来たるべきリニューアル・リノベーションのタイミングに向けて、年度ごとに課題やテーマを設定し、改善の積み重ねを行っていく、改革プロジェクトを全スタッフに明示しました。(この頃はまだリニューアル工事計画はありませんでした)
ホテル琵琶レイクオーツカの目指すべき形を追求。日頃の疲れを癒す「リトリートホテル」へ
まず、ホテルの良い部分とそうでない部分を洗い出す中で、お客様の多くが日頃の疲れを癒すために、食事を楽しみ、ホテル内でゆったりのんびりと過ごされていることが分かりました。また、周辺エリアのホテル・旅館には精神的安らぎをコンセプトとしたホテルがないことから、ホテル琵琶レイクオーツカの目指すべきコンセプトとして非日常の癒しを体験していただける「リトリートホテル」を掲げました。
このコンセプトを実現して、魅力的なホテルにするために4つの大きな軸 ①CS ②利益・単価 ③認知 ④ES(従業員満足度)の向上をベースに、5年計画を立てました。
まず、キックオフの2019年は「方向性の確立」と「スタッフの意識改革」を課題とし、スタッフと議論・共有を行いました。
計画の本格的なスタートとなる2020年に4つの軸それぞれにプロジェクトチームを編成しました。チームごとにメンバーが自由に意見を出し合いながら、戦略的にアクションをしていこうというところで、新型コロナウイルス流行による営業自粛があり、方針の修正を余儀なくされました。ただし、トレーニングやマニュアル作成などスタッフの強化につなげる期間にすることができました。
2021年~2022年は、当ホテルならではの魅力をアピールすべく、日本庭園にスタッフがDIYした風鈴風車ロードを設置、Instagramのフォトコンテストなどスタッフ発案でさまざまな企画を実施しました。
大規模改修プロジェクトを発足。お客様のお声に応え、露天風呂や暖炉もグレードアップ
このころに、2024年に改修工事を行う計画が立ち上がりました。予算の課題などもあり、当初は配管などの設備面、いわば裏側を中心とした工事の予定でした。しかし、2024年はリトリートホテルのコンセプト実現を目指す年でもあるため、ここが大きなチャンスだと思い、大規模なリニューアル工事に舵を切ることになりました。
そして、工事を翌年に控えた2023年は、「2024ハード・ソフトリニューアルに向けての体制・オペレーション構築」をテーマにリニューアルへ向けての準備と本格的な告知の年となりました。
ハード面のリニューアルはアンケートをはじめ、これまでいただいたお客様の声をもとに、リトリートホテルの実現に向けて計画をしました。一例ですが、かねてよりお客様からの要望が多かったのは露天風呂です。一般的には大浴場に併設されていることが多いですが、当ホテルではスペースや予算の壁がありました。そこで、家族風呂の窓をお客様のお好みにあわせて開閉できるようにして、露天風呂気分を味わえるようにしました。
また、リラックス効果があるといわれている炎のゆらぎをお楽しみいただけるよう、元々ロビーにあった古い暖炉を炎が見やすいデザインに変更しました。燃料も環境にやさしいバイオエタノールを使用しています。
暖炉のリニューアル
ソフト面では、チームを編成して5年間プロジェクトに取り組んできたことから、スタッフ同士で意見を出し合い、失敗を恐れずにトライする環境ができてきました。また、他のホテル出身スタッフを積極的に迎え入れ、経験を生かしてもらうことでチームに新しい視点が生まれました。こうして、リニューアルに向けてモチベーションを高め、スタッフ主導でリトリートホテルの実現に向けたオペレーションを構築していきました。
ようやく迎えたリニューアルオープン。稼働率、売上ともに目標達成し、旅行サイトや口コミでも上位獲得
2024年3月~6月の大規模工事を経て、7月1日にリニューアルオープン。家族風呂や暖炉ロビーのほか、客室を全室リニューアル、皆様にお使いいただくアメニティや備品も新しくしました。
リニューアル後は大変ご好評いただき、7月~現在までほぼ満室の高稼働率、売上はで過去最高月間売上を継続して達成。旅行サイトで口コミ4.9や部屋部門・朝食部門で県1位をマーク、お客様アンケートも継続して高評価をいただいています。
また、各媒体やSNSでの告知の効果もあり、今まで以上に多くの方にホテルを知っていただけたと思います。ESにおいても売上や口コミ評価などが社内評価され、スタッフのモチベーションに良い影響が出ており、理想のスタートダッシュが切れたと感じます。
ロビーの暖炉
いよいよ2025年は年間通しての運営となります。2025年新テーマは、「湖畔のオンリーワンリトリートホテルのCS・集客・損益安定化」に取り組んでいきます。ESも重視、安定した人材確保とさらにスタッフ全員がリニューアル2年目において新たな発想・提案・業務改善・新規チャレンジできる風土・環境にしていきます。今年も全員が目標数値にこだわってアクションを起こしていきます。
追加情報
琵琶レイクオーツカは、「滋賀県一サイクリストに優しい宿」にするプロモーションも2019年より実施しております。私自身がサイクリストでもありまして、より多くのサイクリストの方に、満足していただきたいためです。年々利用者は増え続いており、認知度も上がっていると感じます。(愛車を客室へ持ち込みOK。それもありリニューアルで和室4室を洋室化しています)
スポーツバイクスタンドのご用意もございます。
また、私は滋賀の文化「飛び出し坊や」のマニアでもあり新聞、雑誌やネットに取り上げていただいています。滋賀の文化を多くの方に知ってもらいたい・・・(ホテルにもオリジナルや、スタッフDIY坊やがいてシンボルとなっています)
ホテルオリジナル飛び出し坊や
施設概要
名称:ホテル琵琶レイクオーツカ
所在地:〒520-0502 滋賀県大津市南小松1054-3
電話番号:077-596-1711(代)
客室数:28室
(LINE検索ID:@ biwalake)
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