村上春樹さんからメッセージが到着! 6年ぶりの長編『街とその不確かな壁』(上・下)新潮文庫より本日発売

2025.04.23 12:00
株式会社新潮社
純度100パーセントの村上春樹ワールドへ――著者にとって6年ぶりの長編作品が待望の文庫化

株式会社新潮社は、村上春樹さんの最新長編『街とその不確かな壁』(上・下)を、本日4月23日(水)に新潮文庫より発売いたします。
『街とその不確かな壁(上)』
『街とその不確かな壁(下)』

著者は1980年に中編小説「街と、その不確かな壁」、さらに1985年にはその主題を発展させた壮大な長編小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)を発表。幻想世界と冒険活劇の二つのストーリーが展開するこの長編に描かれたのが、「世界の終り」の“街”でした。人々が影を持たない「謎めいた街」……。この小説は世界中の読者を魅了し、今も多くのファンが愛読しています。
本作『街とその不確かな壁』は、40年の歳月を経て、著者がその文学的原点である“街”に立ち戻り、新たな物語を構想し、完成させた渾身の小説です。


■ 文庫化にあたって、村上春樹さんから新たにメッセージが届きました!
小説を書くという作業は僕にとって、自分自身を洗い直すための大事なプロセスでもあります。高い壁に囲まれた街の中で、自分の影と切り離され、古い夢を読み続けること。その主人公は僕であり、またあなたであるかもしれません。  2025年4月 村上春樹



■ カバー装画にはインドのアーティストが描いた「夜の木」を使用
カバー装画は、幻想と現実を往還する『街とその不確かな壁』の物語への入口として、上巻・下巻それぞれにインドの絵本『The Night Life of Trees』(邦題:夜の木)の絵が使われています。
この絵本は、中央インド出身のゴンド民族のアーティスト3人によって描かれた木をめぐる神話的な世界。上巻のカバー絵は「まもってくれる木」、下巻は「ドゥーマルの木」という題名がついています。
「夜になるとその本性を現すという聖なる木。人々から畏れられ、また崇められている木。神が住むと言われる木。そのような木々が、ページを繰るたびに目を見張る美しさで次々と姿を現します。プリミティブでありながら洗練され、繊細でしかも力強く美しい世界です」
(絵本の版元・タムラ堂HPより)

さらに、単行本のために制作されたタダジュンさんの版画(角笛や本の意匠)も、カバーと章扉に使われ、村上ワールドへといざないます。
村上作品は日本でも海外でも物語への想像力を呼び起こす装画が魅力ですが、今回の「夜の木」も見事に響き合っています。
カバー絵「まもってくれる木」
カバー絵「ドゥーマルの木」



■ 海外でも翻訳版が続々と刊行! 世界中が注目する一冊
『街とその不確かな壁』は、海外での刊行も続いています。現在、海外18の国と地域(16言語)で翻訳出版され、各国で高い評価を得ています。
・U.S.A. ニューヨーク・タイムズ ベストセラーリスト ハードカバーフィクション部門7位
(2024年12月8日付) 
・フランス 業界誌Libres Hebdoのベストセラーリスト フィクション部門で1位
(2025年1月15日)



■関連作『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新潮文庫)も再注目されています
1985年刊行の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』にも“街”と“影”が登場しました。幻想と現実の境界に40年ぶりにあらわれた村上春樹の“街”――。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を再読する愉しみもあります。
今回、全国の書店では、海外でも圧倒的人気を誇る『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が新しい帯で展開される予定です。


■ 新刊だけじゃない! テレビや雑誌も注目! 4月は村上春樹作品のトピックが目白押し
・連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』に収録された4作品を原作にしたNHKのドラマを放送!
今年は、1995年の阪神淡路大震災から30年目にあたります。連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』は、村上さんが「地震」と向き合って書いた海外でも評価の高い作品集ですが、その中の4編の原作にアレンジを加えたNHK土曜ドラマ「地震のあとで」(全4話)が放送中です。
4月5日の第1話「UFOが釧路に降りる」の主人公は、「ドライブ・マイ・カー」での好演が光った岡田将生、釧路で出会う不思議な女性を唐田えりかが演じます。第4話は、「続・かえるくん、東京を救う」と題して、佐藤浩市が信用金庫の元職員「片桐さん」を演じ、「かえるくん」の声をのんが担当します。脚本は映画「ドライブ・マイ・カー」の大江崇允、製作は山本晃久ほか、監督はNHKの朝ドラ「あまちゃん」を演出した井上剛、音楽は大友良英という制作陣です。

・「新潮」5月号に「武蔵境のありくい」が一挙掲載!
4月7日(月)に発売された文芸誌「新潮」には、130枚の中編「武蔵境のありくい」が掲載され、注目を集めています。2024年3月に早稲田大学の大隈記念講堂で川上未映子さんとの朗読会に発表した短編「夏帆」に続く連作。しゃべる猫、かえるくん、品川猿など、生き物が登場する不思議な村上ワールドに、あらたに「ありくいの夫婦」があらわれまれました!

・NHK Eテレ「100分de名著」で『ねじまき鳥クロニクル』を特集!
同じく4月7日(月)からは、NHK「100分de名著 村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』」(解説・沼野充義)も始まり、注目を集めています。90年代の村上文学を代表する壮大な長編小説を、世界文学に精通するロシア・東欧文学研究者の沼野充義さんが、4回にわたって鮮やかに読み解いています。
「村上春樹」からHARUKI MURAKAMIへ。海外で村上文学が高く評価されるきっかけとなった長編『ねじまき鳥クロニクル』をどう読むかーーNHK「100分de名著」ならではの、分かりやすい解説で、最新作『街とその不確かな壁』にも通じる村上文学への最良の案内になっています。
■ 書籍内容紹介
『街とその不確かな壁(上)』
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、“街”について語り出す――それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当のきみ”がいるという。<古い夢>が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。

『街とその不確かな壁(下)』
図書館のほの暗い館長室で、「私」は子易さんに問いかける。孤独や悲しみ、“街”や“影”について……。そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。彼は自ら描いた“街”の地図を携え、影を棄てて壁の内側に入りたいと言う――二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。


■ 著者紹介
村上春樹(むらかみ・はるき)
1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『国境の南、太陽の西』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『海辺のカフカ』(世界幻想文学大賞、ニューヨーク・タイムズThe 10 Best Books of 2005)、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』(第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編)がある。最新長編は『街とその不確かな壁』(2023)。 『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、『村上春樹雑文集』、『ポートレイト・イン・ジャズ』等のエッセイ集、『辺境・近境』等の紀行文、カーヴァー、サリンジャー、チャンドラー、カポーティ、フィッツジェラルド、マッカラーズの翻訳作品など著書・訳書多数。海外での文学賞受賞も多く、2006年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、スペイン芸術文学勲章、2011年カタルーニャ国際賞、2014年ヴェルト文学賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞、2022年チノ・デルドゥカ世界賞を受賞。2023年、アストゥリアス王女賞文学部門を受賞。2024年早稲田大学より名誉博士号授与、同年アメリカン・アカデミー・オブ・アチーブメントよりゴールデン・プレート授与、英国王立文学協会インターナショナル・ライターに選出。


■ 書籍データ
【タイトル】街とその不確かな壁(上・下)
【著者名】村上春樹
【発売日】2025年4月23日
【造本】新潮文庫
【定価】上巻:990円 / 下巻:935円(いずれも税込)
【ISBN】上巻:978-4-10-100178-4 / 下巻:978-4-10-100179-1
【URL】

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