【ルック】イッセイ ミヤケが2025/26年秋冬コレクションをパリで発表

2025.03.13 15:00
イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、3月7日、パリ市中心部にある、カルーセル・ド・ルーヴル(Carrousel du Louvre)にて、2025/26年秋冬コレクション「[N]either [N]or」を発表しました。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
今回のコレクションは、形態や質感、意味合いまでにおいて、相反する二つの物事を結びつけ、「どちらかである(either or)、どちらでもない(neither nor)」という曖昧さを描き出しています。このように衣服をつくる発想は、オーストリア人アーティスト、エルヴィン・ヴルム(Erwin Wurm)の作品から学んだ、「見慣れたものを意外で独創的な方法で見せれば、見え方が変わり、見方が新しくなる」というアプローチに基づいています。こうして完成された衣服は、見る者の既定視点を覆し、掴めそうで掴めない揺れ動く感覚を呼び起こします。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

抽象と具象、平面と立体の対話。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
「KNIT (AS IT IS)」の写真を柄にして、衣服にプリントすることで、平面と立体を行き来する新たな表現方法を探っています。さまざまな素材に印刷可能な最新の転写技術を用いて、写真を鮮明かつ細やかに再現しています。柄のドレープやシルエットが、実際の衣服のドレープやシルエットと重なったり重ならなかったりする錯視効果を起こします。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

抽象と具象、身体と彫刻の境界。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
身体と衣服の間に生じる余白。その余白、見えない空間を彫刻するように、異なる編み組織によって生じるねじれを活かし、有機的なフォルムを生み出しました。無縫製技術が可能にする流動的なシルエットは、身体と彫刻の境界を曖昧にします。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

彫刻なのか、衣服なのか。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
シャツやブレザーのように見えて、彫刻のようにも見える、そんな衣服とは何かを探っています。彫刻のざらついた質感を和紙で表現し、しなやかさをストレッチ糸で表現しています。ファスナーで着脱でき、袖を通すと現れるフォルムは、着る人それぞれの表情を見せます。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

着る人に着る自由を。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
ボタンの留め方で前身頃が袖に変形したり、腕を通す位置を変えて中心をずらしたり、着る人の気分に合わせて自由な着こなしを可能にします。ストライプ柄は、線の輪郭がぼやけるようにタテ糸を4色のグラデーションに染め分けています。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
どんなものでも、身体を通せば衣服になるか。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
この問いから、紙袋に身体を通してみました。今コレクション発表のために、架空の展覧会ポスターをイメージして制作した柄を、紙袋の形に模した衣服にプリントしています。「Abstract, Concrete, and In-Between(抽象と具象とその間)」という展覧会タイトルと共に、コレクション発表の日時や場所も記されています。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

単純と複雑の行き来。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
一枚の布をS字状に折り返してできる、単純な2つの筒構造を発展させた衣服。和紙とコットンにストレッチ素材を織り合わせた生地は、張り感と伸縮性を併せ持ち、立体感を際立たせます。前後どちらかの筒に身体を通して、さまざまな着こなしと造形ができます。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

見慣れているものを見慣れていないものに。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
規則的なプリーツ加工や弧を描くハンドプリーツを施すことでストライプ柄を歪ませ、さらに折り目を付けることで、変化をつけています。透け感のある素材を重ねて着用すると、それは柄なのか、プリーツなのか、見る者を惑わす錯視効果が生まれます。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet

既成の認識を覆す。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
柔らかいはずのものを硬く表現する発想から、柔と剛の曖昧さを探求しています。熱可塑性のある合成繊維とウール・アルパカの混紡糸をプレス加工することで、ニットには通常見られないパリッとした硬質な質感とほのかな艶を出しています。分量感のあるデザインに、剛柔をそれぞれあしらって、ゆったりとした印象と鋭いシルエットを兼ね備えるニットです。
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet
© ISSEY MIYAKE INC. /photo by Frédérique Dumoulin-Bonnet







お問い合わせ:
ISSEY MIYAKE INC. (イッセイミヤケ)
Tel. 03-5454-1705
isseymiyake.com

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