「アート×マーケティング」一橋大学の学生がアートTシャツを製作するクラウドファンディングを開始

2025.02.27 12:00
山下研究室
【ミュージアムグッズをもっと魅力的に!】一橋大生によるTシャツ製作プロジェクト

一橋大学商学部山下研究室の学生が研究の一環として、アートTシャツを製作するクラウドファンディングを実施します。期間は2月21日(金)から3月9日(日)まで。目標金額は130万円。
クラウドファンディングページ(

概要
山下研究室では、アート×マーケティングの視点から美術館(ミュージアムショップ)の付加価値向上について研究してきました。美術館の保有する貴重な財産であるアートに革新的なデザインを加えて、現代的な新たな価値を見出したいと考え、ミュージアムグッズにおける革新的なデザインの有効性を調査するために、クラウドファンディングを実施します。デザインの持つ革新性に注目し、独自性がありつつ、ずっと着たくなるようなアートTシャツ作りに挑戦します。リターンとして、有名作品をモチーフにした全8種類のロングTシャツを販売します。
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背景
美術館をもっと魅力的に
研究室では、美術館における現代の経営課題やマーケティング戦略について、先行研究やインタビューを通じて調査してきました。美術館には入館料収入の他、寄付収入、物販収入、補助金などの収入源があります。その中で、私は物販収入となるミュージアムショップ事業に着目し、現在卒論研究を行っております。
多くの日本の美術館が財政難に直面しており、美術館を発展させていくためには収益を向上させることが不可欠です。株式会社みずほ総合研究所のレポートによると、2015年において、48.6%の美術館が「調査研究充てる予算がない」と回答しています。美術館は持続可能なビジネスモデルを模索する必要があり、その手段の一つとして私はミュージアムショップ事業により力を入れていくことが重要であると考えます。
作品と個人の対話の重要性
研究室の調査の一環で、美術館における経営改革で高い評価を得ている大原美術館への訪問の機会をいただきました。大原美術館は、日本で最初の西洋美術中心の私立美術館として長い伝統を持ちながら、パートナーシップの再構築や、地域貢献における積極的な取り組みを行うことで、収益構造改革を推進されています。2023年には理事長の大原あかねさんが、私立美術館における収益構造改革の成功例、及び自立経営の先例として文化庁長官より表彰を受けています。
我々の訪問時には、アートと個人の対話体験を実際に経験させていただき、教条的なアート教育とは一線を画した取り組みを幼稚園児から企業人へのプログラムにまで貫いておられることに感銘を受けました。当美術館においてごく自然に実践されている方法が、現代の先端的なアート志向の考え方に通じていることにも驚きました。美術作品に対する敬意を守りながら、新しい革新を推進することの難しさと、それに挑戦することの面白さを学びました。
アートTシャツを進化させたい
先進的な美術館では、作品展示に関する革新や工夫が進んできているように思います。しかし、ミュージアムショップに関しては、まだまだ、作品と個人の対話を促すような革新的な取り組みが進んでいません。革新に際して、いかに美術作品に対する敬意を守れるかがポイントになると考えます。
ミュージアムショップについて研究した海外の学術論文では、伝統的な作品をモチーフに革新的なデザインを加える方法が検討されており、「商品が単純なレプリカから創造的で実用的な商品へとシフトしたことで若者の人気を集めたことが、最近の商品の成功を導いた」とされています。従来のミュージアムショップの商品よりも革新性の高い商品は、日本においても多くの消費者の関心を集めることができると考えています。作品への敬意を保ちながら、敬意を革新的な方法で表現するデザインを探求したいと考え、実際にアートTシャツを作ってみたいと思います。
アートTシャツは進化の可能性を秘めています。老若男女問わず使用でき、デザイン性を追求しやすいためです。また、受注生産やオンライン販売にも適しています。しかし、現状の美術館にはデザイン性を追求したアートTシャツの制作は、非常にハードルが高いといえます。革新性の高いアートTシャツ制作を通じて、美術作品と個人とが、鑑賞とは別の形での対話を生み出すという考えに共感していただける皆さんからご支援をいただきたいと思います。本プロジェクトは研究活動を目的に実施しており、利益創出を目指すものではございません。よって最終的に残った利益は、作品と個人の対話の大切さを教えて下さった公益財団法人大原芸術財団の「みんなのマイミュージアム基金」に寄付したいと思います。
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販売について
2月21日(金)から3月9日(日)までクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて販売します。
「アートグッズにおける創造性」をテーマに制作したロングTシャツを8種類作成しました。モチーフにはエル・グレコ、モネ、カンディンスキー、ホドラーの作品を使用しています。肌寒い時期にもぴったりな厚手の素材となっており、気軽に着ることができます。(


商品1.:ロングTシャツ1点
価格 :9,000円(消費税・送料込み)
カラー:ブラック・ホワイト
サイズ:S/M/L/XL
厚み :6.6オンス

商品2.:ロングTシャツ2点
価格 :16,000円(消費税・送料込み)
カラー:ブラック・ホワイト
サイズ:S/M/L/XL
厚み :6.6オンス
エル・グレコ「受胎告知」 A
エル・グレコ「受胎告知」 B
モネ「睡蓮」 A
モネ「睡蓮」 B
カンディンスキー「尖端」 A
カンディンスキー「尖端」 B
ホドラー「木を伐る人」 A
ホドラー「木を伐る人」 B


展示会のお知らせ
3月2日(日)にサンプルを展示した内覧会を開催します。会場のコモンエリア【Agora】は三菱地所の協力により実現したソーシャル・データサイエンス学部の交流拠点の一つです。8種類全てのデザインを展示しておりますのでぜひお気軽にお立ち寄りください。
時間:3月2日(日)13時~18時
場所:一橋大学国立キャンパス 東本館1階コモンエリア【Agora】
※キャンパスマップ(

実行者からのコメント一橋大学商学部4年の野村優(のむら ゆう)と申します。大学の研究室では、「アート×マーケティング」の視点から、美術館の収益向上、ミュージアムショップにおける消費者行動について研究してきました。その一環として、本プロジェクトにて実際にアートTシャツを販売し、商品開発の過程やデザインが消費者に与える影響といった知見を美術館の収益向上に役立てたいと考えています。
ミュージアムショップ、そしてアートグッズにはまだまだ発展の余地があります。アートが商品になることで、今まで見る対象でしかできなかった作品を日常に取り込むが可能になり、作品と個人を結び新たな体験を生み出すことができます。このようなミュージアムグッズの持つ可能性を、自ら商品を作り明らかにしたいという思いで、このプロジェクトを進めてきました。どうか温かいご支援をよろしくお願いいたします。
山下裕子教授からのコメント世界の主要なミュージアムではミュージアムショップが収益の重要な柱となっており、創造性豊かな質の高い商品が展開されていますが、日本では、ミュージアムが自らの企画によるデザイン性の高い商品を扱う例は稀です。美術作品の保護と、デザインモチーフとしての利用のバランスを取ることは難しい問題ですし、独自企画のリソース不足という問題もあるでしょう。
チームメンバーである野村優さんは、伝統的なアートに革新を加えることで、パーソナルな価値の高い商品を創れないかと、本クラウドファンディングに挑戦することにしました。一橋大学MBA卒業生であり、クリエイティブチームAKANESASUを運営する高橋リョウさんが趣旨に賛同し、デザイン面のディレクションを引き受けて下さいました。伝統的な名画にデザインを施したTシャツに、「今っぽさ」「新鮮さ」「アート感」等の心の動きを感じられる方、ミュージアムショップがもっと自己革新に取り組んで欲しいという意図に共感される方、是非賛同をお願い致します。




【ミュージアムグッズをもっと魅力的に!】一橋大生によるTシャツ製作プロジェクト
【期間】
2025年2月21日(金)~3月9日(日)
【URL】
アートTシャツ展示会
【日時】
2025年3月2日(日) 13時~18時
【場所】
一橋大学国立キャンパス 東本館1階コモンエリア【Agora】
※キャンパスマップ(

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