廃漁網リサイクル素材ブランドamuca(R)が、循環型経済をデザインするグローバル・アワード「crQlr Awards 2024」を受賞

2025.02.06 16:10
amu
「TideTurner Prize」と「Preventative Protection of the Oceans Prize」の2つの賞を受賞
廃漁網リサイクル素材ブランド amuca(R)が、crQlr Awards(サーキュラーアワード)2024にて「TideTurner Prize」と「Preventative Protection of the Oceans Prize」の2つの賞を受賞しました。amuca(R)は、廃漁網アップサイクルベンチャーamu株式会社が日本各地の廃漁網を海洋流出する前に回収し、再生ナイロンなどにリサイクルした新素材です。回収地域や漁師、リサイクル工程などの情報が内包され、サーキュラーエコノミーを考慮した製品開発が可能です。
crQlr Awardsとは、循環型経済の未来をデザインするグローバル・アワードです。廃漁網を海洋流出前に回収し資源化するアプローチの革新性や、海洋生物が絡まる事態を間接的に防ぎ「生物循環型経済」に貢献している点が高く評価されました。当社では、引き続きの環境保全と資源活用を両立させる持続可能なソリューションの提供を目指してまいります。

廃漁網由来リサイクル素材ブランド「amuca(R)」について
amuca(R)の製品イメージ

amuca(R)︎は、「漁具から、価値の常識をひっくり返す。」をミッションに、廃漁網の回収・リサイクルに取り組む漁網アップサイクルベンチャー、amu株式会社(本社:宮城県気仙沼市、代表取締役CEO:加藤 広大、以下amu)が取り扱う廃漁具から生まれた素材ブランドです。全国の漁港を巡り、産業廃棄物である廃漁具を買い取り、分別・加工を行い、ナイロンやポリエチレン、ポリプロピレンなどの高品質なリサイクル素材へと再生しています。
crQlr Awardsについて
「今の経済システムをどうすれば循環型に変えられるのか?」 この問いに対する答えを探るため、
デザインの力を活かして解決策を生み出そうとするアワードがcrQlr Awards(主催:株式会社ロフトワーク、FabCafe Global)です。

2021年にスタートしたこのアワードは、循環型経済を実現する「サーキュラー・デザイン」を促進するために、産業の実践的なノウハウだけでなく、国内外の事例を学び、多様な分野のクリエイティビティを取り入れる総合的な視点を大切にしています。

crQlr Awardsは、最も優れたプロジェクトを表彰するのではなく、循環型経済を目指す社会・個人に新たな視座を与える、クリエイティブで独自性と将来性のあるプロジェクトを発見・支援することを目的としています。以下の審査のポイントと、審査員個々の独自の視点・興味関心のある分野を、評価の軸としています。
- クリエイティブであるか?サーキュラーエコノミーへの洞察があるか? for People
- 資源循環だけでなく、環境に対してポジティブな影響を与えられているか? for Planet
- 循環型経済を目指す社会、企業の課題に対し、解決策を示しているか? for Profit

また、crQlr Awardsは単なるコンテストではなく、循環型経済を目指す社会や個人に新たな視点を
提供し、未来を形作るクリエイティブなプロジェクトを発掘・支援することを目的としています。

出典:crQlr Awards 2024
審査員の評価
(1)TideTurner Prize
従来の「流出した漁具を回収・再生する」取り組みとは異なり、流出前の段階で漁具を回収し、資源として再生する革新性が評価されました。問題の根本に直接アプローチすることで、環境改善と持続可能な未来の実現に貢献している点が高く評価されています。

審査員:Gregory Constantine氏の講評(Air Company CEO兼創業者)
amuca(R)は、一見すると既存の手法である「アップサイクル」のプロセスを掲げています。 海洋プラスチックや廃棄漁具のリサイクル自体は新しい技術ではありませんが、問題の根源に直接アプローチする独自の姿勢が、他にない革新的な解決策を示しています。

amuca(R)は、漁業を主要な収入源とする漁師や地域社会と積極的かつ直接的に連携し、環境への影響を理解してもらうための教育を行うと同時に、漁具廃棄に代わる実質的なビジネスインセンティブ を提案しています。この直接的な関係構築は、業界の主要なステークホルダーとの信頼を深め、環境保全と経済的持続可能性を両立させる重要な一歩となっています。

amuca(R)が際立っているのは、3つの「P」への揺るぎない取り組みにあります。
まず、「People(人)」 への影響です。複雑で課題の多いサプライチェーンの両端において、amuca(R)は直接的で実質的なインパクトをもたらし、漁業と衣料産業双方において、慣習や生産方法に対する具体的な代替手段を提示しています。

次に、「Planet(地球)」 に対する貢献です。amuca(R)の製品が大規模に適用されれば、海洋生物多様性の保全が加速し、より健全な海が育まれることで、魚類の個体数の増加や持続可能な漁業の成長を支える基盤となります。

最後に、「Profit(利益)」 の側面です。経済的および生態学的な利益が両立しており、プレミアムな繊維代替品の提供は業界に破壊的な変革をもたらす可能性を秘めています。同時に、海の健康を取り戻すことで、漁業資源の回復や地域経済への長期的な恩恵も見込めます。

しかし、amuca(R)を真に際立たせているのは、その「先手を打つ」運営手法です。 多くの類似の取り組みが、海洋プラスチックや漁業廃棄物を水中に流出した後 に回収・リサイクルするのに対し、amuca(R)は問題が発生する前段階での対策に積極的に取り組んでいます。

その能動的な姿勢 は、従来の受動的な取り組みとは一線を画し、測定可能な変化 を生み出す力を持っています。amuca(R)は、問題の根源に対する直接的なアプローチを通じて、真の環境改善と持続可能な未来の実現に貢献しています。amuca(R)は、気候変動への具体的な解決策を生み出すために、より広く採用されるべき理念を体現しています。

同社の製品は、環境への負荷が大きい数多くの産業に対する実証済みの代替手段であり、最も重要なのは、製品のライフサイクルの両端にいる個人をつなぐことで、真の循環型経済を実現している点です。 漁師と直接連携して原材料を調達するプロセスは不可欠ですが、同時に、消費者が手に取れる製品を通じて「自らが変化を生み出す一員である」 という意識を醸成することで、真の支持者やアンバサダーを生み出しています。


(2)Preventative Protection of the Oceans Prize
不要になった漁網を漁師から直接回収し、海洋への流出を未然に防ぐとともに、放置された漁網による海洋生物への悪影響を抑制する取り組みが評価されました。特に、生物多様性の保全に寄与し、「生物循環型経済」の推進に貢献している点が高評価を得ています。

審査員:廣末幸子 / Sachiko Hirosue氏の講評(株式会社大阪鉛錫精錬所 代表取締役社長)
このプロジェクトは、「生物循環型経済」に貢献するものです。不要になった漁網を漁師から直接回収することで、これらが海に流出するのを防ぎ、結果的に放置された漁網に海洋生物が絡まる事態を間接的に防いでいます。特定のカテゴリーの海洋プラスチックに注目することで、リサイクルプロセスと再利用市場に集中できています。

すべての用途で代替素材がない限り、プラスチックの使用を完全にやめることは困難です。また、海洋プラスチック廃棄物を一括りにして語ることはできません。このプロジェクトは、非常に重要かつ予防的な解決策を提示しており、ぜひ世界中で展開してほしいと思います。

さらに、このプロジェクトはトレーサビリティタグを活用し、次の消費者に向けたメッセージを込めることで、多くの人々に魅力を感じてもらえる仕組みを整えています。ただし、回収ネットワークを検討する際、どのように規模を拡大するかが課題となります。プロセスを中央集約型にするか、分散型にするかを決める必要があります。また、海底に沈んでいる漁網を回収する方法が実現可能であれば、それを考慮するのも素晴らしいアプローチです。


これらの賞は、循環型経済を目指す社会や個人に新たな視座を与える、クリエイティブで独自性と将来性のあるプロジェクトを発見・支援することを目的としたプロジェクトの一環として授与されました。
amu株式会社 代表取締役CEO 加藤 広大コメント
このたび、crQlr Awards 2024において「TideTurner Prize」と「Preventative Protection of the Oceans Prize」の2つの賞を受賞できたことを大変光栄に思います。

私たちamuは、地域に入り、直接漁師の方々と連携して回収・資源化を行うことで、ステークホルダー全員が笑顔になる課題解決に挑戦してきました。 そんな私たちのこだわりの部分を評価していただいたことを嬉しく思います。同時に、漁網が未来の資源となる可能性をさらに広げていくことにわくわくしております。

これからも「いらないものはない世界をつくる」というビジョンのもと、漁業に関わるすべての人々と協力しながら、サーキュラーエコノミーの実現に向けて挑戦を続けてまいります。
会社概要
社名:amu株式会社
本社所在地:〒988-0017 宮城県気仙沼市南町2丁目2-25
代表取締役:加藤広大
出資元:ANRI株式会社/UBE株式会社/株式会社ANOBAKA
事業内容: 廃漁網の回収、プロダクト開発販売
設立: 2023年5月
HP:
ブランドサイト:
ブランドサイト(EN):

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