ロロ・ピアーナのペコラ・ネラ(R)ウール

ロロ・ピアーナ ジャパン株式会社
反英雄の物語と逆境の勝利

ロロ・ピアーナは2025年1月より、2025年春夏コレクションのペコラ・ネラ(R)製のウェアにトレーサビリティ・サービスを導入いたします。オーラ ブロックチェーン コンソーシアムによる安全に保存されたデジタル証明書により、顧客はラベルのQRコードをスキャンすることで、牧場から糸、完成品に至るまでのペコラ・ネラ(R)繊維の旅を追跡できるようになります。


ニュージーランドの牧場から調達された希少な天然のダークカラーのペコラ・ネラ(R)ウールには、驚くべき物語があります。この独自のウールが牧場から繊維、そして完成品に至るまでの類まれな変遷は、反英雄であるフィオナ・ガードナーがいかにして異質なものに魔法を見出したかという物語であり、また、独自の職人技とメゾンの完璧さへの絶え間ない追求の物語でもあります。


ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナとフィオナ・ガードナーが出会ったのは、90年代後半に開催されたニュージーランドのウール生産者の集まりの場でした。彼女が育てる天然の黒いウールの魅力と希少性に魅了された彼は、彼女と特別な関係を築き、2002年から2003年にかけてコラボレーションをスタートしました。彼はフィオナの先駆的なビジョンと粘り強さ、そして誰もやらなかった道を進み、有色のメリノ羊を飼育する勇気を目の当たりにしました。2人は共に、ダークウールや他のすべての天然の色合いの品質と、色の鮮やかさを高めるための品種改良プログラムに着手しました。


すべては、他の羊のブリーダーが欠点とみなすものに美しさを見出すという、ひとりの女性の先駆的なビジョンから始まりました。1983年、フィオナ・ガードナーは5頭の有色の羊を受け継ぎました。伝統的に、品種改良では染色可能なホワイト羊が好まれました。しかし、一部のホワイト羊はダークカラーのウールを生み出す劣性遺伝子を持っており、ブリーダーたちはそれを軽視していました。フィオナ・ガードナーは、これらのダークカラーの羊と、その羊が持つさまざまな天然の色に魅了され、家族の助けを借りて、有色種の繁殖に専念しました。そしてブラック、グレー、ブラウンの色合いを持つ独特な羊の群れを育て、天然の色合いのすべてを余すことなく取り入れました。これが驚くべき成功の旅の始まりでした。彼女の革新性と献身的な努力により、ウールの分類と羊の飼育に関する独自の知識が開発され、驚くべきノウハウを生み出し、後に唯一無二の遺産となるダークカラーの羊の群れの基礎を築きました。


希少な素材ペコラ・ネラ(R)は無染色の自然な色合いで、ブラック、グレー、ブラウンのメリノウールの温かみのある自然な色合いによって独特な天然の模様を生み出し、独自の生地に織り上げられます。メゾンは、無染色のウールの繊維を生地に仕上げ、常に温かみのある自然な色合いを強調することを目指します。ロロ・ピアーナは6世代にわたって、この最高品質の繊維を、感覚的なタッチでこのうえなくエレガントでタイムレスなファブリック、ウェア、アクセサリーに生まれ変わらせるスペシャリストです。常に顧客のために最高品質のウェアを作成するには、すべての生産プロセスにおいて卓越した職人の手仕事が不可欠です。


2003年以来、ロロ・ピアーナはガードナー家のダークウールをすべて買い上げており、唯一の買い手となっています。これは、メゾンが優れたサプライヤーと築き上げてきた長期にわたる個人的なパートナーシップの証です。ロットごとに独特の色調が表現されており、ウールの自然な色合いをそのまま維持するには、さまざまなチーム間の緊密な連携が求められます。これは、時間と細心の注意を要するプロセスです。


2024-2025年秋冬シーズン、ロロ・ピアーナはアーカイブに残るダークカラーのウールで作られた歴史的なファブリックにインスピレーションを得て、3層構造の糸で織ったファブリックを再構築しました。それぞれ異なる自然な色合いの3本のウールを撚り合わせてらせん状にし、生地に独特の立体感を与えています。その結果、素材と職人技、創造性とテクノロジーが融合し、ペコラ・ネラ(R)ウールの美しさを凝縮した逸品が誕生しました。そして2025年春夏コレクションより、ペコラ・ネラ(R)製のウェアにトレーサビリティ・サービスが導入され、顧客はラベルのQRコードをスキャンすることにより、ペコラ・ネラ(R)繊維の旅を追跡できるようになります。