ホシザキ、キューブアイス製氷機を大幅モデルチェンジ

2025.01.22 11:00
ホシザキ株式会社
代替フロンから自然冷媒(※1)へ冷媒転換

 総合フードサービス機器メーカーであるホシザキ株式会社(本社:愛知県豊明市、代表取締役社長:小林靖浩)は、日産製氷能力20kgから115kgタイプの製氷機「キューブアイスメーカー」を大幅モデルチェンジします。全22機種(卓上タイプ1機種、アンダーカウンタータイプ9機種、バーチカルタイプ5機種、スライド扉タイプ3機種、スタックオンタイプ4機種)において代替フロンから自然冷媒(※1)へ変更します。2025年4月上旬より順次出荷開始し、ホシザキの全国15の販売会社を通じて販売します。
キューブアイスメーカー:アンダーカウンタータイプIM-25P(左) バーチカルタイプIM-95P(右)


■業務用冷蔵庫だけでなく製氷機でも自然冷媒化を推進
 ホシザキは代替フロンからノンフロンへの冷媒転換にあたり、人類が作り出した物質ではなく、自然界にもともと存在する物質である自然冷媒を積極的に採用しています。国内外で業界に先駆けて業務用自然冷媒冷蔵庫を開発し、国内では2024年末にすべての業務用冷蔵庫標準機(※2)の自然冷媒転換が完了しました。製氷機では一部をラインナップに追加していましたが、今回のモデルチェンジにより、対象のキューブアイス製氷機は全て自然冷媒となります。
 自然冷媒への転換により、代替フロン採用の旧モデルと比較し、地球温暖化への影響を大幅に(※3)軽減します。冷媒ガス使用製品を製造するメーカーとして、製品に使用するフロン類の環境影響度の低減を行うことにより、製品のライフサイクル全般にわたる温室効果ガス排出量削減に大きく貢献します。

■衛生性、デザイン、操作性を向上
-製氷環境をさらに衛生的に保つ「保冷制御」を搭載(卓上タイプ除く)

 モデルチェンジにあたり、日産製氷能力180kg、230kgのキューブアイス製氷機で先行導入していた「保冷制御」を搭載しました。貯氷検知時に製氷機の外の気温が一定以上の場合、製氷時でなくても製氷室を低温に制御します。冷たい空気の重い性質により冷気が貯氷スペースへも行き渡り、菌が繁殖しやすい温度帯になることをさらに抑制します。

-外観デザインを刷新(卓上、スタックオンタイプ除く)

 前面の吸排気部のデザインを刷新すると同時に、ステンレスを基本した厨房環境と調和するように、ハンドルの色を黒からグレーに変更しました。
                   吸排気部:前モデル(左)、新モデル(右)


-日常の手入れに配慮:点検ランプ、フィルターランプ、容易なフィルター脱着(※4)

 これまでは7セグメント(※5)ディスプレイによるエラー記号のみの表示でしたが、「点検」、「フィルター」のランプを追加しました。定期的な清掃が必要なフィルターは、前面から脱着可能な構造に変更し、前面カバーの取り外しが不要となりました。

-機器をIoT化する「ホシザキ コネクトWi-Fi」に接続可能

 2024年1月にスタートした、機器にWi-Fiモジュールを取り付け、稼働・温度データをクラウドサーバーで管理するサービス「
」に対応しています。


■発売製品ラインナップ(電源は115kgタイプ4機種(三相)をのぞき、全て単相):
■価格(代表機種のみ) :
※1:自然冷媒とは、自然界にもともと存在する物質を使って冷凍用や空調用の冷媒に使用できる物質です。オゾン層破壊係数(ODP、Ozone Depletion Potential)がゼロ、かつ、地球温暖化係数 (GWP、Global Warming Potential)が非常に低い、地球に優しい冷媒のことです。GWPは、二酸化炭素(CO2)を1とした場合に、その温室効果ガスの温暖化の大きさを表した数値です。当社の採用するイソブタン(R600a)、プロパン(R290)のGWPは、国連環境計画(UNEP)の「OzonAction Kigali Fact Sheet 3」(2017年公開)では3、世界気象機関(WMO)(国連の専門機関)の「Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2022」(2022年10月発行)では「<<1」(1より非常に小さい)となっています。
※2:一部の派生機種、特注機を除く
※3:今回発表製品の旧モデルでは冷媒ガスとしてR134aまたはR404Aを使用しており、国連環境計画(UNEP)の「OzonAction Kigali Fact Sheet 3」ではGWP値は1430(R134a)、3922(R404A)となっています。
※4:水冷機(水で冷やす方式の冷却ユニット搭載機)はフィルターがないため、フィルターランプ、前面フィルターは対象外。卓上タイプは7セグメント、ランプ表示なし。卓上、スタックオンタイプは前モデルより前面フィルター脱着が可能
※5:計算機などで見られる、7つの棒のようなセグメントにより数字やアルファベットを表す表示形式。
※6:高さにストッカー含む

【ご参考資料】
■キューブアイスについて
「キューブアイスメーカー」は、ジュース、水、アイスコーヒー、水割りなどに使われる、約3センチの立方体に近い、透明な氷の製氷機です。零下25℃に冷却された製氷室に下から水を噴射しながら製氷します。水を流動させながら徐々に凍らせることで不純物を除去し、透明で溶けにくい氷となります。ホシザキの国内製氷機標準ラインナップの約7割を占めています。
                       キューブアイス製氷方式



■代替フロンからの冷媒ガス転換の動向

 代替フロンは、オゾン層は破壊しないものの、二酸化炭素(CO2)と比較して地球温暖化係数(GWP)が数十倍から一万倍超(環境省フロン排出抑制法ポータルサイト)と非常に高い温室効果ガスです。このため、国際的に代替フロンからノンフロンへの転換要請が高まっています。2016年10月、ルワンダのキガリで開催された締約国会議において「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」(1989年1月発効)が改正され、代替フロンにも生産および消費量の段階的削減義務が課されました(キガリ改正)。キガリ改正は、現在、163の国(EU含む)が批准・受諾・承認しています(国連サイト2024年11月12日付)。
 日本では、2018年12月にキガリ改正を受諾、2019年には、オゾン層保護法にて代替フロンも規制対象に追加され、フロン排出抑制法が改正されています。さらに、「地球温暖化対策計画」(地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画)における代替フロンの排出削減目標(2030年度に2013年度比55%削減)の達成に向け、製品に使用するフロン類の環境影響度の低減を含む、フロン類のライフサイクル全般にわたる対策が推進されています。

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