油でご飯の課題を解決。プロの調理現場を支える「日清炊飯油お店のごはん用」開発の裏側 

2025.01.15 10:00
~貴重な米を美味しく保つために。中食の工場で使われていた「炊飯油」を、飲食店でも使っていただくために専用商品を開発したその想いとは~
日清オイリオといえば家庭用の商品を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、外食・中食産業向けの業務用商品も多く展開しています。
このストーリーでは、調理現場で働く皆さまを支える業務用商品の1つである「日清炊飯油お店のごはん用」について、開発担当の業務用事業戦略部 関本智志さんに話を聞きました。


ご飯のおいしさを保つ「炊飯油」を飲食店へ広めたい
食用油は『焼く』『揚げる』といった用途以外のシーンでも活躍しています。ご飯を炊く際に使用する炊飯油は代表的な例です。炊飯油は米と水と一緒に炊飯釜に入れて炊くことで、油がご飯をコーティングし、炊き上がったご飯の乾燥を抑えたり、釜や調理器具へのくっつきを防ぐ炊飯専用の油です。もともとは、お弁当工場やおにぎり工場のように大量に米を扱い、効率的な調理のためのほぐれやすさや、作ってから食べるまでのおいしさ維持が求められる分野で使われていました。
担当の関本さんは、「炊飯油は飲食店ではあまり使われていませんでした。従来の炊飯油は容器のサイズが大きくて、飲食店で炊くご飯の量から考えると使い切るのが大変なことや、炊飯油は工場向けの商品というイメージがあったことから、飲食店で活躍する食材として認識されていなかったことが原因だったように思います。そこで、炊飯油が飲食店のご飯をより良くすることに貢献できることを知って頂き、自分たちのお店にも置きたいと思ってもらえるような商品を開発することにしました。」と開発のきっかけを振り返ります。


飲食店の皆さまに共感して頂ける商品を目指して
「私は以前、営業を担当しており、営業活動の中で飲食店の方とお話しすると『ご飯が釜やしゃもじにくっついて盛り付けにくい』といったご意見を聞いていました。同時に『ご飯はそういうもの』という意識を飲食店の方々が持っているとも感じ、本当に困っているのか、解決できることを知らないだけなのか、あいまいな部分がありました。」


「また、お弁当とは異なり、飲食店では炊いたご飯をすぐに提供するため、ご飯に対する課題は少ないのではと考えていました。ところが、お話を聞いていく中で、例えばラーメン店や焼き肉店のように、ご飯がメインでない業態では、一定時間ご飯を保温していることが分かり、炊飯油のニーズがあると考えました。貴重なお米を長くおいしく保つことができれば、調理現場でのロスを防止することもでき、意義が大きいと開発への想いも強くなりました。」


飲食店の皆さまにもお使いいただける炊飯油を開発するにあたり、あいまいな認識を根拠にするのではなく、飲食店の皆さまのニーズをしっかりと理解して商品開発を進める必要があると考えた関本さん。アンケートやヒアリングを繰り返した結果、『食材としての厨房での使い勝手』と『ご飯のおいしさへの貢献』というコンセプトにたどり着きました。


「炊飯油の使用量は生米の重量に対して約1%です。1日に1升から2升(1500g~3000g)のお米を炊く飲食店にとって炊飯油の使用量は1日あたり約15g~30gとなります。これまで1500gの大容量サイズの商品は販売していましたが、容量を350gにすることで1週間から2週間で使い切れるサイズにしました。また、注ぐ量を調整しやすい口のついたキャップを採用することで、炊飯釜に入れる際の計量が楽になるようにしました。適切な期間で使い切って頂けるサイズ感と、利用時のストレス軽減によって使い勝手の良い商品を目指しました。」
日清炊飯油お店のごはん用
少量出しの調整ができる注ぎ口


「また、飲食店の皆さまは味のプロフェッショナルです。アンケートの結果からも、おいしさへの貢献ができる商品でなければ共感が得られないと考え、炊飯油を使用することによるおいしさを追求しました。そこで、こめ油を配合することによって、長時間保温した後でも、ご飯の旨みや風味の良さを感じられるように整えました。」


ご飯のおいしさは特にこだわり、納得のいく商品を作り上げるためには苦労したと言います。


「ご飯を口の中に入れた時の風味インパクトと、飲み込んだ後の後味としての香りが自然に感じられるよう設計を調整しました。炊飯油の風味が目立ちすぎないように、あくまでも自然なおいしさを目指して、技術開発部門の担当者と相談しながら細かい調整を繰り返しました。」


「また、食感については粒感のある炊き上がりになるよう、機能を調整しました。ご飯の粒感を映像によって客観的に評価したり、当社パネリストによる官能評価を実施することで、求めるご飯の品質を実現する『日清炊飯油お店のごはん用』を作り上げました。」
炊いたご飯の粒立ちの違い


発売後にいただいた嬉しいお声と社内の変化
『日清炊飯油お店のごはん用』の発売後、展示会を中心に商品のご案内に取り組みました。そもそも炊飯油をご存知ない方が多いと考えたため、どのような商品かがわかるチラシや動画を用意したり、展示ブースでの試食で効果を感じていただく工夫をしたと言います。×
商品紹介動画


「『日清炊飯油お店のごはん用』を使ったご飯に直接触れて頂くと、『ご飯のさばき性がよい』『釜離れが良い』『ご飯にツヤがある』『ご飯がふっくらしている』『容量のサイズが良い』といった嬉しいお声を頂戴しました。この商品のコンセプトと設計が間違っていなかったのだとホッとするとともに、自信を持って飲食店の皆さまにおすすめできる炊飯油に仕上がったと確信しています。」


「また、飲食店の皆さまからの評価を受けて、当社の営業担当者たちも積極的に提案するようになりました。これまで『炊飯油は飲食店には売れない』といった評価が、社内の共通認識としてあったように思います。それが、この商品の登場によって受け止め方が変わり、飲食店に提案したい商品として扱われるようになっています。お使いいただく飲食店の皆さまにアンケートやヒアリングを繰り返し、頂いたご意見に基づいて設計したからこそ、社内に変化を生む商品になったのだと思います。」


取り巻く環境に合わせた活用のご提案
「ここ数年、夏に記録的な猛暑になることが珍しくありません。夏の猛暑は、稲に高温障害を引き起こし、お米の品質がバラついてしまう懸念があります。また、2023年に米が不作だったことや、インバウンド消費の回復などにより、直近でも米の取引価格の上昇が続いているようです。そうした状況で、飲食店の方から『これまでと同じお米を使っているのに、炊きあがりのご飯の様子が違う』『米の値段が高いので、別な品種や産地を検討したいけど、おいしいご飯が炊けるか心配』といったコメントを頂くことがあります。お米の品質に課題があったり、いつもと違うお米を使用する際に『日清炊飯油お店のごはん用』の活用を検討することは有効と考えており、おすすめしています。」


「飲食店の皆さまが『今』抱えている課題は、対話の中からでないと、見えてきません。日々、皆さまからのお声をお聞かせいただいたうえで、課題に沿った商品開発や活用方法のご提案に取り組むことで、より多くの飲食店の皆さまに課題解決をお届けしたいと考えています。」
油の機能を高め、お客さまの課題に寄り添うソリューションを提供します
猛暑による米の品質への影響のように、食材を取り巻く環境は常に変化すると考えています。また、調理現場での人手不足のような社会課題も相まって、プロの調理現場における課題やテーマは尽きることがありません。その中で、油の使われ方や期待される機能も、一段と多様化すると見込んでいます。


「『日清炊飯油お店のごはん用』については、まずはその存在を知っていただくことが課題だと考えています。さまざまな場面でご案内をしながら、手に取っていただけるようにすることが当面の目標です。また、この商品に限らず、プロの調理現場において、お客さまの課題に寄り添ったソリューションを継続的に提供するために、お客さまの声に耳を傾け、お困りごとを解決できるような商品開発を続けていきたいと考えています。お客さまの声に寄り添って油の機能を高めていくことが、新たな価値を生み出す商品開発につながると信じています。」


当社ホームページ内「業務用お役立ちサイト」から商品情報や関連コラムをご覧いただけます。
○業務用お役立ちサイトトップ
○日清炊飯油お店のごはん用 商品情報
○コラム「お米の品質対策 粒感と作業性アップには炊飯油!」

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