「父さんの命はぼくにかかってる!」内戦時代のスペインで本当にあった話をもとに描かれた、胸を打つ物語

2024.12.17 11:00
徳間書店
カバー画:吉實恵

株式会社徳間書店 (本社:東京都品川区上大崎 代表取締役社長:小宮英行)は、児童文学『この銃弾を忘れない』(
)を、12月18日(水)に発売いたします。

実話をもとにスペインの実力派作家が描く、家族の絆と、少年の困難な旅と成長の物語。
<あらすじ>
1938年、スペイン北部。2年前に内戦が始まり、炭鉱で働いていた父さんは「民主主義を守る戦い」に身を投じて、行方がわからなくなった。13歳の少年ミゲルは家族を支えるため、進学をあきらめて働いていたが、ある日父さんの知り合いが村に戻る。父さんが200キロ近く離れた町の収容所に入れられているのを見た、と聞かされ、「父さんに食べ物を持っていって。そして父さんを連れて帰ってきて」と言い出す母さん。そんなことは無理だ、と思いながらも、忠実な犬グレタを連れて、たった一人で旅に出たミゲルは…?
困難な道のりと忘れがたい出会い
オオカミもいる山中は、敵味方を問わず逃亡者やゲリラ、軍人、治安警察官など、さまざまな人物に出会う危険な場所。戦時下の命がけの旅は、手をさしのべる親切な人や忘れがたい少女との出会いも経て、父さんがいるという収容所へと続きます。
今の世界を知る手かがりに
本作は、スペイン内戦中に本当にあった出来事をもとに描かれました。内戦を知らない現代の中高校生が楽しめるよう書き方を工夫した、という作者のねらいどおり、若い読者から高い評価を受けて、中高校生が審査員となった賞を複数受賞しています。社会背景はちがっても、内戦で過酷な状況におかれる人々は後をたちません。日本の中高校生にとっても、今の世界を知る手がかりとなる一冊です。

作者:マイテ・カランサ
スペイン・バルセロナ出身の児童文学作家、脚本家。大学で人類学を学び、中学校の国語教師を経て1986年に児童文学作家としてデビューした。スペインで最も権威ある児童文学賞である国民児童文学賞のほか、セルバンテス・チコ賞など受賞多数。三部作『魔女の戦い(未邦訳)』は、三十か国語に翻訳されている。本作では、2018年にセラ・ドール批評家賞を受賞。

訳者:宇野和美
東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。バルセロナ自治大学大学院言語文学教育学修士課程修了。スペイン文学翻訳の第一人者。『ハリケーンの季節』(早川書房)で日本翻訳家協会翻訳特別賞を受賞。児童書の訳書に、『アドリア海の奇跡』『ベラスケスの十字の謎』(以上徳間書店)、『プラテーロとぼく』(小学館)、『しずかなおきゃくさま』(光村教育図書)、『ワニのクロコ』(BL出版)など。日本国際児童図書評議会(JBBY)会長。


書誌情報
タイトル:この銃弾を忘れない[作] マイテ・カランサ
[訳] 宇野和美
[定価] 1870円(税込)
[発売日] 2024年12月18日(水)
[判型/ページ数] B6・224ページ
[ISBN] 978-4-19-865942-4
[発行] 徳間書店
[商品ページ]
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