パーソナルジム立ち上げの舞台裏 | 新規事業で描く社員の健康とキャリアパス

2024.12.05 11:00
健康経営を軸とした新規事業|社員の経験から誕生したパーソナルジム立ち上げ秘話
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社(以下、コダワリ)は、パーソナルジムを立ち上げ、この半年間、社員の健康支援を目的として社内運用しておりました。トレーナーのスキル向上等、サービス品質の担保も見えてきたため、外部およびtoC向けの新規事業として本格的な準備を進めております。
今回は、パーソナルジム事業運営に携わるメンバーが一堂に会し、これまでの振り返りとともに、この事業を通じて得たスキル・経験や今後の展望について本音で語り合います。
それぞれのジムでの役割とコダワリ歴
代表取締役 大谷内

2009年にコダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社を創業。学習塾や会計事務所の設立をはじめ、CVC(Corporate Venture Capital)としてDXツール企業やマーケティング企業への投資も行う。今回のジムプロジェクトでは、事業の長期的な成長ビジョンを描き、経営資源の重点配分や新規事業モデルの方向性を策定。全体の経営方針を統括し、持続可能な事業基盤の構築を推進している。
事業責任者 佐々木


2017年入社。大手カー用品店において店舗責任者や事業責任者を歴任し、これまで担当した新規事業を数々収益化に転換させる実績を持つ。コダワリのバックオフィス業務を兼務しながら、ジム事業責任者として運営全般のマネジメントを主導し、事業全体の戦略設計と運営体制の強化に取り組んでいる。面倒見の良さでチームの結束を高め着実に成功へ導く頼れる兄貴分。
トレーナー 谷藤


2019入社。空手の全日本選手として活動しながら、空手道場の立ち上げに携わり、200名以上を指導した経験を持つ。IT企業やコンサルティング企業での営業経験も活かし、ジムトレーナーとしてファンクショナル(運動機能改善)やスタビリティ(重心・体幹強化)を得意分野に、リバウンドしにくい健康的な身体づくりをサポートしている。
社員の健康増進と新たな挑戦を見据えたジム事業の狙い
社員の健康支援を軸に、経営理念や柔軟な企業文化を背景に始まったジム事業。その設立に込められた想いや、新規事業へ挑戦する会社の姿勢に迫ります。


大谷内:ジムを立ち上げた背景には、社員の健康と働き方を見直すきっかけとなった出来事があります。もともと当社の営業であった谷藤さんが脳梗塞で倒れてしまい、一時的に業務を離れることとなりました。健康を損なうことが、ご家庭や仕事にどれほど大きな影響を及ぼすかを改めて実感し、「健康を支える仕組みを会社として提供できないだろうか」と考えるようになりました。
当社はこれまで、社員一人ひとりのやりたいことを起点に様々な事業を展開してきました。今回のジムと近しい形態の事業としても、学習塾などの実績があります。会社としてのこうした経験を活かしつつ、谷藤さんのケイパビリティを従来の営業ではないポジションで活かせればと考えておりました。谷藤さんのバックグラウンドとしては、空手の全国大会で準優勝した実績や、道場での指導経験があり、トレーニング系のサービスにフォーカスを当てておりました。継続的な健康といった点で考えると、24時間型のフリージムより、トレーナーが寄り添う形の「パーソナルジム」の方が長く続くということで、「パーソナルジム」の立ち上げに踏み切りました。


まずは、いきなり事業として始めるのではなく、社員向けの福利厚生として提供し、ゆくゆくは一般の方にも開放することで、事業基盤の安定化を図っていきます。福利厚生としての提供には、一定の支出を伴いますが、社員の意欲や仕事の質向上という形で還元されることを期待しています。このような想いでジムを設立しました。




私自身、20代の頃は食事や体調管理には気を遣わず、不規則な生活を送っていました。結果的に、体調に起因しパフォーマンスが本来の自分の最大値よりも低かったと思い、それにも気付けていませんでした(=体調面が仕事に与える影響を理解できていなかったのだと思います。)。バイタリティのある人材は仕事にも本気で取り組む傾向が強いですし、社員の健康管理は企業にとっての重要な投資と考えています。


佐々木:このジムができてから、社員の健康意識が高まったと感じています。以前から運動や健康管理の大切さはわかっていましたが、実際にジムが福利厚生の一環として使えるようになったことで、日常の忙しさに追われていた社員も、健康に目を向けるようになりました。プロジェクトメンバーとして選ばれたときは、これまでのバックオフィス業務の経験だけでなく、新たな挑戦ができることにワクワクしましたね。このジムが多くの社員にとって健康を支える場になることを目指して、今後も改善を重ねていきたいと思います。


谷藤:私は以前営業職でしたが、脳梗塞を患い、一時的に業務を離れざるを得ない状況にありました。当初、後遺症として失語症が残り、医師からは「7割の確率で回復が難しい」と言われていました。しかし、それでも諦めたくなくて、日々リハビリに取り組みました。最初は頭では分かっているのに、簡単な言葉を発することでさえ難しかったのですが、家族や仲間、専門家の支えを受けながら少しずつ話せるようになり、奇跡的に回復を遂げることができました。この過程で、健康を取り戻すことの大変さ、そしてそれを支える周囲の力のありがたさを痛感しました。
リハビリの中で、自分自身の健康を取り戻すことがどれだけ人生に希望をもたらすかを実感する一方で、同じように健康を支える役割を担えたらという想いが自然と芽生えました。そんなタイミングで会社から「パーソナル事業」の話を聞いた時、自分の経験や元々のトレーナーとしての知識を活かし、他の人々の健康をサポートする機会になると感じ、参加を決意しました。
プロジェクトメンバーに選ばれた時は、驚きとともに大きな責任を感じましたが、ジムの立ち上げを通じて、私自身の健康意識がさらに高まり、同時に社員全体の意識も変わっていくのを目の当たりにしました。健康を取り戻す喜びを知る私だからこそ、ジムを利用する人たちが、健康の価値を感じ、自分の人生をより良いものにできるよう全力でサポートしたいと思っています。このプロジェクトを通じて、私自身も成長を実感していますし、健康がもたらす幸福の大きさを改めて感じています。


大谷内:前述のとおり、谷藤さんの体調も考慮しトレーナーとして活躍してもらい、事業拡大を視野に入れる戦略です。状況的には谷藤さんの体調面もあり、事業責任者は別途立てる必要があり、佐々木さんは大手カー用品店において店舗責任者や事業責任者など管理職をしていた経験もあり、toC事業知見が高く事業運営の視点で信頼できると感じたためです。また、谷藤さんとの相性も良いため、安心して任せられると判断しました。
谷藤さんが、脳梗塞で倒れたものの、希望を捨てずリハビリに全力で取り組む姿を見て、谷藤さんが無理なく働ける環境を作りたいと思いました。彼の努力もあって、奇跡的に回復し、これまでの経験をみてもトレーナーとしての信頼性に大いに活かせると感じられるようになりました。会社としても、彼のこれまでの経験やスキルは社員やお客様へのサポートにおいて大きな価値を持つと考え、パーソナルジムのプロジェクトに参加を打診しました。 谷藤さん自身も、トレーナー業務に挑戦することで、自分の経験を活かし、他の人々の健康をサポートできることに強い意義を感じています。トレーニング指導では、彼自身の身体と向き合った経験や空手で培った指導スキルを活かし、やりがいを感じながら業務に取り組んでおり、ジムの成功の原動力になることを期待しています。
コンサルティング×ジムの親和性と健康がビジネスにもたらす効果
コンサルティングで培われたスキルや知識が、ジム事業を進める中でどう活かされるのか。具体的な事例を交えながら、ジムとの相乗効果やコンサルティングとの親和性について意見交換をします。


大谷内:ジム事業を実際にスタートするにあたって、これまでコンサルティングで培ったスキルやナレッジがジム運営に直接役立ったかと言われると、率直に言ってそうとは言い切れません。弊社の場合、別事業で教育事業(学習塾)も展開していたので、この箱物での事業での経験のほうが遥かに役立ちました。とはいえ、初期の戦略や計画策定時には、弊社のコンサルティング部門のメンバーも参画し、普段コンサルティングで接する大手クライアントの経営課題とは全く違うステージで考える必要があり、とても良い経験になったようです。


佐々木:具体的にコンサルティングの知識やナレッジを活かせていると感じる部分もあります。たとえば、顧客の目標達成に向けて、トレーニングのロードマップを作成し、進捗管理を行う点は、コンサル業務でいうと、企業の現状(AsIs)を把握し、目指す姿(ToBe)に向けてどう進めるかを考えるプロセスに似ています。


谷藤:パーソナルトレーニングでは、お客様が目指す健康状態や理想に寄り添い、それを達成するためのプラン設計をする点で、コンサルティングと非常に似ています。まず、お客様の現状をしっかりとヒアリングし、どのようなゴール設定をするのかを一緒に確認します。その上で必要なトレーニング内容や生活習慣の見直しを提案し、実行してもらう形です。これは、コンサルティングでクライアントの現状を分析し、目標に合わせたアクションプランを策定するプロセスと重なる部分が多いです。
ただトレーニングメニューを提供するだけではなく、お客様が継続できるよう進捗を見ながらモチベーション維持してもらうことも重要です。信頼関係を築くことで、アドバイスの受け入れや習慣化がスムーズになり、理想の状態に近づけると感じています。この信頼関係の構築という点も、コンサルティングでクライアントのパートナーとしての役割を果たすことに非常に近いですね。
また、社員のジム利用に関しても、リモートワークが多い中で対面のコミュニケーションが増え、社員同士の連携が深まる場となっています。ジムでの交流が仕事でのコミュニケーションにも良い影響を与えており、会社全体のチームワークの向上にも一役買っていると実感しています。
これまでの苦労や学び
事業の運営を通して各メンバーが直面した困難や、その中で得られた学び。苦労を乗り越えてきた過程を振り返ります。


大谷内:今回はM&Aの形で事業買収したものの、トレーナーは引き渡し条項ではなく、前オーナーのアセット(ブランド・人材当)も使えずなので、結局0から企画作りする必要がありました。
買収時には、前オーナーが外国籍だったこともあり、日本語での契約のやり取りには難航し、経営企画も苦労しながら何とか形にできました。


佐々木:今でこそ楽しんでいますが、ジム開設当初は複数のメンバーが運営に関わっており、統一した方向性を出しづらい場面もありましたが、それが運営の難しさと学びにつながりました。これまで自動車関連事業で新規事業に携わる経験はありましたが、ゼロからの計画立案や予算編成、マーケティングを一手に担うという点では今回の経験が初めてです。また、教育事業で得た知識やノウハウもジム運営に活用できていると感じています。課題は、ジム事業のポイントや重要な部分のキャッチアップに時間がかかっている点です。例えば、何が経営の要で、それがどう影響を及ぼすのかといった予見力と計画の組み立てなどです。前職での経験から、箱物のポイントは理解しているものの、ジム運営には異なる側面も多く、やりながらインプットを増やしていくことが大切だと感じています。


大谷内:パーソナルジムではクライアント層に高所得者層が多く、特にサービスの品質には気を配っています。施設設備は勿論ですし、コンサルティング同様、やはりトレーナー人材の質が大事です。良い人材を採用し、育てるというのは時間がかかることで課題として顕著です。トレーニングだけ教えることができるのではだめで、寄り添うコミュニケーションから、お客さまのモチベーションの活性化や問題発見・問題解決に踏み込んでいく必要があります。幸い、売上を急ぐ必要がない事業なので、トレーナーは入念に選び、トレーナー向けの研修も外部を活用し、うまく循環できております。


谷藤:細かい点はいろいろありますが、私が特に学んだのは「教える」というスタンスの違いです。もともと空手道場では生徒に「教える」立場でしたが、パーソナルトレーニングでは、お客様に対して伝えるアプローチが全く違うことに気づきました。最初はその意識が足りず、従来の先生としての教え方で接してしまっていたので、それではお客様との信頼関係が築けないと痛感しました。自分のスタンスを改められたことが、大きな成長につながったと感じています。また、研修の一環で一流トレーナーがいるジムで学ぶ機会を得たことで、プロとしてのスキルをさらに深め・自信をもってお客様と向き合っています。
未来への展望
さらなる成長と発展を目指すコダワリの未来展望。ジム事業の可能性と、新たな挑戦への意欲について語ります。


大谷内:まずは福利厚生として手を掛けたものの、ほぼほぼの社員が積極的に利用しており、満足度も高く継続しており、一安心しております。


佐々木:ジム事業については、トレーニング前のマッサージやストレッチ、*インディバ(INDIVA)などの施術サービスも組み合わせ、さらに総合的なケアができる仕組みを拡充していきたいと考えています。社員だけでなく一般のお客様からも利用され、福利厚生としても『予約が取れないほどの人気施設』になればと。次の店舗展開も視野に入れ、より多くの方に愛されるジムを目指していきます。
*インディバ(INDIBA):高周波温熱機器を用いた美容・医療施術のこと


谷藤:私としては、まずは現店舗の収益を安定させ、ジム運営の基盤を強化した上で、将来的にはさらに規模を広げ地方創生やアジアの大規模施設に出店するといったプロジェクトにも興味があります。ただ施設に出店するのではなく、たとえば、さまざまなジャンルのお店や施設が集まるエリアにトレーニング施設を組み込むなど、交流スペースが一体となった場で、飲食店なども含めた多様なサービスが展開できたら面白いですね。お客様に合わせたサービスがサイクルとして回る施設は魅力的ですし、いつか実現したい夢です。


大谷内:もともと健康維持や予防医療にも関心があり、収益性の観点で難しい部分もありました。予防医療のサブスクサービスも過去新規事業として企画が上がりましたが、マネタイズの面で断念しました。アンチエイジング領域は成長産業とみており、今回のパーソナルジム事業もその一つとして多店舗化も考えておりますし、トレーニングや他のアンチエイジング領域に手をかけていきたい考えです。
ジム業界は競争が激しく、差別化が難しいですが、だからこそ独自性を持たせながら進めることに意味があると感じています。社員と一般のお客様双方にとって価値のあるジムを目指し、これからも事業を成長させていきたいですね。

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