次郎柿ポテサラに大葉うずらボールなど、愛知県豊橋市で農家と飲食店のコラボメニューを提供中

2024.11.21 11:30
豊橋市
農業が盛んな愛知県豊橋市は、市内外の人が地元産食材を気軽に食べられる環境をつくろうと、飲食店や菓子店などと農家をマッチングして、新メニューを開発しています。2024年10月28日(月)には、豊橋駅近くのemCAMPUS EAST1階にある「emCAMPUS FOOD」(駅前大通二丁目)で、おいしくて新鮮な農産物が料理人の見事な腕により変身した地産地消メニュー15品をお披露目。新メニューは各店舗で随時、提供されるので、旬を迎えた農産物の新たな一面を見に来てください
日本屈指の農業エリアで「食と農の高付加価値化」を図る




 愛知県東部にある豊橋市は、平坦な地形と穏やかな気候、東京と大阪の真ん中に位置する立地にも恵まれており、近隣の田原市や静岡県浜松市などを含めると日本屈指の農業エリアとなっています。市町村別農業産出額は全国14位で、市内では日本一の生産量を誇る大葉や次郎柿、ラディッシュをはじめ、さまざまな農畜産物が生産されています。


 豊橋市ではその強みを生かして食と農の高付加価値化を図り、市内外の人たちに選ばれる「食と農のまち」を目指しています。その取り組みの一環として、2022(令和4)年度から質の高い豊橋産農産物の地産地消を推進するため、 市内の飲食店、菓子店などと農家のマッチング会を開催。農家と飲食店の橋渡しをすることで、豊橋産食材を使った新メニューの開発、提供だけでなく、地元産食材の継続的な活用を促す目的があります。


3年目はマッチング会を年2回実施



 3年目となる今年は、夏の生産物と秋冬の生産物の2回に分けてマッチング会を実施。7月29日に行われた秋冬生産物のマッチング会には、日本料理や洋食、肉料理、居酒屋、カフェなど幅広いジャンルの計20店舗の飲食店、菓子店、加工業者が農家とのつながりを持とうと参加しました。農家側は、次郎柿や大葉、ミニトマトをはじめ、サツマイモやイチゴの生産者、精肉店など21軒がマッチング会に臨みました。


 今回のマッチング会は、生産者のプレゼン発表の様子を撮影した動画をアーカイブ配信し、1週間のオファー期間を設けました。これにより、飲食店側から気に入った生産者へ出すオファーの数は、新メニュー提供までを行う「金オファー」が18件(夏は13件)、つながりを生み今後の取り扱いを希望する「白オファー」に45件(夏は30件)が集まりました。


9つのグループが新メニュー15品をお披露目
 この日は、最終的にメニュー開発まで至った9グループが集結。各グループはそれぞれ生産物の特長や魅力、その生産物を最大限に生かして開発した新メニューに関する説明、こだわりなどを最大4分間で発表しました。

メニューはこちらのホームページでもご覧いただけます。
天狗缶詰×州田園
天狗 豊橋産大葉×冷凍うずらボール(20個入り648円=以下すべて税込み)


 トップバッターは初参加で、ウズラ卵の加工などを行う「天狗缶詰」。有限会社州田園の大葉の粉末を入れた衣をまとわせて、ウズラ卵のフライを作りました。来年1月から、emCAMPUS FOODなどで販売予定です。
 天狗缶詰は、今年2月に九州で起きた給食事故をきっかけに、他の市町村の給食でウズラ卵の使用が控えられている現状を踏まえ、東三河地域が日本一のウズラ卵産地であることのPRや、消費拡大を目指した商品開発を行いました。約50年続く大葉農家である州田園は、「大葉の香りも味も、皆さんの頭に浮かぶと思う。それを裏切ることのない商品が出来上がったと思っております」と自信をのぞかせました。


ニクロハ×ASANAふぁーむ・苺屋田中・兵藤農園
●季節の豊橋デザートサラミ(苺&カカオニブ)(1280円)
●季節の豊橋ケーゼ(かぼちゃ)(480円)
●しいたけのテリーヌ(480円) 

 「豊橋市を盛り上げたい」という思いから3回目の参加となる精肉店「ニクロハ」(絹田町)。地元産の秀麗豚(しゅうれいとん)をベースに、カボチャ、イチゴ、シイタケを合わせた3品を作りました。販売期間は来年3月末までで、なくなり次第終了です。
 ニクロハは、「イタリアのドライサラミ、ドイツのケーゼ、フランスのテリーヌ、3カ国の商品をバランスよく作ることができた。それぞれの国と豊橋の良さを組み合わせることで、各国の食文化も楽しめながら、豊橋の魅力が出せました」と話します。

 カボチャを提供した豊橋市住みます芸人のASANA(アサナ)による「ASANAふぁーむ」は、「僕らのカボチャに魔法をかけてくださって、シンデレラの気分です。大変『クボーノ』になっていると思いますので、ぜひ食べてください」。苺屋田中は、「これからクリスマスやバレンタインなど、生のイチゴを食べる季節になってくるが、デザートサラミはまた違った味わいで、とても面白い体験だと思います。ぜひ皆さんご賞味ください」。兵藤農園は「シイタケが苦手な方でも、すごくおいしく食べられるように作っていただいた。皆さんにどんどん食べてほしい」と呼びかけました。

カレーハウスCoCo壱番屋豊橋藤沢店×百年柿園ベル・ファーム
次郎柿ポテサラダ(380円)


 続く「カレーハウスCoCo壱番屋豊橋藤沢店」(神ノ輪町)は、次郎柿を生産する百年柿園ベル・ファームの柿ジャムをポテトサラダとドレッシングに混ぜ、その上にザクザク食感が楽しい柿チップスを振りかけました。柿の優しい甘みがスパイシーなカレーとの相性抜群な一品。提供期間は12月1日から、来年3月以降はなくなり次第終了です。 
 カレーハウスCoCo壱番屋豊橋藤沢店は「豊橋の次郎柿が近隣に配られてしまうことで商品価値が下がっており、ブランド力をもっと上げていきたいという思いに共感した。抱えてる課題の解決に繋がったらいいなと考えております」と開発への思いを語りました。

 一方、百年柿園ベル・ファームは、「生果だと1カ月ぐらいしか楽しめないが、加工品を使ったからこそ、長い期間食べられるようになった。豊橋に来た人が次郎柿が名産なんだと知っていただけるとうれしい」と話しました。

おでんと炙り焼きと日本酒 居酒屋ほなか×農園そもそも
●さつまいもの炙り焼き(580円)
●さつまいもスティック(660円)
●さつまいもと鶏肉のガーリックバターソテー(770円)


 「酒と白飯に合う」サツマイモ料理3品を提案した居酒屋「ほなか」(駅前大通一丁目)。農園そもそもから仕入れた品種「あかねみのり」は、 食べた時に口の中に広がる香り高さとホクホク感が特長。特に「勝負の一品」という「さつまいもと鶏肉のガーリックバターソテー」は「炒めてニンニクと合わせても相性抜群だった」とサツマイモの新たな可能性を引き出した一品になっています。
 農園そもそもは、「ここ数年、サツマイモはかなりのブーム。ですが、やっぱり甘さの競争になっているので、ここで一つ違う方法を模索していたところ、今回すごく良いご縁がありました。素晴らしい料理に巡り合えただけでなく、今後の販売戦略に生かせるように頑張っていきたい」と意欲を見せました。


 提供期間は来年2月28日まで。


(C)マルシー×ニクロハ
ニクロハさんグァンチャーレのタリアテッレカルボナーラ(1200円)
 大一青果豊橋市場内に店を構えるカレーと煮込みの店「(C)マルシー」(南島町)は、「本物により近いものを召し上がっていただきたい」とベーコンではなくグァンチャーレでカルボナーラを作りました。「非常にわがままを申し上げてニクロハさんに作っていただいた」と言うグァンチャーレは、秀麗豚のほほ肉を使い、生ハムのように乾燥、熟成させて仕上げたもの。自家製の生ハムやソーセージ作りなども手掛けるニクロハとしても初めての製造で、「こんなに本格的なものが豊橋で、しかもこの価格で召し上がっていただけるというのは本当に幸せなこと」と喜びを語りました。

 来年3月末まで提供しています。


GREEN CAFE×イラコファーム
特選卵「#華音」を使用した照り焼きソースのロコモコ スープ付(1350円、 ドリンク付+130円~)

 「GREEN CAFE」(白河町)は、黄身の色が濃いイラコファームの卵「#華音」をのせたロコモコを提案。「黄身の色が濃くて、卵の味がかなり濃厚。どういう料理にするかとても悩んだが、目玉焼きをのせてインパクトを出した」と開発の経緯を説明。
 イラコファームは、「今はインスタの投稿を見てお客さんは飲食店を選ぶ。ここに行ってみようという動機付けになればと思い、今回#華音という商品を出した。コラボにより、まず豊橋でしっかり#華音のインスタ投稿が充実して、そこから全国へ、『この商品はこういう使い方なんだね』という形で伝わっていけばいいかなと思っております」と述べました。

 提供は11月30日まで。

飛騨路×ニクロハ
秀麗豚の一本角煮定食(1300円)
 大衆割烹居酒屋「飛騨路」(札木町)は、秀麗豚を50年近く続く伝統の味付けで時間をかけてじっくり煮込み、旨味と柔らかさを引き出しました。煮込む際にジンジャーエールを加えることで、「甘みに加えて臭みが取れ、艶も出て美味しく見える」と自宅でのおすすめ調理方法も紹介。ニクロハは「秀麗豚の特徴である脂の甘みがより際立っておいしいと感じました。角煮を作るにしても、技術がなく、ただただ煮込むだけでは少し臭みが出てしまう。本当にトロトロに仕上がっているので、やっぱりすごいなと感じました」と料理人の腕に感心していました。

 11月30日までランチのみで提供しています。

ローカーボカフェ向日葵×州田園・ムラカミトマトファーム・宮路農園
●州田園の大葉のシフォンケーキ(486円)
●ムラカミトマトファームのミニトマトのシフォンケーキ(486円)
●宮路農園のキャベツのシフォンケーキ(432円)


 野菜をグルテンフリーのスイーツに仕上げたのは「ローカーボカフェ向日葵」(西高師町)。管理栄養士が手掛ける低糖質でグルテンフリーのスイーツが売りの同店らしく、「野菜が持つ力と美味しさを最大限に引き出す」ことにこだわり、それぞれの野菜が持つ力をオンライン上でも情報発信していきます。
 州田園は「野菜類は本当に豊富な栄養を持っていて、大葉は美容効果もとてもある野菜です。ですが、体にいいから、美容にいいからと食べるのではつまりません。本当においしく仕上げてくださっています。それを楽しんでいただけたら」。ムラカミトマトファームは「甘さと酸味のバランスがいいフルーツミニトマトの風味をしっかり感じられる、とてもおいしい、子どもでも食べられるケーキになっております。ぜひご賞味ください」。キャベツを栽培している宮路農園は「よかったら食べてみてください」と呼びかけました。

 ローカーボカフェ向日葵が出店するイベントにて販売していきます。


WAFFLE STAND WASHAWASHA+ emCAMPUS店×清須ライスセンター
ふわっふわ食感“とよはしこめこ”のワッフルパフ・フルーツ(1ピース550円)

 最後はワッフル専門店「WAFFLE STAND WASHAWASHA+ emCAMPUS店」。清須ライスセンターの米粉を使って「パフパフ」とした食感のワッフルを作りました。クリームとフレッシュなフルーツをサンドしており、米粉ならではの柔らかさと優しい甘さが魅力の一品です。
 清須ライスセンターは「お米不足の中、米粉を使った商品を開発していただいたことがものすごくありがたいです。生産者側としてもとても活力の出る、そういったつながりを持たせていただきました」とマッチングに感謝していました。

 提供時期は12月10日まで。


提供期間など詳細はインスタで配信中




 発表した新メニューは順次、各店舗や販売先にて提供しています。提供期間など詳細は、デジタルエムキャンパス、農業企画課のインスタグラム(@uzulucky55)
にも掲載予定ですので、ぜひご覧ください。豊橋産の生産物をふんだんに使用したメニューを食べて、豊橋を体感してください!

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