【労働生産性を上げる】との掛け声だけで、【価格転嫁】だけでは物価高を上回る賃上げは無理です。政権がどうなろうとも中小企業の実態を理解したエビデンスの基づく政策が重要です。
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衆議院選挙で、自公が惨敗し過半数割れとなり、立憲民主党が大躍進しました。この選挙で「政治と金」以外に大きな論点となったのが「物価高を上回る賃上げ実現」でした。各党の主張にも注目しましたが、残念ながら与党も野党も掛け声だけで、具体的な実現性や成果がでる政策も見られませんでした。今選挙後注目されている国民民主党の「103万円の壁」も実質7.6兆円の税収減で全く根本的な労働生産性向上にはほど遠いものです。
当記事は、中小企業に精通した経済産業大臣認定「事業分野別経営力向上推進機関」(全国で9機関のみ)として提言活動を展開している当社が、「失われた30年」「30年も賃上げができない日本」の根本的問題及び中小企業の実態をわかりやすくまとめ、又、「中小企業の本気の賃上げ」実現の為に実施すべきと提言してきたこの1か月以内の提言集等まとめたものです。
「なぜ今の政府・中央行政等では中小企業での本気の賃上げができないか?」について、与党・野党の先生方に又メディアに方々にも「気づき」と「キッカケ」にして頂く為にまとめたものです。
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目次
1.中小企業実態を理解せずエビデンスに基づく政策立案ができない行政に大きな問題
2.「中小企業の実態」についての具体例
3.「エビデンスに基づく政策立案ができない」についての具体例
4.なぜこのような提言ができるのか? 株式会社VUILD managementとは?
5.岸田内閣の持続的構造的賃上げに関する総括
6.本気の中小企業の賃上げ実現の為のVUILDの提言
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1.中小企業の実態を理解してなく、エビデンスに基づく政策立案ができない行政に大きな問題
何故「失われた30年を取り戻す政策ができないのか」「価格転嫁だけで物価高を上回る賃上げができないのか」」は政策を立案する行政に問題があるからである。担当省庁である、経済産業省及び中小企業庁が大局的に中小企業の実態を把握できていない事及びエビデンス・証拠に基づく政策立案(EBPM:エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)ができていない事が真因である。優秀な人財でありながら、激務で憔悴しきった縦割り組織を言い訳に本気に「失われた30年を取り戻す」と強い気持ちで取り組むキャリア官僚が少ないのが背景である。
2.例えば、「中小企業の実態」については、
本当に「価格転嫁」等で4%賃上げが実現できるのでしょうか?答えは「中小企業での4%賃上げは価格転嫁だけでは無理」がある。中小企業等強化法の中に「事業分野別指針」として、「組織の活性化」、「多能工化」、原価割れ受注をしない為の「実際原価の把握」及び工数を削減し最適化する為の「工程設計」の重要性等を含めた7つの指針があり、小規模事業者でも、2つ以上の強化が推奨されている。しかしながら、実態は・・・・この「事業分野別指針」の存在すら知らない中小中堅企業がほとんどです。 残念ながら、具体的に指針を説明できないキャリア官僚も多くいるのが実態です。「価格転嫁」出来ないよりも「原価計算」すら確立していない実態が大きな課題です。
労働生産性を意識した経営が出来ていないことも大きな課題値切られた価格でも頭を下げて受注し、「大きな受注が入って忙しく、従業員が遅くまで残業して頑張ってくれています。」と言う社長さんがいるが、労働生産性が低い事に気づいてない。労働生産性は従業員一人当たりの又1時間当たりの付加価値額が重要だが、「社長の会社の労働生産性はいくらですか?」との質問に対して、直ぐに数字が出てくる社長は残念ながら少ないのが実態である。これまでの経験から、答えられるのは1割程度であり、中小企業の6割以上赤字体質企業は、労働生産性の重要性を正しく理解していないようである。
3.例えば、「エビデンスに基づく政策立案ができない」については
政府は内閣府を中心にEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)の重要性を強調し、中小企業にもデータ等の集計協力をしています。経産省もEBPMに関する取組等を発表していますが、当社は全く評価していません。
例えば、「価格転嫁」が進めれば「賃上げができる」と強力に推し進めていますが、「中小企業の何%が下請け企業なのでしょうか?おそらく中小企業の47.9%が下請け企業で約半数との答えが出てくるが、この数値は経済産業省が実施した2007年のもの。 (当時の下請企業数は31.6万社)現在の358万社の内何社が下請け企業なのか?「価格転嫁」を重要施策とし強化月間で推進しても半分のみの効果とのこと。全体の25%のみで「物価高を上回る賃上げを実現」できない又「エビデンス基づく政策立案ができない」が当社の見解である。
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4.なぜこのような提言ができるのか?
当社は経済産業大臣認定「事業分野別経営力向上推進機関」(全国で9機関のみ)でもあり、自らも外資系日本法人社長等を歴任した中小企業に精通した経営コンサルタントであるからです。
「中小企業の本気の賃上げ」実現の為に提言活動等を展開しております。
株式会社VUILD management(神奈川県川崎市、代表取締役 秋吉正一)は、中小企業等経営強化法第26条に基づき、経済産業大臣から認定された「事業分野別経営力向上推進機関」(全国で9機関のみ)であり、中小企業に精通した支援機関として「中小企業の本気の賃上げ」実現の為に活動を展開しています。
4%賃上げ実現の為には「事業分野別指針」の普及による中小企業の経営力強化が重要当社のような「事業分野別経営力向上推進機関」は、中小企業者等の経営陣層等に対して、全ての「事業分野別指針」を教える事ができる支援機関として主務大臣によって認定される機関です。
事業分野別指針」の普及だけでなく、主務大臣に指針の意見等をできる立場でもあり、「中小企業での本気の賃上げ実現」の為の提言を実施してきました。これまで経済再生大臣にも経済産業省、中小企業庁の担当官等にも提言してきました。元山際大臣時代は殆んど取り合ってはもらえなく、中央行政も逃げ腰であったが、前新藤義孝大臣経済再生大臣には感謝です。2回も1時間以上も大臣室で真剣に説明を聞いていただき一部取り組んでいただいた。関係省と「レク」をしても具体的な「1兆円リスキリング政策」のアイデアも出ない状況下で「VUILDの提案は目から鱗」といって頂いた。僅か1年の任期で大臣交代は残念です。次期政権には「本気の中小企業の賃上げ実現」の為の当社の活動を理解して頂き、大いに参考にしていただき、既に立憲民主党神奈川選出の国会議員の数名の方々及び本部幹部の方々からは真剣に当社の提言に耳を傾けたいと申し出て頂いており、当社も大いに貢献していきたい。
5.この2年間の賃上げに関連する岸田内閣の総括と課題
岸田内閣は「人への投資x賃上げ」を最重要政策に掲げ、その中で「1兆円リスキリング政策」を重要政策として取り組んできたが以下に示すように問題・課題だらけある。又中小企業支援の「助成金・助成金」も大きな課題がある。以下に示すようにマスコミの方、野党の方向けにここまで酷いのかの情報を提供させて頂きたい。又与党の方も石破内閣においても耳を傾け真剣に対応願いたい。今回は紙面上一部のみの紹介であり、詳細に確認したい方は別途問合せ願いたい。
いずれも上述の「賃上げに結びつく政策立案ができない中央行政」に大きな課題があり、どの政権になってもこの実態を理解した上での「行政改革の断行」と「本気の賃上げ政策の構築」が必要である。
①岸田内閣で大きく掲げた「1兆円リスキリング政策」は実質15%以下の実績先の前新藤大臣の項でも「レク」をしても官僚からはアイデアも出てこないとボヤキを紹介した。当社は早い時期から後述する「賃上げに結び付く政策」として「今こそ中小企業のリスキリング」を提言してきた。しかしながら、今の中央行政の実態からは大きな期待はできない。 以下に一部具体例を示すが、効果的成果が出ない実態を新政権も野党等も検証願いたい。経産省が実行したリスキリング事業は産業人材課の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(753億円)のみであるが問題課題がある。転職による年収アップを支援するものであるが大手人材紹介会社・研修会社が恩恵を受けるものであり、当社が提案している「中小企業の賃上げ」に結びつくものでない。又予算も消化できなく採択事業者に対して期間延長増額で調整中等大きな効果が出ていないと考える。政府も野党も検証すべきである。中小企業のリスキリングの重要性を強く提言しても担当課は無視であった。最も課題があるのは、真剣に考えるべき「中小企業庁」からは全く「リスキリング」関する政策が出てこなかったことである。経産省の中には誰かが企画するだろうとの無責任感が充満している。中小企業の実態に即した支援策でなく問題がある。「中小企業庁」の大改革は必要である。厚生労働省は人材開発支援助成金(623億円)の新設・改定で奮闘はしている。しかしながら、予算の大きな目標である「三位一体の持続的・構造的賃上げに繫がる成果が出る支援策」になっていない。担当官とも面談をしたが、労働生産性を向上する研修に重要な事を理解できていなく、後述する「JAL再建の秘訣に基づく意識改革研修」も助成金対象外と決めつけ、「真のデジタルトランスフォーメーション」も理解が不十分のようで、新設した「デジタル・DX化リスキリング支援コース」もIT/IoTに関するものであり具体的事例を示すパンフレットも「顔認証・・QRコードシステム等」も賃上げに結び付く「真のDX」ではない状況である。当社の助言を取り入れるとは約束したが、「キャリア官僚の意識改革」等ない限り期待薄である。
②迷走する中小企業の支援策の補助金・助成金制度今補正予算で大きな目玉としている「中小企業省力化補助金」も「賃上げ」結び付くものでないだけでなく、運営上に問題がある。特に事務局である電通グループにも問題がある。持続化給付金で多くの不正受給があって大きな社会問題となった時に事務局が電通グループである。久々の事務局として登場である。先ずは大きな問題は補助金自体の予算は1000億円(~5000億円)であるが、当補助金の委託費は356億円と通常の10倍となっており事務局経費は異常である。(経産省のリスキリング補助金753億円の事務局経費は32億円)。当補助金は、清掃ロボ、配膳ロボ等をカトログで選び申請と「補助金申請を大幅に簡素化と審査期間を大幅に短縮」は魅力的なものであり評価できるものである。しかしながら、この7月に新設の生産性向上推進室が運営しているが以下の問題がある。
(労働生産性向上の難しさを理解できていない要件の妥当性を説明できない担当室)要件は補助事業終了後3年間で労働生産性の年平均成長率(CAGR)を3%以上とする事としており、達成できない場合は返済を義務付けている。2024年春闘で4%賃上げ実現できなかった中小企業は75%である状況下で、労働生産性向上率CAGR3%の3年後には9%以上になり労働分配率は一定とすれば9%の賃上げ実現する事なるが、僅か清掃ロボ装置(400万円程度)導入では無理では? CAGR3%実現の妥当性について是非論理的に説明願いたいと担当室に問い合せたが無回答のままである。CAGR3%の意味が理解できていない。
(利用できない補助金制度―現時点で168カトログ製品のみ)選択できるカタログ製品はこの2カ月で若干増えたが現時点で168製品のみである。この製品数の少なさは常識外では? 既に、中小企業事業者はあきれている事は理解すべきである。
(1000億円から5000億円にする計画の無策さ)予算を1000億円として5000億円にする予定のようであるが、現状からも数百億円位しか予算を消費できないのでは? 5000億円にする計画も問題がある。この計画の為に中小企業経営者等から要望の高い「事業再構築補助金」及び「ものづくり補助金」の公募を延期している。これら補助金も問題はあるが、当省力化補助金よりも確実に労働生産性向上及び賃上げ実現に貢献できるものであり即座に再開すべきである。
③労働生産性の低い中央行政及び地方行政の行政改革の必要性中央行政・地方行政の労働生産性の低さは次期政権も野党もメディアも検証すべきである。補助金に関しては事務局の非生産的業務・審査で交付決定・補助金支給までの期間が半年以上かかる等の問題だけでなく支給申請額も全額認めないとのケースもある。この為、感謝よりも、多大なストレスで事務局への苛立ち・不満を表明する事業主・経営者は6割以上いる。中には今後補助金活用を辞めると公言している経営者も多い。
6.VUILDの「中小企業の本気の賃上げ実現」の為の提言
今後の日本経済の持続的な成長のためには、中小企業の経営基盤を強化し、賃上げを可能にする仕組みの構築が不可欠です。 以下の「行政改革」及びEMPBに基づく「本気の賃上げ政策」を策定し、中小企業が持続的に成長できる環境を整えるべきである。
経済同友会の新浪剛史代表幹事は最近の会見で、「最低賃金1500円を払えない経営者は失格」との発言があった大いに同感である。実質賃上げ出来ない75%の中小企業の経営者の多くは、労働生産性を意識した経営をできていないだけでなく、「社員のやる気」を損なう経営している。社員を幸せにできないならば「経営者として失格」であり、経営者も危機感を持つべきと考えます。
VUILDの究極の提言
世界に誇る偉大な経営者であるJAL再建の稲盛和夫氏等の教えを基にした「真の人財育成」「真のDXリスキリング」を本気に実行すれば、「中小企業の本気の賃上げ実現」と「日本再建」ができる。
当社は、以下のように彼らの教えを真剣に学ばなかったから【失われた30年】になったのではと考えている。稲盛氏も10年前に「20年近い間、日本経済全体がこれほどまで低迷したからというと、日本のエリートたちが基本的な道徳観・哲学がかけていたから」との発言もあった。
破綻したJALは稲盛氏なし再建できなかったが、その当時の民主党の英断は今回の「日本再建」の大きなヒントにもなる。民主党はリーマン・ショックが起きた直後に政権交代した。経済が低迷するなかでJAL破綻と重大局面の中、自民党時代に国交省が準備していた日航再建のための有識者会議を白紙撤回すると表明しその代わりにタスクチームを作った。三顧の礼で80歳と高齢の稲盛氏にJAL再建を頼みこんだ。結果として当社計画を大きく上回る2000億円/年の営業利益を生み出し見事再建させた。その成功の秘訣は破綻時にも危機感がなかった幹部の「徹底した意識改革」、若手中堅による「クロスファンクション」による企業改革と、貪欲に収益を追求するアメーバー経営「収益の見える化」(究極のデジタルトランスフォーメーション)であった。
JAL再建手法も稲盛氏も知らない若手キャリア官僚もおり、又中小企業の経営者も「意識改革」が如何に労働生産性を向上させるかを理解していない経営者も多い。
今こそ、経営者が先ずは自ら変わり、社員と一丸となって労働生産性及び企業価値を高めることが求められます。その為には政府行政と企業が協力して、真の賃上げ実現に向けた具体的な行動を起こす時です。
今回紙面の関係で、具体的な政策提言は箇条書きのみで詳細は割愛するが、上記の究極の提言を盛り込んだ中小企業の実態を把握した上での「真の人財育成」「真のDXリスキリング」が最も大事な政策です。又頑張った企業ほど恩恵を受ける政策も重要と考えます。
当社提言の重要なポイント
A)賃上げ実現の三大課題
①物価高を上回る賃上げ実現に向けた効果が出る政策立案ができない行政
政策の縦割り構造と効果的アイデアを出さないキャリア官僚の意識・低い労働生産性
②中小企業でのリスキリングの遅れと生産性向上の仕組みの欠如
今こそ中小企業の経営陣向けリスキリングが必要
③中小企業の実態把握とEMPB(エビデンスの基づく政策立案)の欠如
価格転嫁のみの政策の限界の認識と実効性のない補助金助成金制度の改革
B)賃上げ実現の為の三大ポイントと政策提言
①行政改革
若手中堅キャリア官僚のクロスファンクションタスクによる「大胆な行政改革」「次の30年の為」と熱い想いを入庁し今も情熱と熱意で孤軍奮闘しているキャリア官僚によるクロスファンクションタスクによる「大胆な行政改革」が必要である。この30年中小企業の賃上げもできなかった責任の一端は「中小企業庁」にある。今回のリスキリング政策も企画がなく問題であった「中小企業庁」の発展的解体と外部関連機関を含めた大編成も含めた「行政改革」もこの機会に着手すべきである。。最も遅れている各官庁の生産性の向上と上層部の意識改革断行も必要である。
②賃上げに結びつくリスキリングと真の人財育成(意識改革)先ずは経営者の意識改革であり、「中小企業の経営者向けリスキリング事業」を新設大企業から中小中堅企業への「人財移動」により収益性向上の支援制度の新設人材開発支援助成金の大幅改定と労働生産性関連は経産省に移管し一本化
③中小企業事業者・経営者が望む経営力強化の為の助成金・補助金制度の大改革現補助金(省力化補助金等)に関する施策の大幅見直しと他補助金の再開経営者が求めているのは労働生産性が低い老朽化した装置の買い替え等であり、支援制度を新設する。新事業・事業再構築は失敗リスクを伴うものであり、既に補助事業中止ケースも多々ある。重要な経営戦略は現ビジネスの深堀による収益性の追求でありこの点を理解していない行政及び有識者がいる為、補助金なしで億単位の設備投資が行われいる。事業者が何を求めているか理解すべきである。その中で東京都の助成金(800万円上限)は公募開始後15分で申請を締め切る助成金がある。なぜ中小企業事業者が公募に殺到するかを中央行政は学ぶべきである
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
当記事は、「失われた30年」「30年も賃上げができない日本」の根本的問題及び中小企業の実態をわかりやすくまとめ、「なぜ今の政府・中央行政等では中小企業での本気の賃上げができないか?」について、与党・野党の先生方に又メディアに方々にも「気づき」と「キッカケ」にして頂き、国民が望んでいる真の賃上げ実現の為の政策構築に動きだしていただければと思います。
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