140年の伝統と革新:「高林堂和菓子研究所」オープンに向けて。リブランディング第一弾、「かりまん」パッケージリニューアル

2024.10.28 10:00
有限会社高林堂

「かりまん」を看板商品とする有限会社高林堂(本社:栃木県宇都宮市、代表取締役:和氣康匡)は、創業140年を迎える2025年1月に、新店舗「高林堂和菓子研究所」をオープンし、同敷地内で建設中の新工場の稼働を開始いたします。それに先立ち、2023年より(株)Drifterの石田多朗氏、益子悠紀氏をコンサルタントに迎え、ブランドの再構築を進めてまいりました。
2024年7月には、社長・和氣の「和菓子職人を子どもたちの憧れの仕事にしたい」という長年の願いから、新規事業「高林堂の和菓子教室」を本店で先行して開始いたしました。
2025年2月より、新店舗にて本格的に始動いたします。
パッケージブランディングにおいては、商品を以下の7つのブランドに分け、デザインリニューアルを進めております。
社長・和氣の独自の世界観を映し出す「菓狂(かきょう)」
和菓子の芸術「JAPONE」
高林堂の歴史「高林堂」
日本の文化的伝統和菓子「暦」
伝統に自由な発想を加える「をかしや」
和洋の融合を追求する「A SO BI」
みんなに愛され続ける看板商品「かりまん」


第1弾として、2024年9月に、発売から15年目を迎えた「かりまん」のパッケージをリニューアルいたしました。


■2009年10月 かりまん誕生
2009年10月に発売した「かりまん」は1日2万個の販売実績をもつ高林堂の看板商品です。
今では全国的に広がった「かりんとう饅頭」ですが、三角の羽を広げたようなパッケージスタイルは「かりまん」が初めてであり、「かりんとう饅頭」という和菓子の新ジャンルは「かりまん」が多くのメディアに取り上げられて爆発的にヒットしたことで生まれました。
2000年にわたる和菓子の歴史の中で、「かりんとう饅頭」は、昭和初期に誕生した「あんみつ」、昭和末期に誕生した「いちご大福」(フルーツ大福)以来の新ジャンルであり、全国の和菓子店、コンビニやスーパーでも販売されるおなじみの「和菓子」になっています。
「かりまん」は発売から今もなお、栃木の皆さまにご愛顧いただいております。


■2024年9月 かりまんパッケージリニューアル
この度発売15年を迎え、初となるパッケージリニューアルをいたしました。
個装デザインはかりまんをモチーフとしたシンプルなデザインを基に、より親しみやすいロゴに変わりました。

高林堂の理念、美学として、和菓子のもつ「芸術性」「日常性」両方の側面を大切にしながら、和菓子や日本文化がこの先の暮しにあり続けるよう、作り、発信していきたい、という思いがあります。「かりまん」は、今も未来もみんなが食べたい身近なおやつ和菓子。子どももおとなも、袋に入ったかりまんを片手にワイワイと食べているような楽しいイメージで制作しました。デザインは(株)Drifter益子悠紀氏です。箱の裏面には「かりまんが」。社長の繰り返す試作の日々と偶然の失敗から生まれたかりまん。その誕生秘話をまんがにしました。更に裏のQRコードを読み込むと、社長と先代の大女将のかりまんにまつわるエピソーや、かりまん作りのこだわりのひとコマが。他にも「かりまん」という名前についての社長インタビューをYouTubeでご覧いただけます。
KORINDO.YOUTUBE




■高林堂の和菓子教室
社長の和氣は、長年、製菓専門学校の講師、小学校でのお饅頭教室を行っております。
2017年から2018年にかけては、イギリスやシンガポールでの和菓子パフォーマンスやワークショップを精力的に行ってまいりました。2018年、2019年にはイギリスの豪華客船「クイーンエリザベス号」に和菓子初乗船を果たし、自身も和菓子実演、和菓子のアフタヌーンティ、ワークショップなどを行いました。これらは全て「和菓子職人の仕事を子どもたちの憧れにしたい」という願いによるものです。2025年1月にオープンする「高林堂和菓子研究所」では、「高林堂の和菓子教室」が本格始動いたします。現在は本店で先行して「上生菓子編」を開催していますが、新店舗2階に本格的な教室を建設、四季折々の和菓子を学んでいただけるよう準備中です。

■講師は高林堂の職人集団
講師は、高林堂の職人が担当いたします。普段はあまり表に出る事のない職人の技やこだわりを伝えてまいります。昨今、和菓子職人の減少は業界的にも深刻な問題となっています。
職人に舞台を用意し、表に出て仕事に誇りを持ってほしい、和菓子職人が増えてほしい、という願いもあります。


■高林堂
高林堂は明治18年創業より栃木で和菓子を製造販売しております。
伝統的文化的和菓子、日常のおやつとしての和菓子、繊細な技術を駆使した芸術的な和菓子まで多岐にわたり作っています。
わたしたちは、和菓子のもつ「日常性」と「芸術性」の2つの側面を大切にしながらこれから先の日常に和菓子や日本文化のある風景を残したいという思いがあります。
高林堂代表取締役 和氣康匡
国際テクニカル調理師専門学校宇都宮校/小山校 非常勤講師
商工会議所主催 和菓子教室 講師など、技術者として和菓子の技術を広め、和菓子職人の育成などを長年にわたり現在も行っている。
2017年 イギリスバースで上生菓子実演,ワークショップを行う
2017・2018年 シンガポール高島屋催事出店 上生菓子ワークショップを行う
2018・2019年 イギリス豪華客 「クイーンエリザベス号」に和菓子初乗船を果たす 。
自身も和菓子実演、 ワークショプ、アフタヌ-ンティ、どら焼き実演などを行う。



■和氣コメント
和菓子やあんこ離れ、後継者不足による閉店は、和菓子業界では深刻な問題となっています。これは、私が高林堂に戻った頃にはすでにある危機でした。
当時、かりまんを試作しながら色々と考えていました。果たして一般家庭に育つ子どもの職業選択に「和菓子職人」があるのだろうか?
2017年より数年間は、海外で和菓子職人として仕事をさせていただきました。「和菓子職人という存在を海外でアピールし、和菓子職人の活躍の場をひろげられないか」という試みでした。
来年1月には「高林堂和菓子研究所」がオープンとなり、隣接する新工場の稼働が始まります。工場見学、和菓子販売、2つの異なるコンセプトのカフェ、和菓子教室と、「見る」「買う」「食べる」「学ぶ」体験により、より和菓子や和菓子職人を身近に感じていただけるのではないかと思います。より自由に、より楽しく、職人も販売スタッフもお客様もみんなで、和菓子を、日本文化を楽しんでいければ幸いです。
(株)Drifter 益子悠紀
東京藝術大学大学院研究科デザイン専攻修了。
大塚製薬、花王、光文社、小学館、東京書籍、日本コロムビア(木村カエラ)、八王子市、明治乳業、など大手クライアントのグラフィックデザインやイラストレーションを担当。
2014年に川村元気との共著絵本「ムーム」(白泉社)を出版、2016年にはトンコハウスによって同作品を原作としたアニメ作品が発表され、世界中の短編アニメ賞を多数受賞。
また近年は音楽制作も精力的に行い、BAOBAO(イッセイミヤケ)、大塚製薬、ジャクエツ、ジャパンタイムズ、東京書籍、Nitto,などの企業の音楽を担当。在学中より造形教育に関する研究も行い、2019~2021年の間、デジタルハリウッド大学で講師を務める。





■益子悠紀さんコメント
高林堂は、和菓子の伝統文化を継承しながらも、決して難解ではなく、シンプルに「美味しい」という普遍的な価値を、長年にわたり地元の方々を中心に提供してきました。
和菓子が「誰にでも開かれたもの」であることが、高林堂にとって重要な社会的意義であり、また、日本文化を生きた文化のまま継承していく上で重要な価値観だと考えます。
和氣康匡社長をはじめ、スタッフの皆様への多くのヒアリングのなかで、これらの価値を確立し実践している高林堂が、いかに純粋で魅力的な会社であるかを実感しました。
地元の方々は、お菓子の美味しさや存在感を通じて、このことを肌で感じ取ってこられたのだと思います。
弊社は、その信頼関係を損なうことなく、新鮮で、高林堂らしさを正しく伝えられるような
アプローチを心掛けています。
市場の変化が激しさを増す近年において、日本の伝統文化を守りながら、お客様に愛され続けるためには、純粋で明快な軸が必要であると考えます。
高林堂にはその軸があります。
弊社は、その軸を中心に展開される様々な要素を、できるだけ自由に、そのままの良さを生かせるよう努めています。
そうすれば、これまでの高林堂のように、これからも長期的かつ持続可能な価値を生み出していけると考えています。
昔も今も、きっと未来も、たくさんのおやつが盛られた大きな器にわくわくする気持ちは、変わらないでしょう。
高林堂がそのような存在であることを、皆様にお伝えできれば幸いです。
(株)Drifter 石田多朗
上智大学にて国文学・漢文学を専攻後、東京藝術大学音楽学部に入学。
東京都庭園美術館、ポンピドゥーセンター、森美術館、日本科学未来館、東京都美術館、金沢21世紀美術館、上海当代芸術博物館など、様々な美術館における展覧会の音楽を担当。また、スクウェア・エニックス、NHK、UNIQLO、HONDA、TOYOTA、BMW、NIKE、ASICS、その他多数の企業コンテンツにおける音楽を学生中に制作。
2024年、ディズニー製作のハリウッドドラマ『SHOGUN 将軍』(作曲Atticus Ross、Leopord Ross、Nick Chuba)の日本伝統音楽に関する総合アレンジャーとして参加。『SHOGUN』のエミー作品賞受賞に貢献するとともに、作曲賞、メインテーマ賞の2部門でノミネートを果たす。





■石田多朗さんコメント
高林堂のブランディングに携わらせていただいたことは、わたしにとって大変光栄な経験でした。和菓子の持つ『日常性』と『芸術性』という相反する魅力を、職人の技術とクリエイティビティで形にしている高林堂は、和菓子業界の道しるべのような存在です。今回の『高林堂和菓子研究所』オープンや、7つのブランド再構築、新しいパッケージデザインのリニューアルなど、高林堂の新たな挑戦は、伝統を大切にしながらも、新しい価値や楽しみ方を提案し続ける姿勢の表れです。今後、和菓子の文化や職人の世界観をより多くの方に知っていただくために、高林堂が新たな一歩を踏み出そうとしている、その瞬間に立ち会えたことを誇りに思います。


■会社概要
■代表取締役 和氣 康匡
■本社:宇都宮市二荒町5-23
■電話:028-666-4987
■HP :kourindo.jp
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