クルマ好きの理想はコレだよコレ! いま考えると「スマートロードスター」は夢のようなクルマだった

2024.10.03 17:20
この記事をまとめると
■ダイムラークライスラーとスウォッチがタッグを組んで生まれたのがスマートだ
■ライトウェイスポーツの「ロードスター」「ロードスタークーペ」が存在した
■80馬力程度のエンジンだったが軽量だったので爽快なドライブが楽しめた
スマートが手がけたスポーツカーを発見!
  2003年に発売され、未来的なスポーツカーというイメージでクルマ好きをワクワクさせてくれたスマート・ロードスター。次世代ヘの環境性能を重視した斬新なコンパクトボディと、1960年代ライトウエイトスポーツカーをオマージュしたデザインが融合した、唯一無二のキャラクターでした。
  あれからもう20年が経過したわけですが、最近はコンパクトなスポーツカーがほとんど消えてしまったこともあるのでしょうか、中古車市場では現在、200万〜300万円近い価格で取引されるモデルがあることから、その希少性が再び注目されつつあるのかもしれません。
  そもそも「スマート」とは、ダイムラークライスラーとスイスの時計メーカーのスウォッチが手を組み、次世代に相応しいマイクロコンパクトカーの生産・販売を行うべく1994年にスタートした自動車ブランド。ふたり乗りコミューターのsmart for twoをはじめ、カブリオレや4人乗りハッチバックモデルなどが、欧州や日本でもセンセーショナルを巻き起こしました。
  そんなスマートが、「ライトウエイトスポーツカーとして運転する楽しさと安全性、環境適合性を高次元で両立」したというスポーツモデルこそ、ロードスターとロードスタークーペです。
  専用プラットフォームを採用し、全長3430mm、全幅1615mm、全高1205mmのコンパクトサイズで、鋼鉄製の頑丈な骨格である「トリディオン・セーフティセル」に樹脂製ボディパネルを組み合わせた構成となっています。
  両者が異なるのはルーフの部分。ロードスターのルーフは、スイッチで約10秒の速さでオープンにすることができる電動ソフトトップです。サイドレールをはずすと、ロールバーを残してフルオープンにすることもでき、より開放的なドライブが楽しめるのが魅力的。これはスマート・カブリオでも同様の仕組みとなっていました。
パワーこそないものの軽快さがクセになる
  一方で、ロードスタークーペのルーフは左右に2分割してはずすことができる「ディタッチャブルハードトップ」が備わっています。強化ポリウレタンフォーム製となっており、片方の重さが5kgなので簡単に取り外しが可能。外したあとはラゲッジスペースに格納できるようになっているので、出先でちょっとだけオープンエアを楽しみたい、なんてときに取り外すこともできます。
  そして、リヤに搭載されるエンジンは、698ccの直列3気筒SOHCインタークーラーターボ。専用チューニングのため最高出力82馬力、最大トルク11.2kg-mで、スマートシリーズとしては1番パワフルなユニットです。トランスミッションは、当時セミオートマとか2ペダルMTとか呼ばれた6速MTの「ソフタッチ」で、ステアリングにはパドルも付いていて、思いどおりのシフト操作が行えるようになっています。
  後輪駆動のRRレイアウトなので、走りはとってもヤンチャかつ爽快。過度な制御技術も付いていないため、いまドライブしたらかなりドライバーの腕前に頼るところが大きいと感じる乗り味かもしれません。
  タイヤサイズがロードスターは15インチ、ロードスタークーペは16インチで、車両重量はロードスターのほうが20kg軽量となっているので、やはりロードスターの方がよりライトウエイトスポーツらしさを楽しめるモデルと位置付けられていると感じます。
  ラゲッジスペースはフロントに深さのあるスペースがあり、リヤには浅い小さなスペースがありますが、全体の容量はロードスターが145リットル、ロードスタークーペが248リットルほど。実用的とはいえませんが、旅の荷物もギリギリ積めるくらいには備わります。そんなところも、等身大で遊べるコンパクトスポーツカーとしてはちょうどいい要素。
  ちなみに発売当初の価格は、ロードスターが255万円、ロードスタークーペが278万円。インテリアなどが上質になる「BRABUS」や、本革シートとなる台数限定の特別仕様車などもリリースされたので、中古車市場でお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。

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