第23回『このミステリーがすごい!』大賞決定! 受賞者は26歳の“現役漫画家”

2024.10.01 12:00
株式会社 宝島社
パン屋を舞台に、学生アルバイトが〈日常の謎〉を解く連作ミステリー!
株式会社宝島社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関川誠)が主催する、第23回『このミステリーが
すごい!』大賞の受賞作が決定しました。

応募総数403作品の中から、1次選考(21作品)、2次選考(7作品)を経て、第23回『このミステリーがすごい!』大賞は、土屋うさぎ(つちや・うさぎ)氏の『謎の香りはパン屋から』が受賞しました。また文庫グランプリには、松下龍之介( まつした・りゅうのすけ)氏の『一次元の挿し木』と、香坂鮪( こうさか・まぐろ)氏の
『どうせそろそろ死ぬんだし』が選ばれました。大賞賞金は1200万円、文庫グランプリ賞金は200万円(均等に
分配)で、同3作品は2025年1月から順次、書籍化する予定です。受賞者のインタビューも可能ですので、ぜひ取材をご検討いただけますと幸いです。『このミステリーがすごい!』大賞は、これからも新しい作家・作品
を発掘・育成し、業界の活性化に寄与してまいります。


大賞土屋うさぎ『謎の香りはパン屋から(仮)』 賞金1200万円 2025年1月刊行予定


謎はクロワッサンのように折り重なり、カレーパンのように刺激的!
パン屋さんでの<日常の謎>を解く“美味しい”ミステリー

【あらすじ】
大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でバイトをしていた。あるとき同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして? 疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく…。パン屋を舞台とした〈日常の謎〉連作ミステリー!

【選評】
生き生きした会話とテンポのいいストーリーテリング、なにより全体を包む空気感が魅力的。(大森望/翻訳家・書評家)
完成度の高い人間関係劇とおいしそうなパンの魅力で読ませる。(香山二三郎/コラムニスト)
パン屋ならではの事件を盛り込みつつ、パンを謎と絡ませるなど、読者のもてなし方を分かっている。(瀧井朝世/ライター)
【著者:土屋うさぎ(つちや・うさぎ) プロフィール】
1998年8月、大阪府箕面市生まれ、東京都府中市育ち。大阪大学工学部応用理工学科中退。現在は漫画アシスタント兼漫画家。
2023年『あぁ、我らのガールズバー』で集英社・第98回赤塚賞準入選。同年『見つけて君の好きな人』で小学館・「創作百合」漫画賞佳作。2024年『文系のきみ、理系のあなた』で一迅社・第30回百合姫コミック大賞翡翠賞。『ジャンプSQ.RISE 2024 SPRING』に『ORB』掲載。

【著者コメント】
このたびは栄誉ある『このミス』大賞にお選びいただき、本当にありがとうございます。
昔から小説は好きでしたが、漫画家としてデビューし、小説に打ち込むタイミングはもうないと決めつけていました。しかし打ち込む時間は作るもの。人生でやりたいことは全部やろう、と『このミス』大賞に挑戦しました。
書き上げることができたのは、パン屋でのバイト経験、大阪での生活、漫画家としての活動、今までの出会い全てのおかげです。大賞の名に恥じぬよう、これからも全力で作品を書いていきたいと思います。


文庫グランプリ 松下龍之介『一次元の挿し木(仮)』 賞金100万円


【あらすじ】
ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨と、四年前に失踪した妹・紫陽のDNAが完全に一致した。大学院で遺伝人類学を専攻する兄の悠はエラーを疑い再鑑定するも一致し、教授に相談しようとした矢先、教授が何者かに惨殺された。殺された教授の姪・唯から重度の昏睡状態にある彼の娘・真理が行方不明だと知らされた悠は、唯と協力して真理と紫陽の行方を探るうちに、人類史を揺るがす陰謀に足を踏み入れてしまう----。

【選評】
冒頭で提示される謎の牽引力、ストーリーの面白さでは、今回これがダントツ。(大森望/翻訳家・書評家)
ヒマラヤの呪われた湖で発掘されたという二百年前の古人骨のDNA鑑定が暴く驚くべき真相!(香山二三郎/コラムニスト)
二百年前の骨と失踪した少女のDNAが一致したという謎が魅力的!(瀧井朝世/ライター)
【著者:松下龍之介(まつした・りゅうのすけ)プロフィール】
1991年4月生まれ。東京都江戸川区出身。茨城県牛久市在住。千葉工業大学大学院工学研究科修士課程を修了。
現在は電機システム事業を扱う会社で、火力発電所や製鉄所向けの高圧ポンプの設計や技術提案に携わっている。

【著者コメント】
「一次元の挿し木」は“迷宮”をテーマとした作品です。それゆえか、執筆中はストーリー構成に日々悩み、長らく
自分自身が迷宮に迷い込んでいる状態でした。挫折しそうにもなりましたが、ある夜、近所の公園を五時間以上
徘徊し、ようやく論理的破綻のない道筋を見つけたとき、忌まわしき迷宮を後にすることができました。
自分の全てを懸けて綴った物語です。読んで後悔はさせません。最高のエンターテインメント体験をお約束します。


文庫グランプリ 香坂鮪『どうせそろそろ死ぬんだし(仮)』 賞金100万円


【あらすじ】
探偵業を営む元刑事の七隈。七隈は助手の律と共に、主催者・茶山が所有する山奥の別荘“夜鳴荘”に招待を受ける。泊まりがけで開催される、余命宣告された人々が集う交流会のゲストとして、自身の探偵談を披露するためだ。会の個性豊かなメンバーと交流を深める二人。しかし二日目の朝、参加者の一人が不審な死を遂げ……。もうすぐ死ぬ人間がなぜ殺されたのか? 全く新しい“館”ものミステリー、開幕!

【選評】
もうすぐ死ぬ人間をなぜ殺すのか? 余命宣告された人々が集まる別荘という舞台が素晴らしい。(大森望/翻訳家・書評家)
特異な設定で惹きつけられるし、探偵の交代趣向やヒネリ技にも力量を感じた。(香山二三郎/コラムニスト)
ユニークな設定がまず興味を引いたし、二度読みしたくなる仕掛けが上手かった。(瀧井朝世/ライター)
【著者:香坂鮪(こうさか・まぐろ)プロフィール】
1990年生まれ。熊本県出身、大阪府在住。現在、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。心臓と脳を中心に、心筋梗塞、脳梗塞などの治療に携わる。

【著者コメント】
鮪は泳ぎ続けることで生を得る。私もまた、書き続けることで文学の海を生きていきたい。幼魚同然の私を海に放り出してくれた選考委員の方々に感謝申し上げます。5年先、10年先の受賞者から、「あの人の出身だから」と言われるような作家を目指します。


『このミステリーがすごい!』大賞とは?


『このミステリーがすごい!』大賞は、ミステリー&エンターテインメント作家・作品の発掘・育成を目的に、2002年に創設した新人賞です。これまで、第153回直木賞受賞者の東山彰良氏や、累計1080万部突破の「チーム・バチスタの栄光」シリーズの海堂尊氏、音楽ミステリー『さよならドビュッシー』や社会派ミステリー『護られなかった者たちへ』で知られる中山七里氏などの作家を輩出してきました。さらに、受賞には及ばなかったものの、将来性を感じる作品を「隠し玉」として書籍化。累計250万部を突破した岡崎琢磨氏の「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズをはじめ、映画化もされた志駕晃氏の「スマホを落としただけなのに」シリーズなど、「隠し玉」からもベストセラー作品が多く生まれています。


~過去の受賞者には、ミリオンセラー作家や直木賞受賞者が!~

第4回大賞受賞『チーム・バチスタの栄光』
【シリーズ累計1080万部突破! 2008年~映画化&ドラマ化】
海堂尊(かいどう・たける)
1961年、千葉県生まれ。医学博士。第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2006年に『チーム・バチスタの栄光』でデビュー。2008年から2014年にかけて、同シリーズが映画化&連続ドラマ化。


第8回大賞受賞『さよならドビュッシー』
【2016年~映画化&ドラマ化! シリーズ累計170万部突破】
中山七里(なかやま・しちり)
1961年、岐阜県生まれ。第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年に『さよならドビュッシー』でデビュー。2013年には橋本愛主演で同作が映画化。2016年には黒島結菜・東出昌大主演でドラマ化。2021年10月には『護られなかった者たちへ』が佐藤健主演・阿部寛共演で映画化。


第19回大賞受賞『元彼の遺言状』
【2022年 月9ドラマ化! シリーズ累計100万部突破】
新川帆立(しんかわ・ほたて)
1991年2月生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『元彼の遺言状』で2021年にデビュー。現在は専業作家として活動。


第10回隠し玉『珈琲店タレーランの事件簿』
【シリーズ累計250万部突破】
岡崎琢磨(おかざき・たくま)
1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。第10回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として2012年に『珈琲店タレーランの事件簿また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。同書は2013年、第1回京都本大賞に選ばれた。


第17回大賞受賞『怪物の木こり』
【2023年12月映画化】
倉井眉介(くらい・まゆすけ)
1984年生まれ。帝京大学文学部心理学科卒業。学生時代より社会心理学、発達心理学などに興味を持つ。ガスボンベの管理会社で作業員として働いていたところ第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2019年に『怪物の木こり』でデビュー。


第15回隠し玉『スマホを落としただけなのに』
【2018年、2020年、2024年11月映画化! シリーズ累計100万部突破】
志駕晃(しが・あきら)
1963年生まれ。神奈川県横浜市在住。明治大学商学部卒業。ニッポン放送入社後、『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』『中居正広のSome girl’SMAP』など多数のラジオ番組制作に関わる。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として2017年に『スマホを落としただけなのに』でデビュー。


※受賞者の生年月は、年齢のご確認にのみご使用ください
※刊行時、タイトルが変わる場合があります

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