この記事をまとめると
■希望ナンバー制が導入されたことで好きな数字を選ぶことができるようになった
■クルマのナンバーにはクルマ好きからは妙に重宝されている数字がある
■車名やグレード名の語呂合わせや型式を表現した数字が選ばれることが多い
希望ナンバーで特定のクルマになぜか人気な数字の並びがある
その昔のクルマのナンバープレートには、たとえば「13-29」などの、とくに意味はない4桁の数字が自動的に割り当てられていました。しかし、1999年から「希望ナンバー制」というのが全国的に導入され、現在、クルマの所有者は「自分が希望する4桁の数字」を選ぶこともできるようになっています。
ここまでは、クルマにさほど興味がない方でもご存じでしょうし、高速道路などをドライブ中に「25-25」や「11-22」などの数字を付けているクルマを見つけて、「あ、ニコニコ(25-25)だ!」「こっちのクルマはいい夫婦(11-22)だ!」などと会話していることもあるのかもしれません。
しかし、希望ナンバー界(?)には、一般的な人にとってはとくに意味のない数字の並びにしか見えないのに、いわゆるクルマ好きからは妙に重宝されている数字があります。そんなものを知ったところで一銭の得にもならないのですが、何かの機会に(少しだけ)役立つこともあるかもしれませんので、ご紹介しておきましょう。
まず簡単なところでは「32」または「3298」というのがあります。これは、薄々お気づきかもしれませんが、ドイツまたは英国のMINI(ミニ)という小型車に乗っている人がやたらと付けたがるナンバーです。32は「ミニ」で、3298は「ミニクーパー」と読むわけですね。なかには「3232(ミニミニ)」という、なぜかお部屋を探したくなるナンバーを付けているミニオーナーもいます。
「32」や「3298」あるいは「3232」あたりはわかりやすいのですが、一部には「・9-85」などの難解な数字を付けるミニオーナーもいらっしゃいます。これは「9」が「ク」で、4桁の数字の真ん中にある棒が「ー」となり、「8」を「パー」と読ませます。そして最後の「5」を精神力でもって「S」と読ませることで「クーパーS」というグレード名が完成する、かなりの力技です。ミニがお好きな人はナンバーの数字にこだわる場合が多いようですね。
クルマの後ろのほうに大きな羽根が付いている場合が多いスバルのクルマでは、希望ナンバーに「555」を選ぶ人がけっこういます。クルマに興味がない人からすればなんだかよくわからない数字ですが、これはスバルが「世界ラリー選手権」というモータースポーツで大活躍していた時代に、車体に貼られていたスポンサーロゴの名残りです。
当時、スバルのラリーカーにはアメリカの「State Express 555」というタバコブランドがスポンサーについていて、その「555」というでっかくて黄色いロゴが、スバル製ラリーカーの青いボディに貼られている姿がとってもカッコよかったのです。そして「555時代」にスバルが世界ラリー選手権で大活躍したということもあって、いまもなおスバル好きはナンバーに「555」を選ぶことが多いのです。
スバル車のナンバーではこのほか、「2215」をSUBARUの前身である「富士重工」と無理やり読ませたり、スバルのモータースポーツ部門である「STI」のアルファベットを「571」というアラビア数字で表現するなどの力技も散見されます。
車名や型式をそのまま表現したナンバーも多い
イタリアのアルファロメオは、少し前まで「147」「156」「159」などの3桁の数字をそのまま車名としていたため、そのものズバリで「アルファロメオ156のナンバーが品川●● さ 156」だったりというケースはよくありました。
このあたりはまだわかりやすいのですが、アルファロメオのミト(MiTo)というクルマに「310」という希望ナンバーを付けるのは、クルマ好き以外の人にとってはやや難解でしょうし、「ジュリアというアルファロメオのセダンは型式が952だから、ナンバーも952にした!」みたいな話は、あまり知らなくてもいいかもしれません。
また、前述したミニは「32」「3298」などの一般的な人にとってもわかりやすいパターンが多い半面、「37」や「3237」などの、普通に考えると「なぜミニが37なんだ……?」となるパターンもあります。
37というのは、英国製の元祖ミニが1964年のモンテカルロ・ラリーで初優勝した際に、パディ・ホプカーク選手がドライブしたMINIクーパーSに付いていたゼッケン番号です。そんなことを知ったところで、あなたにとっての得は何ひとつないのですが、37系のナンバーを付けているミニオーナーに「おっ、パディ・ホプカークですね?」といってあげると喜ぶと思いますので、機会があれば、そして気が向いたら、いってあげてください。
フェラーリやポルシェも、ちょっと前のアルファロメオと同じく「車名は3桁の数字」である場合が多いため、「フェラーリ458イタリアだから458」「991型のポルシェ911だから991」みたいな安直系ナンバー(すみません)も多いものです。
しかし、フェラーリでは「27」という中途半端な数字を選んでいるオーナーもいて、これは1981年のF1グランプリでフェラーリに乗って大活躍した伝説のドライバー、ジル・ヴィルヌーヴが付けていたゼッケンの数字に由来しています。
そして、ポルシェでは前述のとおり「991」とか「911」などを付ける人も多いのですが、なかには「1931」というシブい数字を付けている人もいます。これは、ポルシェ社の創業者であるフェルディナント・ポルシェ博士が、ポルシェ社の前身となるデザイン事務所をドイツのシュトゥットガルトで開業した「1931年」へのリスペクトを意味しています。このあたりに気づいてあげるとクルマ好きは単純に喜ぶはずですので、もしも機会があれば、この情報をご利用ください。
それでは失礼します。