#1【経営者向け】未来は描くものではない〜実在する未来と幻影の未来〜

2024.09.03 10:10
<目次>経営において最も大事なこと想いには二つある実在する想いとは実在する想いの具体化するプロセス経営者だからこそ実在の未来へ


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1.経営において最も大事なこと
経営において、最も大事なこととは何だろうか?


この問いについては様々な視点から、様々な答えがあるだろう。
今回、あえて私が提示させていただく一つの答えはこうである。
経営にとって、最も大事なことは「今と未来を結ぶこと」だ。


未来とは、最初は私たち人間の内面にある。「想い」として私たちの内面に未来は存在している。
想いを現実化することで、未来は創られていく。もちろん想い通りの未来になるとは限らない。想いのない未来、つまり惰性で創り上げられる未来も多いだろう。


ここでお伝えしたいのは、「想い」には二つの種類が存在する、ということだ。
2.想いには二つある
想いには二つある。それは、
①実在する想い
②幻影の想い
の二つだ。


「私達の内面にあるもの(心の中にあるもの)はすべて幻影である」と思われる人は多いだろう。もちろんそれはまだ現実化していないという意味で言えば、すべて幻影だ。
幻影とは消えゆくものであり、状況が変われば変化するものである。


ところが私達人間の内面には、この世の中に既に形(現実)となっているものと同様に確固たる存在、揺るがず安定した存在がある。それは「内面的な現実」とも表現し得るものだ。


幻影とは明らかに異なり、持続性、時には永続性までをも感じさせるもの。
そのような存在がある。
それが心の中に「実在する想い」だ。
3.実在する想いとは
「実在する想い」には次のような三つの特徴がある。


一つ目は、それは「自分自身で発想し創り出したものという印象がない」ことだ。
それはまるで「最初からそこに在った」としか言いようのない感覚がある。
紛れもなく自分の想いなのだが、まるで自分が生まれる前からずっとそこに存在し続けていたかのような感覚を覚えるものである。


二つ目は、その想いに気づく瞬間は「思い出す感覚に非常に近い」ということだ。それは実に独特の感覚のようなものである。もしその感覚に近いものを探すとすれば、それは「思い出す」感覚に非常に近い。
例えば未来についての発想がふと浮かんだとする。もしそれが「実在する想い」に基づくものならば「未来のことだからどうなるかわからないけど・・・」というような曖昧さや自信の無さがまったく生じない。
過去のはっきりした記憶を思い出すのと同じような確かさがある。


そのため心の声は、例えば自然に次のようになる。
「私は5年後にこんな未来を創りたいのだ」ではなく、
「あぁそうだった、私は5年後にこんな未来にするのだった」・・・という感じだろか。
過去の出来事を「あぁそうだった」と思い出すのと同じだ。根本にあるのは「そうなるのは当たり前だし、それが事実だ」という無意識の認識そのものがある。


三つ目は、もしその想いを実現しない、もしくはその想いに向かわない人生を送るのであれば「自分はもう生きている意味はないなと、自然に力みなく淡々と、普通に、思えること」だ。
つまり「実在の想い」とは、自分という人間が生まれてきた理由であり、存在の意義であり、もっと言えば自分そのものでもある。


であるが故に、一つの発想という範疇を大幅に超えている。
さらに、実在の想い自体に縛られる感覚や苦痛はない。それが当たり前だと普通に受け止められるし、むしろ逆に「自由になる」感覚を得られる人も多い。
自分がその想いを生み出したというよりも、その想いの方が先にあり、それによって自分という人間がここに生まれたのだ、と捉えても何ら不自然さはない。


以上のような感覚(まさに理屈ではなく感覚そのもの)を得られるのが「実在する想い」である。
4.実在する想いの具体化するプロセス
ある20代後半の会社員の男性Aさんがいらっしゃった。
彼は建築関係のお仕事をされていたが、彼にはどうしても実現をしたい「場」があった。「世代を越えた多くの人達が常にニコニコ穏やかに関わり合っている」そんな場がリアルな映像として思い浮かんでいるとのことだ。


ところがそれがどのような「場」か、具体的なことはわからない。
わからないが、時折浮かぶその映像は、いつも彼の心を真奥から揺さぶっていた。


ある日のこと。
Aさんはある人の紹介で全く別業種のB社長と出会った。お会いした瞬間に意味もわからず「この人だ!」と直観した。それは「私はこの人と一緒に自分のビジョンを実現するのだった」という根拠のない確信だった。


気がつけばほんの数ヶ月で、AさんはBさんの会社に入社。
Bさんと語り合いながらAさんのビジョンは面白いように最短で具体化していった。


「B社長と語り合っていると、どんどん忘れていた記憶が蘇る感じでした。途中からプロジェクトチームにして、外部のプロにも入っていただき、一年も経たないうちにあらゆるものがほぼ明確化しました。資金調達もできました。B社長と出会って2年くらいですが、もうすでに最初の段階のものが形になりました。こんなに早く僕のあの曖昧だったものが実現できるとは思いもよりませんでした。これから第2段階。ここからこそが本番ですが、なんか気負いが全くないのですよ。淡々と進めています。」
と、Aさん。


さらに面白いことに社長であるBさんも同様のことを言われている。
「Aさんと出会って、私の中にあった抽象的な想いが、どんどんリアル化するのがわかりました。Aさんの発想の一つ一つは『そうそう、私がやりたかったのはこういうことだったのだ』と思えることばかりでした。私の中に眠っていた発想をAさんが代弁してくれている感じです。ですので、Aには入社後、すぐに経営幹部層に入ってもらい、新規事業プロジェクトのリーダーをやってもらっています。今後は、私の後を継ぐか、もしくはグループ会社を創り、そこのトップになってもらうつもりです。」


数億円かける大プロジェクトは現在進行中であり、どんどん加速している。


以上ように「実在する想い」とは最初から明確に顕在化できているわけではない。
しかし、確かに自分の中にそれは在る・・・という感覚はわかる。
そして何らかのきっかけを得ることで、それは徐々に、そしてある瞬間からは一気に具現化していく。


創り上げる感覚ではない。
「そうなるに決まっている」ものを「そうなるように」していくだけである。
すでに決まっていることを予定通り進めていくだけ。


・・・そんな感覚での進み行きとなる。
5.経営者だからこそ
「幻影の想い」によって描かれた未来に向かうことは意味がない、とまでは言わない。
しかし私達が自身の「実在する想い」に向かうことにより得られる幸福感・充実感は「幻影の想い」の比ではない。


しかし、残念ながら大半の人がその体験を知らないままに人生を終えてしまう。


なぜなら、自身の「実在する想い」を自覚するためには、ある一つの条件が必要だからだ。


その条件とは、「自分の人生を引き受ける覚悟」だ。


「自分の人生を引き受ける」とはどういうことか?
これを言葉で説明しようとすれば、できないことはない。しかし、それは感覚的なものだからであるがゆえにあまり意味をなさない。


自分の人生を引き受けている人は、そういった感覚で生きている。
本人は理屈の上で「私は、私の人生を引き受けている」と自覚しているとは限らない。
そして自分の人生を引き受けている人は、独特の空気感を纏っている。
お会いすれば、第一印象ですぐにわかる。
上記の例のAさんもBさんも、そんな空気感だった。「自分の人生を引き受けている」二人が出会うことで、「実在する想い」は一気に浮上した。


「経営者」という役割を通じて自分の人生を引き受け、そして自身の「実在する想い」に気づく人は多い。そしてその「実在する想い」のもとに実際に走り出しやすいのも、経営者という立場だ。


つまり経営者は、「実在する想い」に最も近い立ち位置にいる、とも言える。
経営者だからこそ「実在する想い」を徹底的に探求することができる。
6.実在の未来へ
ここで、冒頭の「今と未来を結ぶこと」に戻る。
ここで言う未来とはもちろん「実在する想い」に基づく未来像だ。
それを「実在の未来」と呼ぶことにする。
一方で「幻影の想い」による未来像を「幻影の未来」と呼ぶことにする。


幻影ではなく実在する自らの想いに基づき「実在の未来」を目指す。
これが経営者としての真の姿ではないだろうか。


「幻影の未来」は、実現できるかどうかわからない。
経営能力や環境・状況によって実現できることもあればできないこともある。


しかし「実在の未来」は必ず実現する。
経営者が「実在する想い」に素直に日々を送るのであれば必ず実現する。


「実在する想い」は原点である。
そして「実在の未来」はその原点から発生する必然的な結果であり、それは過去の出来事と同じくらいの存在感が初めからある。
実現する前からそれは「事実」なのだ。
過去に事実を創ってきたのと同じように、未来にその事実を創り出していくだけだ。


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会社名 :株式会社ITSUDATSU
所在地 :東京都港区赤坂8-4-14青山タワープレイス8階
代表者 :代表取締役CEO:黒澤伶
設立 :2019年3月5日
会社HP:
サービス:
■企業向け
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ITSUDATSUは、法人と個人のお客様に対して、逸脱した成長が可能となるような新しいHRソリューションを提供しています。「ITSUDATSU(非直線的な現象)を再現性の高い世の中にする」というビジョンを掲げ、人間をあるがままに生かし、組織の中で自由度を拡大し、高い成果を上げ続けることができるよう、お客様に真摯に向き合います。

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