【試乗】スバルに乗るともう一歩先に行きたくなる不思議! クロストレック&フォレスターだからできた八丈島満喫旅

2024.08.26 16:50
この記事をまとめると
■アウトドアのイメージが強いスバル
■豊富なSUVラインアップや走破性の高さが魅力だ
■今回はクロストレックとフォレスターで八丈島をドライブ
クロストレック&フォレスターで八丈島を巡る
  まるでアパレル業界のアウトドアブランドをイメージさせるスバル。ファミリーミニバンやコンパクトハッチバックをモデルラインアップにもたず、そのおかげでスポーツワゴンや世間で相変わらず人気のSUVの豊富なラインアップが際立ち、アウトドアなイメージを強めているのだと思う。本格メカニカルAWDへのこだわりもオールシーズン、オールウェザー、オールロードへの頼もしさを与えているのは間違いない。それを都会にいても自然が恋しくなるような、だからといってドロくささを感じさせない(ドロくささが魅力のブランドやモデルもあります)デザインと相まって、私のなかでスバルのアウトドアなブランドイメージが出来上がっている。
  ふだんから都会にいても自然が恋しい私を初夏の八丈島で待っていてくれたのがスバルのSUVたち。今回はアクティブなドライブ&島巡りをした。
  ロングドライブも苦ではないことはさまざまなスバル車で体験済みだけど、今回はちょっと特別な場所。しかし羽田から空路でなら1時間もかからない、“東京都”の八丈島なのだ。ちなみに島にはレンタカー会社が数件あるからドライブは超おすすめ、と、もう先にお伝えしておきます。
  八丈島はぐるりと一周できる八丈循環線(都道215号)、通称「八丈一周道路」があり、その総距離は約45km、約1時間半で一周できるらしい。期待どおりの青い海に広い空、それにヤシの木の街路樹……、羽田から1時間もかからぬところとは思えぬ南国ぶりは想像以上。一方で八丈富士や三原山もある。
  私たちはルーフに自転車を積んだオアシスブルーのクロストレックLimited(AWD)で、まずは山に向かった。目指すは八丈富士の中腹に牧草地が広がる「ふれあい牧場」。サイクリストではない私はルーフに自転車を積んで走った経験がなく、ビクビクしながら幾重にもカーブが続くワインディングを走り出したところ「あらっ?」と思うほど自転車の存在感を意識することがない。
  2リッターエンジンにモーターを組み合わせるマイルドハイブリッド「e-BOXER」を搭載したAWDのクロストレックは、大人3人と2台の自転車を乗せても駆け上がるようにワインディングを走る。先代のXVからクロストレックに車名を変え、新型になった際に設計を見直されたフロントシートのホールド/サポート性も特徴のひとつ。ちなみにリヤシートはフロントより着座位置がやや高く前方視界にも配慮がうかがえ、街なかでも使いやすいサイズのモデルながら、足もとのスペースにも余裕があり快適性が保たれている。
「八丈ふれあい牧場」ではのんびり過ごす牛たちの姿に癒され、展望台からの島の内陸や港、三原山の眺めに八丈“島”に来たことを開放感とともに改めて実感できた。ソフトクリームを期待して入った牧場の休憩所にはお目当てのものはなかった代わりに、島の酪農の歴史を紹介する展示があった。八丈島では馬が飼われた記録はなく牛が人々の生活を支えてきたことを知った。
  これがきっかけでドライブ旅ならではの“行き先変更”が発生。調べると「八丈牛乳」なる地産の牛乳や乳製品があるらしく、「探しに出かけよう」と舵を切る。「ゆーゆー牧場(八丈島乳業)」では製品の販売はしておらず、牧場のスタッフに「ジャージーカフェ」を教えていただき、編集者やカメラマンにリサーチをしてもらいながら島の中心街の大賀郷に向かった。
  簡単に手に入らないからこそ期待も膨らみ、辿り着いたカフェでソフトクリームのコーンを握ったときの達成感はいうまでもない。ソフトクリームは緩めでさらっとした口どけとともに舌の上に広がる乳々しさがたまらなく美味しかった。
乗り手をもアクティブにするスバルのSUV
  次に探しに出かけたのはサイクリングロードだった。八丈島は信号もクルマも少ないので、いつでもどこでもレンタルでもサイクリングはできる。サイクリングで島を一周するのも可能だけれど、アップダウンが多いのでエキスパート向けらしい。ならば気もちのよさそうなところで自転車を降ろして楽しめばいい。島の中心部から八丈道路を南下するとあっという間に海岸線へ。海風を感じながらきれいに舗装された道をペダルをこいだりコースティングしたり、展望エリアで海を眺めたりと、気ままなサイクリングを楽しむことができた。
  午後はクリスタルホワイト・パールのフォレスターAdvance(AWD)e-BOXERに乗り換え、八丈島の見どころのひとつ「玉石垣」を見に行った。フォレスターは、クロストレックと同じプラットフォームやパワートレインを採用しているけれど、車幅はクロストレックより15mm広く全高/室内高ともにフォレスターのほうが高いため見た目にも大きく、また室内もゆったりとしている。そこにメーカーオプション装着のブラウン×ブラックのナッパレザー(本革)にシルバーのステッチが施されたシートやトリムを採用する今回のモデルは上級グレードらしさが増していた。
  搭載するパワートレインはクロストレックと同じ2リッター+モーターのe-BOXERだが、フォレスターは2018年にデビュー、クロストレックは2022年の登場のためか音や振動対策についてはやはり新しいモデルに分がある。スポーティな印象もクロストレックが強めだ。しかし車格感はフォレスターが勝る。走り出しからドッシリと重厚感があり、コーナリングはどちらかといえばしなやかだけどスイスイ走るのがスバルらしい。パッケージも含め人気があるのも頷ける。
  玉石垣は六方積みという手法で規則正しく積み上げられた石垣で、美しく見応えもあった。この玉石垣は暴風雨から住居を守るために波に削られた石を流人が積み上げたらしい。島内のあちこちで見かけられるようだけど、かつて島庁がおかれていた大里エリアは保存状態もよく規模も大きいので存在感、見栄えは島で一番のようだ。
  アクティブドライブの仕上げに釣り好きの提案で港に向かう。釣りの成果は……。そんなに簡単にはいかなかったものの、ぼーっと糸を垂らし海を見たり空を見上げたりする時間も贅沢で貴重な体験になった。
  お店の前を通りかかったら立ち寄らせてもらおうと思っていた地元で育てた観葉植物などを扱うボタニカル&カフェ「DRACO」にも訪れることができた。こういうのもドライブ旅の醍醐味だ。
  東京から飛行機で1時間もかからない八丈島は、現代の人工物(玉石垣は現代ではない)で観光客を呼ぶような観光スポットはなく(と思う)、一方できれいな舗装路は完備されていたのが印象的だった。大手コンビニエンスストアもなく、まさに地元の人々が生活する島にお邪魔するような八丈のドライブはのんびりだけどワクワクもある小旅行となった。
  少々行き当たりばったりではあったけれど、あっちへ行ったりこっちへ行ったり……。今度は久しぶりに海に潜りたいと再訪のチャンスをすでに狙っている。スバルのオールシーズン、オールウェザー、オールロードの走破性や安全性、安心感がその気にさせてくれたのだ。

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