この記事をまとめると
■過去に販売された国産スポーツモデルの限定車は軒並み価格が高騰している
■とくにワークスチューンモデルは人気が高い
■海外での人気が高いことも相まって億を超えるクルマもある
ワークスチューナーによるコンプリートカーは高騰必至!
留まるところを知らない国産スポーツの高騰。なかでも限定モデルは多くの人の垂涎のモデルということもあり、中古車となってからも人気が衰えないものがほとんど。そこで今回はそんな限定車の現在の中古車価格をチェックしてみた。
MUGEN RR
2007年6月に発表され、限定300台が申し込み開始10分で完売したというのがMUGEN RRだ。
このモデルはFD2型シビックタイプRをベースに無限がチューニングを手掛けたもので、エンジンや足まわり、エアロパーツに至るまでほぼすべてに手が加えられており、477万7,500円という価格はむしろバーゲンセールだった。
そんなMUGEN RRは300台限定ということもあって中古車で見かける機会はほとんどなく、あっても価格応談となっているものがほとんどだが、状態が良ければ1000万円オーバーも珍しくないものとなっている。
RX-7スピリットR
FD3S型RX-7の最後を飾る限定車として2002年3月に発表されたスピリットRは、もっともスパルタンなレカロ製フルバケットシートで2シーター化をし、ビルシュタイン製ダンパーや強化ブレーキを備え、5速MTのみのタイプA、4シーターでリヤシートを備えながらもビルシュタイン製ダンパーと強化ブレーキも備えたMT仕様のタイプB、そしてスポーティな装いを2ペダルで楽しめるAT仕様のタイプCの3種類を用意。
タイプAとタイプBは399.8万円、タイプCは339.8万円と、いまでは考えらないほどの手ごろな価格でリリースされ、3タイプ合計で1500台の限定販売となった。
そんなスピリットRは、やはりMTモデルの人気が高く、タイプAの低走行車では1000万円超のものも存在。一方、ATのタイプCはそもそもの台数が少ないが、MTモデルよりは安価であるものの、こちらも新車価格を下まわることはなさそうだ。
NISMO 400R
R33型スカイラインGT-RをベースにNISMOが作り上げたコンプリートカーの400Rは、車名からもわかるように400馬力を発生するエンジンを搭載。
このエンジンはRB26DETT型をベースに2.8リッターまで排気量を拡大したほか、さまざまなチューニングを施したRB-X GT2と名付けられたものとなっている。
もちろんエンジンだけでなく、拡大されたボディや専用の足まわり、ホイール、ブッシュ、ブレーキや駆動系など、惜しみなくスペシャルパーツが投入され、1200万円のプライスがつけられていた。
もともとは99台限定で販売されたが、実際には55台のみの販売に留まったともいわれ、かなり希少な部類に入るモデルだが、現在の価値は2億とも5億ともいわれており、当時、無理してでも買っておけばと嘆いた人は多いハズだ。
インプレッサ 22B
1997年のWRCでマニュファクチャラーズタイトル3連覇を達成したことを記念して、1998年3月に400台限定で販売した22Bは、STIが手がけたコンプリートモデル。
WRカーのエクステリアを可能な限り再現していることがトピックで、全幅は1770mmまで拡大され、前後バンパーも専用のものがおごられた。
また、エンジンはWRカーとは異なり、22B専用の2212ccの排気量を持つEJ22改が搭載されたほか、強化されたクロスミッションやビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングというWRカーと同じ組み合わせ(当然チューニングは異なる)で、WRカーのロードモデル的なキャラクターとなっていた。
そんな22Bの新車価格は500万円と、いまでは考えられないほどのリーズナブルな価格だったが、現在の価値は1000万円どころか3000万円ともいわれており、海外オークションでは新車に近い個体が「億」に迫る落札予想価格になると見積もられるなど、10倍以上の高騰となっている。