歴史ある腕時計が世界を守る!『駆動せよ!超戦士キングセイコー』とはなんだ?

2024.07.23 00:00
1961年に誕生し、1960年代から70年代のいわゆる高度経済成長期に数々の印象的なモデルを発売してきた「キングセイコー」。当時最前線で働くビジネスパーソンに愛され憧れられた、シンボリックなブランドだ。そのキングセイコーが現代に蘇ったのが2022年のこと。「The Newest Classic」というコンセプトのもと、クラシックなルックスや機能と奥深いブランドの歴史が、新たな世代のユーザーにも届き始めている。

そんなキングセイコーの魅力を伝える展覧会が、現在原宿のSeiko Seedにて開催中。そのタイトルは『駆動せよ!超戦士キングセイコー』……超戦士? 腕時計の展覧会というから、デザインや機構について学べる、要するにちょっと「お堅い」やつかと思いきや、まったくそうではなさそう。イベントのビジュアルも昔読んでいた『コ○コ○コミック』的なアレだし。うーん、気になる。

というわけで、antenna編集部はさっそく会場に潜入。するとそこで繰り広げられていたのは、知っている人には懐かしく、知らない人には新鮮な、時をめぐる驚きのストーリーだった……というわけで、すべての時を守るため、キングセイコーの戦いが今幕を開ける! ゆけ、超戦士キングセイコー! くらえ、発条超巻き上げ!!
その前に説明しよう!
いきなり先走ってしまったが、今回の展覧会はキングセイコーの魅力を「漫画」で伝えるというもの。往年の少年ヒーロー漫画をイメージしたその作品のタイトルがその『駆動せよ!超戦士キングセイコー』なのだ。現在展開されているキングセイコーの2モデル、「KSK」と「KS1969」をイメージした人造人間ヒーロー(たぶん「キカ○ダー」的なやつ)が悪の秘密結社と戦う白熱のバトルストーリー……と聞けば、きっとある世代以上の男性は血湧き肉躍るはず。

今作を描いたのはイラストレーター/デザイナーとして幅広い世代から支持を集める鈴木夏菜。レトロでクラシックな面持ちのキングセイコーにちなみ、歴史へのオマージュに溢れた完全オリジナル漫画が、ここに誕生したのである。聞けばこの展覧会の企画はすべてセイコー社内のスタッフから生まれたものだそう。彼らの趣味……いや、溢れるキングセイコー愛の結晶がこの展覧会なのだ。
あらすじ
1961年、世界征服を目論む悪の秘密結社・ディレイを前に世界は窮地に陥っていた。その人類の危機を救ったのが亀戸博士が開発した機械式戦闘ロボ「キングセイコー」。キングセイコーは自らの命と引き換えにディレイに打ち勝ち、世界の平和を守ったのだった。

時は流れて2024年。復活を遂げたディレイが予定をすべて狂わせる「時間混乱電波」を使い再び侵攻を開始した。人々がピンチに陥ったそのとき、敵の目の前に立ちはだかったのはキングセイコーをさらに進化させた「キングセイコーKSK」だった! KSKとその後継機「キングセイコーKS1969」は力を合わせ、ディレイの謀略に立ち向かっていく――!
そして展覧会へ
という壮大なストーリーをぎゅぎゅっと詰め込んだのが漫画作品『駆動せよ!超戦士キングセイコー』であり、今回の展覧会ということになる。会場内には全42ページにわたる漫画の各ページの巨大パネルが並び、その合間には少年漫画によくある図解よろしく、機械式腕時計の仕組みを伝える模型が置かれている。2022年に復活したキングセイコーはオリジナルの手巻き式から自動巻きに進化したのだが、漫画のストーリーに合わせることでその難しいメカニズムもなんだかすんなり入ってくる。

と、突然目の前に現れるのは巨大な腕の模型。これは劇中のヒーロー「キングセイコーKSK」の腕の実物大モデルだそうだ。意外と大きい。さらにその仲間「キングセイコーKS1969」が武器として使う時計の針なども実物大(つまり実際の時計からすると超拡大模型)で展示されている。こういうのも、単に時計のパーツの巨大モデルじゃなく、ヒーローの武器だと思うからより興味が湧く。そういえば「KSK」の手に施されているギザギザの彫刻も、実際の時計の12時のインデックスに刻まれた「ライターカット」と同じもの。「おーこうなってるのか」と理解すると、改めて時計を手に取ったときにも見る視点が変わる感じがするのである。
そういう「仕掛け」は漫画そのものにもふんだんに盛り込まれている。「発条超巻き上げ」とか「針剣・ダイヤカット」とか、ヒーローが繰り出す必殺技の名前はすべて時計にちなんだものだし、要所要所では必ず他の登場人物からのさりげないようでさりげなくない解説が入る。たとえば「腐食」という技で相手を腐らせようとする敵をKSKが難なく蹴散らすと、いきなりモブキャラが「腐食していない!? サス316Lのボディーにはサビは効かないんだ!!」と叫ぶのである(ちなみにサス316Lというのはキングセイコーに使われているステンレスのこと)。展示をすべて見終わる頃には、いつの間にかキングセイコーに詳しくなっている。そうか、これが狙いか……!

展示の最後には、実際にキングセイコーのモデル「KSK」と「KS1969」があり、タッチ&トライをすることができる。ここまでの流れで両者に完全に感情移入しているので、これはいわばヒーローショーの後の握手会みたいなものである。なかなかサクッと買うわけにはいかないお値段ではあるが(そもそもこの展覧会場では時計の販売はしていない)、確かに心はくすぐられる。

アンケートに答えることでもらえる漫画の単行本(装丁もどこかで見た感じで凝っている)と、Instagramでセイコーウォッチの公式アカウントをフォロー、またはSNSにハッシュタグ付きで投稿することでもらえるステッカー(というよりシール。何せ、あのチョコ菓子のおまけのシールとそっくりなのだ。どれが当たるかはお楽しみだが、ちゃんと「キラ」もある)を手に会場を後にする編集部一同。世界の平和は守られた、ありがとうキングセイコー、とわけのわからない高揚感とともに原宿駅から山手線に乗ったのだった。
会期は9月23日まで!
腕時計なんて興味ないよ、という人でも楽しめる、というか楽しめてしまう仕掛け満載の展覧会『駆動せよ!超戦士キングセイコー』。9月23日(月)の会期中は無休、しかも入場無料なので、近くに立ち寄った際にぜひ足を運んでみてほしい。キングセイコーという時計の魅力に取り憑かれたセイコースタッフ陣の渾身の作品に、最新のデジタル時計やスマートウォッチとは一味違う、機械式時計ならではの引力のようなものを感じることができるはずだ。

【開催概要】
会場:Seiko Seed(東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 1F)
会期:開催中〜2024年9月23日(月) 11:00-20:00(入場は19:45まで)
入場無料

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