インドネシア初、「半屋外型」アウトレットモールを設計

2024.07.17 13:24
株式会社三菱地所設計
日本とシンガポールの二拠点連携で、快適な商業空間を高い品質で実現

株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:谷澤 淳一)は、当社が設計を担当した「The Grand Outlet - East Jakarta Karawang」(インドネシア、カラワン県)が本日7月17日にグランドオープンしたことをお知らせいたします。

当施設は、三菱地所グループがインドネシアで初めて手がけるアウトレットモールであり、ジャカルタ中心部から高速道路を経由し車で約1時間の利便性の高い立地にあります。また、当施設から約3kmの至近には高速鉄道の新駅の開通が予定され、高い集客性に注目が集まっています。
ガラス大屋根が木漏れ日の下にいるような心地よい半屋外空間をつくりだします。Photo credit (全写真): mario wibowo photography

日本各地で豊富なアウトレット設計実績を有する当社(以下、MJD)と、在シンガポール子会社である三菱地所設計アジア社(以下、MJDA)の東南アジア地域での業務ノウハウを融合し、二拠点の連携でプロジェクトの川上から施工後のサポートまで一連の取り組みを展開しました。
これにより、約88,000平方メートル の広大な敷地に約150店舗が建ち並ぶ当施設では、「Shopping in Nature」というコンセプトのもと、シミュレーションやコンピューテーショナルデザインを駆使して設計した「木漏れ日のような」表情を見せるガラス屋根が日照や気温をコントロールする、熱帯気候の当地では稀な快適な半屋外型の商業空間を実現しています。


■デザインコンセプト「Shopping in Nature」: 地域特有のモチーフをちりばめた商業空間
設計にあたっては、アウトレットモールの計画上のセオリーである一筆書きの動線で店舗へのアクセス性を均等にするとともに、その動線のノード(結節点)に地域性を取り入れたデザインとして、インドネシアの自然から着想を得た「Forest」「Bamboo」「Water」「Flower」「Rice Terrace」という5つのモチーフを展開し、多様な歩行空間を計画しました。
当アウトレットの中央に位置する「Green Hub」は、さまざまなイベントに対応できるフレキシブルな空間に。棚田から着想を得た立体的な緑のつながりが階段の昇降を豊かな空間体験へと昇華させ、一般にショッピングモールの課題とされる上部階への集客力を向上させます。
「Water」をモチーフにしたノード。多方向からの人流が合流するポイントとなります。
ゆるやかな歩行者のネットワークを立体的に拡張する、棚田をモチーフとした「Green Hub」。



■熱帯の東南アジア地域で快適な半屋外空間をつくる
年間を通じて平均最高気温が30℃を超える東南アジア地域においては、屋外型ショッピングモールは普及しづらく、完全屋内型とすることが一般的です。一方、そのような既往商業施設との差別化を図る観点から、屋外で快適に歩行しながらショッピングを楽しめる環境の提供を目指すことが当施設の開発企図の前提としてあります。しかし、そのような外部空間において完全に空調された環境を実現することは物理的に困難です。
こうしたジレンマを建築的に解消することをテーマとした本プロジェクトでは、まず、東南アジア特有のほぼ垂直に差し込む強い日差しを、ガラス屋根でフィルタリングするエリアと完全屋外エリアに分け、それぞれに温熱環境シミュレーションをかけながら、環境改善を試みました。


■ガラスの大屋根「Giant Canopy」と気流の操作で外部空間よりも-10℃を実現
「Giant Canopy」と名付けたガラスの大屋根が覆うエリアでは、1.Low-Eガラス、2.Low-Eガラスとシルクプリント、3.アルミパネルという光透過性の異なる3種類の素材を用い、シミュレーションで導いた目標値を平均値で実現。更にコンピューテーショナルデザインによるシルクプリントのパターンが木漏れ日のような光と影を生み出し快適な歩行空間を提供します。夜間には、「Giant Canopy」に仕込まれた間接照明が昼間とは異なる表情を演出します。
更なる快適性向上のため、自然通風を補助するポール型ファンが歩行空間に快適な風を提供。大屋根の効果と合わせ外部空間よりも10℃程度の体感温度低下を実現しました。
ガラス大屋根「Giant Canopy」とポール型ファンの温熱環境への影響イメージ。
ガラス大屋根「Giant Canopy」がかたちづくる日陰。
「Giant Canopy」昼間見上げ。グラデ―ショナルな影をつくる半透過のガラスパネルはドットパタンをシルクプリント。鉄骨細材による構成は精緻な設計監修により実現。
「Giant Canopy」夜間。間接照明とライン照明で昼間とは異なる表情を見せます。



■経験豊富な日本チームと現地知見が豊かな東南アジアチームのノウハウを融合
クライアントにとって初となる東南アジアでの新築アウトレットモールのプロジェクトにあたり、在日本のMJDと在シンガポールのMJDAが、それぞれのノウハウを最大限に生かすことのできる混成チームを組織し、ボリュームチェック段階から竣工後のサポートまでを手がけました。
デザインアーキテクトの役割を担ったMJDは日本での豊富な実績をもとに基本計画を策定。東南アジアでの業務ノウハウやコミュニケーション力を活かし、MJDAがこれを基本設計として詳細・具現化。関係者間との円滑なコミュニケーションのもと、設備・構造・メンテナンスまで考慮したディテール調整、モックアップの検証、現場での品質向上のため、MJDAにて実施設計監修・施工監修業務を行い、デザイン提案のみならず技術的側面からもプロジェクトをけん引しました。
当社が描いたデザインを精緻に実現することで、効果的な日影・温熱環境をもつ半屋外型の快適な商業空間をつくり出すことができました。



(インドネシア初: 2024年7月現在、インドネシア国内における当社調べ)



■建築概要
■関連リリースのご案内
「The Grand Outlet - East Jakarta Karawang」に続き、当社はインドネシアにおける大規模ラグジュアリーアウトレットモール事業の第二弾となる「(仮称)The Grand Outlet - Kura Kura Bali」に着手いたしました。当社はデザインアーキテクトとしてプロジェクトに参画しています。
2024年着工、2026年春頃の開業を予定しております。ニュースリリースは
をご覧ください。
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三菱地所設計は、1890年の創業以来、東京都千代田区丸の内に拠点を構え、都市計画から建築設計・監理、企画・コンサルティング、リノベーション、コンストラクションマネジメントなど、拡張する活動領域に130年を超える技術の蓄積やネットワークで向き合う、日本で最も歴史ある組織設計事務所です。今日、国内のみならず、中国・上海とシンガポールに海外拠点を設け、東アジア・東南アジア全般に展開し、日々多様な業務に取り組んでいます。

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