【試乗】大幅改良のヴェゼルはこのクラスでベストバイ! ハイブリッドの制御だけが惜しい!!

2024.07.10 07:00
この記事をまとめると
■ホンダ・ヴェゼルがマイナーチェンジを実施
■新グレードのHuNTが追加されたほか納期が劇的に改善されている
■この価格帯のSUVではベストバイともいえるポテンシャルを秘めている
売れ筋SUVが生まれ変わった!
  ホンダ車で一番売れているヴェゼルがマイナーチェンジを行った。さて、ヴェゼルにとって一番の課題は価格である。クルマそのものの魅力度からすれば申し分なし! デザインは最近のホンダのなかでもっとも高く評価されているし、走りの質感だって高い。さらにフィットと共通のプラットフォームを使うため、キャビンスペースは格上のカローラクロスすら凌ぐほど。
  価格もデビュー当初は「バリューフォーマネー感」があった。しかし、諸物価高騰ということで昨年4月に11万9900円値上げ。さらにマイナーチェンジで大幅値上げしている。昨年3月まで288万2000円だった売れ筋の「ハイブリッドZ」は、319万8800円と31万6800円も値上がりした。こうなると1クラス上のカローラクロスの同等装備を持つ「ハイブリッドS(298万円)」より高い。
  直近の数年、ホンダは車両価格の値上げを頻繁に行ってきた。値上げ幅やペースを抑えているトヨタと比べたら、すべての車種で割高感が出てきている。だからこそヴェゼルも昨年の今頃まで納期半年以上だったのに、マイナーチェンジ直前は即納に近い状況。登録ベースで好調だったものの、受注ベースが伸び悩んでいた。ホンダに限らず値上げすると確実に台数は落ちる。
  値上げについちゃ上層部からの指示だからして現場はいかんともしがたい。そこで考えたのが質感のグレードアップと、商品力を上げようというグレードの追加だった。開発チームに聞くと、「一番の押しはHuNTという新グレードです」と口を揃える。ハントのインテリアを担当したデザイナーによれば、「普通のお客さんの顔してオーダーし、もう納車になりました!」
  開発担当者が買うくらいなんだから魅力あるんだろう。ということでHuNTから。ベースになった「X」グレードより11万円高いプライスを付けているものの、エクステリアはルーフレールやカッパー色(銅)のパネルなどでオフロードっぽい雰囲気を上手に出している。インテリアもシートに撥水素材を使い、明るいアースカラーを選ぶなど遊びに行きたくなる雰囲気。
  タイヤは16インチで18インチより直径で20mm小さくなっているため、最低地上高も10mm低い170mmとなる(4WD)。少しばかりものたりない。18インチより外径で20mmくらい大きいオフロード調のタイヤを選ぶとカッコよくなる上、最低地上高190mmといい感じになります。私がヴェゼル買ったら20mmくらい車高アップして最低地上高210mmくらいにするだろう。
この価格帯ではベストバイ!
  最上級のPLaYは355万6300円と、なかなかの価格。これまた室内の加飾(最近流行の慶良間ブルーのようなイメージ)などで上質感を出している。なかなか上手。もう少し頑張ると「小さい高級車」みたいな雰囲気も出てくるんじゃなかろうか。レクサスはヴェゼルより小さいヤリスクロスをベースに500万円近いクルマを作っている。このあたりはクルマ作りのセンスです。
  気になる走りだけれど、現行ヴェゼルは最初から高い評価を受けてきた。ネガティブな項目を上げるなら、FFモデルがスポーティ感を出そうとして少し粗っぽい乗り心地だったことくらい。トヨタに比べたらハイブリッドの”モーター感”が少ないこともヴェゼルの、というかホンダの課題かと。足まわりについては今回のマイナーチェンジで改良を受けたのだろう。一段とよくなった。
  4WDの乗り心地など、ハリアーやCX-5に代表されるDセグのSUVと比べたって負けていないレベル。FFは試乗車が16インチのHuNTだったこともあり、ややタイヤとしてのキャパシティが足りない感じ。ハントを買ったら即座にタイヤ交換を考えたらいい。カッコよくなるし、乗り心地の質感だって上がると思う。総合的にはホンダで一番売れているクルマだけあり、上手に仕上げている。
  もうひと頑張りしてほしかったのがハイブリッドの制御。40~50km/hで巡航しているときの追い越し加速がトヨタや日産のハイブリッドに届いていない。タイムラグがある上、モーターのパワー感も少ない感じ。ここさえ改良できれば、ヴェゼルは文句なしのクルマに仕上がると思う。もちろん今回試乗したマイナーチェンジモデルもこのカテゴリー&価格帯ではベストバイです。

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