人事とは「人を生かして、事をなす」。個と組織がともに勝つための『図解 目標管理入門』出版の裏側と込めた想いとは

2024.07.09 08:00
株式会社壺中天は、「人事の意志をカタチにする」をミッションに掲げ、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、出版、講演などを通じて企業の人事支援をおこなっています。初の<「理論と実践」100のツボシリーズ>として2020年に『図解 人材マネジメント入門』を出版、続いて第2弾として2022年に『図解 組織開発入門』を出版しました。そして2023年、第3弾『
』の出版に至りました。


本ストーリーでは、その背景と込めた想いそして現在までの歩みを、代表坪谷へのインタビューをベースにお伝えいたします。 
なぜ、第3弾で「目標管理」について書いたのか
ケン・ウィルバーの『インテグラル理論』と出会い
株式会社壺中天が創業した2020年、<「理論と実践」100のツボシリーズ>初の書籍として『
』を出版しました。捉えにくい「人材マネジメント」領域を、10章×10のポイントで図解とともにわかりやすく、70冊以上の名著をもとに体系的かつ網羅的に構成した本書は、出版経験者からも「秀逸だ」と評価いただけるものとなりました。そして同年、全国約17万人の人事キーパーソンが選ぶ、人事・人材開発・労務管理などの分野におけるイノベーターを表彰する表彰制度<日本の人事部「HRアワード2020」」書籍部門>に入賞を果たしました。続いて、2022年『
』を出版します。有難いことに、企業やメディアからセミナーや講演、執筆などのお声がけも増え、様々な読者の方々と関わるなかで、次のテーマとなったのが「目標管理」でした。なぜ、第3弾のテーマは「目標管理」となったのでしょうか。
 「2作目の『組織開発入門』を執筆しているときにケン・ウィルバー『インテグラル理論』と出会い、大きな衝撃を受けました。「個の主観」「組織の主観」「組織の客観」「個の客観」という四象限で世界のすべてを読み解こうという壮大な思想です。この枠組みで考えると、自分がこれまで考えてきたことがより鮮明に表現できると直観しました。


これまで自著で書いてきたことを四象限で整理してみたところ、埋まらない領域があることに気がつきました。それは「個の客観」です。ケン・ウィルバーは四象限をすべて考えるべき(統合すべき)だと主張しています。自分は「個の客観」領域について考え切れていなかった、ここにこれから取り組むべきだと自覚しました。客観とは英語でObjectiveです。個が自らのObjectiveを扱う人事の領域、それはMBO(Management By “Objectives” and “Self-control”)、日本語では目標管理です。こうして次の著作は「目標管理」をテーマとすることが決まりました。(坪谷)」
「objective(客観)の前にsubjective(主観)が弱っているのではないか」
「前作の『組織開発入門』について、ドラッカー研究者の佐藤等さん(ドラッカー学会共同代表理事)が「この本はドラッカー・マネジメントの欠落部分を大いに補うとともにマネジメントの体系を拡張する足掛かりになる可能性を秘めている」と評してくださったことから、佐藤先生との交流がはじまりました。


MBOはもともとドラッカーが提唱したものです。専門家である佐藤先生に「個のObjectiveについて考えたい」と相談したところ、「Objective(客観)の前にSubjective(主観)が弱っているのではないか」と示唆をいただきました。この一言から大きなヒントを得て「個と組織、主観と客観を目標によって統合する」というコンセプトを打ち立て『目標管理入門』の執筆はスタートしました(坪谷)」
専門家11名との対談実現により『目標管理入門』が結晶化!
目標管理で伝えるべき「全体構造」として10のChapter(章)を構想
先の2作と同様に『図解 目標管理入門』もまた、構造の図を作るところから始まりました。
「目標管理で伝えるべき「全体構造」を考え、10のChapter(章)を構想するところから始めていきました。そして、その10のChapterそれぞれについて、いま日本でもっとも話を聞くべきだと私が思う方々にお声がけをし、有難いことに11名との対談が決まりました。」


「対談の掲載先はログミー社にお願いしました。かつてログミー社の編集者 五十嵐愛さんから、目標管理についてインタビューを受けたことがあったためです。五十嵐さんはご自身のマネジャーとしての実体験から、目標管理に強い問題意識を持っているとのことでした。そのインタビュー記事は非常に多くの人からの反響に繋がりました。今回もご一緒したいとご連絡したところ、とても喜んでくださって全10回の対談連載がスタートしました。(坪谷)」


▼logmi(ログミー)11名との対談 Chapter1~10(2022.08~2023.01)
明確な目標を示さないまま、社員の“主体性任せ”に陥る組織
人事の専門家が説く、「目標管理」でつまずきやすいポイント
一般的なMBOは、低い目標を掲げるほうが高く評価されやすい
目標管理で「負のインセンティブ」が働く理由
KPIマネジメントは「一番弱いところ」に着目すべき
結果を出すための最重要プロセスの決め方
日本にドラッカーの「目標管理」が取り入れられた、切実な理由
不況・リストラからの経営再建を支えた、先駆者たちの悪戦苦闘
「偉業を達成する人」が持っている、才能よりも大事な力
『非常識な成功法則』に学ぶ、夢を叶えるシンプルな方法
リクルートでも「Will」が書けずに悩む人もいる
取り組みたいことに縛られる“Willの神格化”からの脱却
自分の夢すらも“正解っぽいもの”を探そうとする人々
組織と働く人の間で起きている、すれ違いの要因
目標や数字を個人に落としていく必要はない
サイボウズが、離職率28%の悪循環から抜け出せた「成功循環モデル」
「目標管理への向き合い方」で、組織は4タイプに分かれる
多くの人が気づいていない、目指すべきたった1つのタイプ
育った人から引き抜かれる“自転車操業期”を乗り越えて
アカツキ創業メンバーが語る「人材輩出組織」への転換点
目標管理の主人公は、働く1人ひとりである
「対談を進める中で、『目標管理入門』の対象読者は「すべての働く人」にすべきであるということがわかってきました。もともと人事や経営者、現場マネジャーには届けたいと思っていたのですが、それだけでは足りませんでした。目標管理の主人公は、働く1人ひとりであったのです。」
大きな問題は「Self-Control(自律的な貢献)」が抜け落ちていること
「もっとも大きな問題は「Self-Control(自律的な貢献)」が抜け落ちていることだとわかりました。また、OKRという手法の威力をメルカリ社の実践から強く感じました。「組織の主観」をソース原理によってシャープに捉えることができました。そして、どの見識者の方とお話ししていても「対話」の重要性が必ず説かれることも新たな気づきでした。」


「対談を通じて、理論から実践まで、皆さんの知見とともにあらゆる視点で目標管理を考察することができ、新たな気づきと知の深まりともとに『目標管理入門』は結晶化していきました。(坪谷)」
四象限をを目標設定によって統合する 「MOK4シート」が完成!
本書は、読者の皆さんにすぐに実践に繋げていただきやすいように付録のシートも用意しました。


「組織で働くすべての人が、実践することができる状態を目指すため目標設定シート「MOK4」を付録につけることにしました。個の主観「夢」と客観「強み」、組織の主観「使命」と客観「業績」を目標設定によって統合する感覚を、実際に書くことで捉えてもらいたいと考えたのです。(坪谷)」
身近な人の夢から。出版社との新たな取り組みへ
出版社にて目標管理セミナーとMOK4シートを活用した1on1を実施
出版に向けては、著者の坪谷と出版社の編集担当者、そして今回は営業担当者と株式会社壺中天の広報も加わり、どのように価値を届けていくか、各々異なる視点を持ち寄り作戦会議をおこないました。あらためて、本書籍の対象読者は働くすべての人であり、まずは最も身近である、出版関係者の方々にお役立ていただくところから始めることにしました。


「前述のとおり、この『目標管理入門』はすべての働く人に届けるべきだと考えました。そのため、まずは版元であるDiscover21社の営業をはじめとした社内の皆さんに目標管理の本質が体感できるセミナーを実施させていただきました。書店営業としての目標をもっている皆さんが、まずは目標管理の意義を実感し、「この書籍は本当にいいものだ」「広めたい」と個の主観において感じた上で書籍を売って欲しい。そう考えたのです。」


「セミナーも営業のみならず多くの方にとても積極的にご参加いただきました。セミナー後には、希望者に対して書籍付録の目標設定シート「MOK4シート」を活用した個別セッションを実施し、1人ひとりの目標を設定しました。出版社の営業のみなさんは、本や読者への愛やこだわりをもって真摯に向き合っていること、そしてその思いと実際の目標にズレがあり葛藤されていることがわかりました。そしてMOK4シートを使うことで、実際にご自身の夢や強みと今の仕事、そしてDiscover21社の理念をつなげて目標をセットする感覚を掴んでいただきました。書籍『目標管理入門』の価値実感にも繋がり、積極的な営業活動を行っていただくことができました。(坪谷)」
今回の取り組みから、お世話になっている出版社の皆さんへも、体験を通じて本書をお役立ていただけたことは、非常に嬉しい出来事でした。同時に、どのように伝えて届けるとよいか、これまで以上に深く、読者の目線で相談しながら販促を進めることができました。そして、様々な視点で出たアイデアを次々にカタチにしていきました。
いよいよ販売へ ー「この本は日本の目標管理のシーンを変える1冊になる。」 
MBO、OKR、KPIといった目標管理と向き合う働くすべての人へ
こうして細部までこだわりぬいた書籍が、いよいよ発売を迎えました。帯には、ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏から次の言葉をいただきました。
<ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏>


‐ドラッカーが「マネジメントの哲学」と呼んだMBOの神髄をとらえ、OKR、KPIという手法との関係も明快。


この本は日本の目標管理のシーンを変える1冊になる。



3作目ということもあり、シリーズ購読者として出版を心待ちにしてくださる読者も増え、出版直後より次々に感想が届きました。


「会社の目標管理と個人の夢がつながるイメージを持てなかったが、読み進めるうちに今までの目標管理に対する固定観念が砕かれた」


「仕事の目標設定に納得がいかない状況だったが、正しい知識のもと目標設定ができるようになれば、もう少しがんばれる気がした!」


「自分自身が望む働き方に近づくための手がかりになると感じた。やりたいことや目標が見つけられないという人にも参考になると思う。」


「各章のまとめに「マネージャー(管理職)」「メンバー(すべての働く人)」「経営者」「人事担当者」のすべての人に向けたメッセージがある。これは管理職や人事担当のためだけの本ではなくて、主体的に生きていきたいと思うすべての人に向けて書かれた本だと思う。」


「自社の仲間や人事仲間と読み合わせたい一冊です。」


嬉しいことに、読者の声にあるように組織における目線合わせや組織の底上げに本シリーズを活用いただく企業も増えてきています。
この書籍自体が「夢(個の主観)」から始まったスパイラルアップ!
「私は小さいころから本屋さんが好きで、自分の本を本屋さんに並べることが夢でした。『人材マネジメント入門』が出版されたときは、感動して全国の本屋さんを巡りました。そして次は続編をその横に並べたいと考えました。1作目は青を基調とした表紙の本でしたので、2作目の『組織開発入門』は赤い本にしよう、と。その夢も2年後に叶い、さあ次の3作目は黄色だ!と思いました。『目標管理入門』が発売され、赤青黄の3色が店頭に並んだ景色は壮観でした。この書籍自体が「夢(個の主観)」から始まり、それを増幅させて上昇を続けるスパイラルアップだと言えるのではないでしょうか。(坪谷)」


ずっと願っていることがあります。


1人ひとりの“個“が強みを発揮してイキイキ働く、その結果“組織“の業績があがり、世の“使命“を果たしていく・・・ありえない“夢“でしょうか?


私は可能だと考えています。そして目標管理にその鍵がある、と。


坪谷 邦生




本STORYは《前編》として、『図解 目標管理入門』の出版に至った経緯と出版直後についてお伝えしました。《後編》では、本書籍を起点としたその後の展開についてお伝えしていきます。




◆書籍『

【定価】2,970円(税込)【購入】書店および各販売サイトにて

(紙版・Kindle・Audible)


◆プロジェクト「

目標管理の現状の誤解を解き、「真の目標管理」を当たり前にしていくためのプロジェクトです。


◆ニュースリリース
◆坪谷 邦生(つぼたに くにお)
株式会社壺中天 代表取締役
20年以上人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、書籍、人事塾などを通じて企業の人事を支援している。 主な著書に『図解 人材マネジメント入門』(2020)、『図解 組織開発入門』(2022)、『図解 目標管理入門』(2023)、『図解 労務入門』(2024)。 壺中人事塾 塾長、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。
- 人事のプロを目指す有志による研鑽の場【

- 人事の基礎知識をおさえたいすべての人に役立つ【



<文:島居 慶美(しまい よしみ) 株式会社壺中天 広報>

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