お金をかけずとも可能性はある! 車内オーディオの「音をよくする」手軽な方法とは

2024.05.30 10:00
この記事をまとめると
■カーオーディオの音質を手軽に向上させられるプランを提案
■高音質な音の再現には高い解像度と広い音域が必要不可欠
■まずは純正オーディオを活用してシステムを構築するのが初心者にはおすすめだ
高音質な音を作るために必要なこと
  カーオーディオに大きなコストをかけている人はどれくらいいるのでしょうか? 平成初期くらいまでは、カー用品店の一角をオーディオコーナーが占めていた時代もありました。そのころは「クルマ買ったらとりあえずデッキとスピーカー換えるよねー」なんていう意識があったと思います。
  でもいまは純正オーディオのレベルもかなり向上していて、音源もスマホのなかのダウンロードしたデータを再生するという手軽な感覚になっているので、その当時ほどオーディオに対してこだわる度合いが高くないようにも感じます。
  ここではそんなライトな感覚の、「純正よりちょっとオーディオをグレードアップしてみたい」というユーザーに向けた、高コスパの音質向上プランを考えてみたいと思います。
■そもそも高音質ってどんな音?
  音がいいとか悪いとか、その基準はどこにあるでしょう?
  音を数値で表せるのは音程を示す周波数や音量などの音の「状態」であって、音の「質」を表す数字はありません。そもそも音質は計測器や計算で表せるものではなく、感覚で捉えるものなので、伝えるのが難しいんです。
  ただ、いい音の条件を表す基準の項目はいくつかあります。たとえば「解像度」です。音の解像度というのは、音源がどれだけはっきり聞こえるかの基準です。ボーカルの声が、ほかの楽器の音に混じって聞きわけづらいようなオーディオシステムは解像度が低いと表現されます。
  そしてもうひとつの基準は「音域」です。これは、高音と低音がどれだけ広い範囲で発せられるかという基準です。
  いいオーディオというのは、元のソースの音=「原音」をどれだけ再現できるかということが重要で、その再現には「解像度」と「音域」は欠かせない2大要素なのです。そしてその「解像度」と「音域」の広さをオーディオマニアが納得できるような高いレベルに引き上げるには、システム全体で数十万円必要だ、という意見もよく耳にします。
  確かに高性能なアンプやスピーカーといった高価なユニットは「原音」の再現性に力を入れて作られているものなので、「解像度」や「音域」は間違いなく高いレベルにありますが、そのコストを考えると、おいそれと手が出せる金額ではありません。
■要点を押さえてコスパよく音質を向上させるには?
  そもそもクルマの室内という空間は、住宅の自室とは違ってエンジン音や走行音、環境音などいろんな音に囲まれています。そのため、高級なオーディオシステムを組んで音の純度を納得できるまで上げても、その繊細な違いがいろんなノイズのなかでどれだけ聞き取れるのかと考えると、クルマによってはあるレベル以上の注力はムダになってしまうかもしれません。
  そして、一般の人の感覚として、オーディオシステムだけに10万円以上費やすのは現実的といえないでしょう。
  とは言っても、遠出をするときなどに何時間もかかる道中で音楽を流すなら、できるだけいい音で聴きたいと思うのも人情というものでしょう。
  ここからは、できるだけ費用を抑えつつ、なるべくいい音が鳴らせるオーディオシステムを構築するためにはどうすればいいかを考えていきます。
■まずは音域を広げてみる
  低グレードのクルマに標準で装備しているような、コストをかけていない、いちおうステレオ再生ができるレベルの純正のオーディオを想定してみましょう。
  いまどきのクルマのオーディオは、ひと昔前に比べて音質が向上しているので、とくに関心がない人が聴けば「別に不満はないけど?」というレベルにはなっていると感じます。
  しかし、一度しっかり聴き込んでみると、高音は伸びがなく、低音もちょっと物足りないという感想になることでしょう。その原因はスピーカーの能力が足りていないからです。低グレードのオーディオシステムでは、前側のドア下部またはダッシュボードの両脇に左右一対2個の、中くらいサイズのスピーカーしか装着されていません。その一対だけで高音から低音まで受けもっているので、守備範囲が狭くなってしまうのは仕方がないことなのです。
  そこで、スピーカーを一対追加して元のスピーカーの守備範囲を一部受けもたせることで、無理なく音域を広げてやりましょう。
  追加するのは高音域を鳴らす専用の「ツイーター」という小型のスピーカーです。
  スピーカーというのは、大まかにいうとその直径で受けもつ音域が決まってくるものなんです。なので、純正の中サイズのスピーカーでは元々高音を鳴らすのに無理があります。ツイーターは高音域専用の直径が小さいスピーカーなので、これを追加することで1〜2段高音域が広げられます。
  高音域が広がると、これまでは鳴らせていなかった音が聞こえるようになります。たとえばピアノの右のほうの鍵盤の音やシンバルの音、そしていろんな楽器やボーカルから発せられる音の「伸び」の部分が感じられるようになるので、クリアに澄んだ印象が加わって音がよくなったと感じられるでしょう。
  また、スピーカー自体が小さいサイズなので装着場所に困りませんし、価格も抑えられます。
まずは純正オーディオのアップグレードから始めてみる
■音域をわけることで「解像度」を向上させる
  ヘッドユニット(ラジオとアンプが一体になった音を再生する装置)に音域をわけられる機構(ローパスフィルター)が付いていればベストですが、なければ別途「ネットワーク」という装置を使って音域ごとに配線を分岐してやれば、中低音域は純正スピーカーで、高音域は追加したツイーターがそれぞれ得意分野を受けもって音域の守備範囲がよりきっちりとわけられるので、「解像度」も向上できるでしょう。
  ただ単に配線を分岐してツイーターに配線を増やすやり方では、音域自体は広げられますが守備範囲はそれぞれ広いままで鳴らすことになるので、どちらも苦手な音域を抱えながら働くことになり、思ったような効果が得られないでしょう。
  この、スピーカーを効率よく鳴らせるための配線の組み方は少し専門的な知識が必要になりますが、それさえクリアできれば、かなりコスパよく音質の向上が見込めるでしょう。
■コストをかければ確かに音を良くできるけど……
  カーオーディオの分野では、「音質にこだわるなら○○○○はしたほうがいい」という、ちょっとした圧を伴ったアドバイスが飛び交っているように感じます。確かにコストをかければかけるほど音質を向上できるという図式もあるとは思いますが、それは必ずしも万人にオススメできる内容ではないのではないでしょうか。
  よくあるアドバイスの例を挙げてみると……。
<低音を増強するサブウーファーはあったほうがいい>
  スネアドラムやベースなどの重低音を再生するための「サブウーファー」という大径のスピーカーがあります。これを鳴らせれば、身体に響くような重低音が味わえるようになるのですが、これはちょっとコスト面で難アリです。
  スピーカーは大径なほど多くの電力を必要とします。その電力はアンプが供給しますが、16cmを越えるような大径のスピーカーをきっちり動かすには純正のヘッドユニットの能力では難しく、追加で専用のアンプが必要です。アンプとスピーカーが一体になった製品もありますが、それでも数万円はしますので、予算に余裕がなければオススメしません。
<デッドニングはしたほうがいい>
  スピーカーというのは音の信号を振動に換える装置です。そのため大きな音を鳴らすと振動も大きくなります。振動が大きくなると周囲に振動が伝播してドアの鋼板を共振させる可能性があります。この共振=ビビリを防止するために制震材を貼り込むことを「デッドニング」といいます。
  確かにある音量以上になると共振が始まってしまうのは、鋼板で囲まれているクルマの宿命といえます。しかし、常識的な音量で音楽を楽しんでいるレベルでは、いうほどビビリの発生率は高くないと思われるので、一部の大音量好きな人を除いて必要はないといっていいのではないでしょうか。
<純正スピーカーは性能が悪い>
  確かに昔の純正スピーカーは「音が鳴ればOK」というレベルのものもありましたが、少なくとも平成に入って以降は、軽自動車ですら純正スピーカーの性能は捨てたものじゃないというレベルに向上していると感じられます。
  社外の中級以上のスピーカーに換えれば音質を向上できるのも事実ですが、いまでは純正が悪いという印象はなくなってきているので、まずは純正スピーカーを活用してみることをオススメします。
  と、このように「クルマなんだから雑音が多いし、予算的にあんまりコストかけるのもなぁ……」と考えているであろう多くの人には、お金をかけずにちょっとした工夫で音質を向上できる余地がまだまだあるということを知って欲しいです。
  ただし、ちょっと手をかけて効果が実感できると、「もっとよくしたい!」という欲求が生まれてしまうのもまた性(サガ)。結局コストがかかってしまう方向に向かってしまうものですが、まずはいまあるリソースのポテンシャルを引き出してあげることをオススメします。

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