「マスコミは左寄りじゃないか」という不満を持つ方へ――『メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記』本日発売!

2024.05.17 11:00
株式会社新潮社
 社会の「右傾化」を嘆く声が聞こえてくる一方で、マスコミの「左傾化」を批判する声も根強くあります。たしかにマスコミではいわゆる「リベラル」的な言説のほうが目立つ傾向にあるのかもしれません。
 なぜでしょうか。
 元産経新聞記者の著者、三枝玄太郎さんは、学生時代は「心情左翼」だったそうです。しかし、30年近い記者生活を経た今、上の「なぜ」という問いに対して『メディアはなぜ左傾化するのか』の「まえがき」で、このように述べています。

「大学時代から過激な学生運動に身を投じ、メディア業界に進み、そうした人々が幹部になり、採用を担当する立場となり、また新たな人材が供給される。自分たちのイデオロギーの邪魔になるものには、極力、国民の目に触れさせない、という『ドグマ』があるのだ。これが報道機関の果たすべき役割だろうか。右だろうが左だろうが、事実の前には謙虚になるべきではないのだろうか」

 ある時は警察と大喧嘩をし、ある時は誤報に冷や汗をかき、ある時は記者クラブで顰蹙を買い、そしてある時は「産経は右翼」という偏見と闘い……本書は現場を這いずり回った一人の記者の可笑しくも生々しい受難の記録です。
そして、この悪戦苦闘七転八倒前代未聞の回想記は、「メディアはなぜ左傾化するのか」という問いに対する一つの答となっているはずです。
『メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記』(三枝玄太郎・著)は、学者や評論家による「論」ではありません。現場取材にひたすらこだわってきた一人の記者の記録です。しかし、だからこそ「論」にはない「リアル」があります。
 たとえば産経新聞に入社して最初の配属先、静岡支局でのエピソード。
 朝日新聞の同期の男性記者N君も静岡支局には配属されていました。さらに配属から数日後、毎日新聞からもまた新人の女性記者が配属されてきます。
 挨拶にきた彼女と話をしたものの全く弾まなかった三枝さんは、直後、隣のブースからの女性の嬌声を耳にします。
「あっ、Nさんじゃないですか。私、A女子大の学生委員会にいたときから尊敬しておりました」
 まるでアイドルにでも会ったかのような声だったそうです。
 これを聞いて、三枝さんは朝日記者N君のことを思い出します。大学4年生の頃、学費の値上げをめぐり、学生と大学側が「団体交渉」をすることとなった。ただ「交渉」とはいえ、実態は学生委員会の委員長による渉外担当教授に対する「吊るし上げみたいなもの」だった。
「学部長を出せ。お前じゃ話にならない」
朝日のNくんは教授の耳元で怒鳴り上げていた学生委員長その人だったのです。
 彼はその後会社を辞めます。
 それから10年近く経って、三枝さんは偶然Nくんと再会しました。当時、国税担当になった三枝さんは、ある全国的な組織を持つ労働組合が東京国税局査察部に強制調査を受ける現場に出向きます。
建物の外で推移を見守っていたら、出てきたのはNくんでした。
朝日を辞めて、労組の職員になっていたのです。
本書にはこうしたリアルなエピソードが詰まっています。
著者は事件記者として、現場でひたすら「事実」を追い求めます。他社よりも早く、正確に――その過程では数々のトラブルに見舞われ、失敗し、また喧嘩もします。時には誤報に冷や汗をかき、時には「右翼記者」と罵られる。
そんな悪戦苦闘、七転八倒の日々は可笑しくもあります。しかしこの格闘と受難の記録から、「メディアはなぜ左傾化するのか」という問いへの答が見えてくるはずです。


■書籍内容紹介
事件記者になりたい一心で産経新聞に入社した著者は、現場での同業者たちに違和感を抱くようになる。なぜ彼らは特定の勢力や団体に甘いのか。左派メディアは、事実よりもイデオロギーを優先していないか。ある時は警察と大喧嘩をし、ある時は誤報に冷や汗をかき、ある時は記者クラブで顰蹙を買い、そしてある時は「産経は右翼」という偏見と闘い……現場を這いずり回った一人の記者の可笑しくも生々しい受難の記録。


■著者紹介:三枝玄太郎(さいぐさ・げんたろう)
1967年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1991年、産経新聞社入社。警視庁、国税庁、国土交通省などを担当。2019年に退職し、フリーライターに。著書に『十九歳の無念: 須藤正和さんリンチ殺人事件』など。 


■書籍データ
【タイトル】『メディアはなぜ左傾化するのか 産経記者受難記』
【著者名】三枝玄太郎
【発売日】5月17日
【造本】新書版
【本体定価】924円(税込)
【ISBN】978-4106110443
【URL】

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