軽自動車は普通車よりも事故ると危ない……は本当? いまどき軽の安全性能のホント

2024.05.11 11:40
この記事をまとめると
■新車販売の3割以上を占める軽自動車は事故の際の安全性を疑問視されることがある
■1995年から実施されている自動車アセスメントでは軽自動車も高評価を受けている
■今後は自動運転技術が軽自動車に普及させることが課題だ
車体は小さいが安全性は登録車と遜色ない水準まで達している
  軽自動車の新車販売が3割以上を占める今日なお、軽自動車は、より大柄な登録車より危険だと思われているかもしれない。
  逆に言えば、3ナンバー車であることを税制などを含め厭わなくなり、大きなSUV(スポーツ多目的車)人気が高まるなども含めて登録車が肥大傾向にあることによって、軽自動車規格のなかで新車開発される軽が、より頼りなさそうに見えることが助長されているともいえる。
  日本では、1995年から自動車アセスメントが実施されるようになり、新車の安全性能が公的機関によって評価されている。そして、当初の衝突安全性の評価に加え、歩行者保護や予防安全に関わる衝突軽減ブレーキの装備、ペダル踏み間違いでの加速抑制装置など、広範囲な安全性能が評価されるに至っている。
  最高の評価が5つ星で示され、安全なクルマというお墨付きが与えられる。そして5つ星のなかに、軽自動車も含まれている。衝突の衝撃を緩和する空間のゆとりが軽自動車は限られるとはいえ、剛性の高い鋼板を適切に車体構造に採り入れることにより、性能を改善している。
  そのうえで、衝突安全性能を確認するため、自動車メーカーは軽自動車と登録車を衝突させる試験も行っており、乗員保護性能の確認が行われている。
  したがって、安全性という性能評価においては、軽自動車といえども登録車と遜色ない水準に達してきている。
運転支援技術の進化で今後のクルマ社会が大きく変化する
  とはいえ、大きなクルマと軽自動車が衝突すれば、その衝撃は軽自動車のほうが大きくなるのは物理的現実として当然のことだ。ニュートンの運動方程式は、F=maであり、力(F)は、質量(m)に比例して大きくなるからだ。軽自動車と登録車の衝突実験を見学すると、軽自動車のほうが大きく跳ね飛ばされる実態がある。
  しかし、運転支援装置の進化により、衝突の危険性は減っている。衝突しなければ、軽自動車であろうと登録車であろうと、危険性への懸念は大きく減る。
  クルマの安全性向上の歴史は、衝突安全からはじまった。しかし、本筋からすれば、ぶつからないようにすることが第一ではないだろうか。その時代に入ってきている。自動運転も、単にラクに移動できるというだけでなく、自動運転を通じてぶつからないクルマが普及すれば、クルマの大小を問わず安心して乗ることができる。その視点で、自動運転への期待は高い。
  同時にまた、環境負荷を含め、大きなクルマがもてはやされる販売状況も見直しの検討が必要ではないか。電気自動車(EV)は、小さな高級車という価値を手に入れられる。静粛性や乗り心地、加速のよさなど、これまで上級車種でしか得られなかった価値を手に入れることができる。脱二酸化炭素だけでなく、クルマの本質的価値を高められるのがEVなのだ。加えてEVは、自動運転との親和性も高い。
  事故の心配がない安心できる移動手段で、なおかつ快適に気もちよく、また楽しく操れるクルマの価値の追求が、21世紀の新たなクルマ社会を創るのだと思う。

あわせて読みたい

クルマ作りの技術では日本メーカーを超えている!? 中国自動車文化の進化に驚いた!
CARSMEET WEB
「安全性能が最も優れている」と思う国内の自動車メーカーランキング! 2位「スバル」、1位は?
All About
ピングー×珈琲館初コラボ!程よい透け感の大人可愛いクリアバッグ登場
PR TIMES Topics
せっかくの衝突被害軽減ブレーキを切るトラックドライバーもいるって……意味ないじゃん! 乗用車とは違うトラックの安全装備の難しさ
WEB CARTOP
ジーリー・ギャラクシーE5、世界最高基準を突破──時速50km正面センターポール衝突試験に成功、神盾ショートブレードバッテリーが究極の安全性を実証
PR TIMES
【メゾンカカオ】ジェイアール名古屋タカシマヤの夏催事に出店
PR TIMES Topics
日産の中国合弁「現地開発EV」投入で反攻ののろし
東洋経済オンライン
「か、かわいい…」クルマなのに維持費は原チャリ、「110万円の超小型EV」が日本にちょうどいいワケ
ダイヤモンド・オンライン
心と身体をやさしく整えるヨガ体験開催
PR TIMES Topics
全幅1.6mのコンパクトボディに軽快な走りが魅力!ヒョンデのEV車「インスター」は車体の大型化が進む昨今、貴重な存在
&GP
日産マーチ 12c 70th-Ⅱ(FF/4AT)スペシャルティーカーでなくとも
RESENSE
【AKOMEYA TOKYO】、「夏飯」フェア開催
PR TIMES Topics
新型フリード発売1年でシエンタとの勝負は?
東洋経済オンライン
トランプ氏が日本のクルマの安全基準にイチャモン!「ボウリング球テスト」批判がとんだお笑い草なワケ
ダイヤモンド・オンライン
マリンスタイルをテーマにしたクラシカルな雰囲気のローファー発売
PR TIMES Topics
「逆襲のトヨタ」中国での日本車衰退を引き止め
東洋経済オンライン
独VW、中国で共同開発の「ADAS」を新型車に搭載
東洋経済オンライン
希少なきのこと玉緑茶を独自ブレンドした龍舞茶発売
PR TIMES Topics
【新型車】装備充実のクロスオーバーSUV「BYD SEALION 7」、価格495万円から
MADURO ONLINE
韓国ヒョンデのEV「インスター」に試乗して感じた日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」、BYD「ドルフィン」との違い
ダイヤモンド・オンライン