ユニットバスルーム誕生60周年。「きれいで快適な浴室づくりへの取り組み」――お客様のライフスタイルの変化と共に進化を続ける、初代ユニットバスルーム開発秘話と変遷――

2024.04.25 12:00
時は1964年、東京オリンピックの開催の年。高速道路や新幹線、大規模な建造物など、世の中に新しいものが生み出される活気あふれていた時世に、TOTOのユニットバスルームは誕生しました。高度成長期からバブル景気を背景に、日本人の暮らしが大きく変化していく中で、ユニットバスルームも独自の技術力とものづくりの情熱によって、より快適な空間へと進化してきました。


「ユニットバスルーム」と聞くとホテルの浴室を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。じつは現在の日本の住宅において、ユニットバスルームが占める割合は9割を超えています。誕生以来60年を経て、「ユニットバスルーム」という言葉がなかった時代から住宅向け浴室のスタンダードになり浴室文化を築いてきた経緯を聞いていきたいと思います。
三石 聡(みついし さとし)
TOTO株式会社 キッチン・洗面事業部 事業部長
(取材時:浴室事業部 副事業部長)


聞き手:TOTO株式会社 広報部 東京広報グループ 志村佳代子


注記|今回紹介するユニットバスルームはJIS規定によるユニットバスルームを指す
1.必要に迫られて生まれた「ユニットバスルーム」
――初代ユニットバスルームの開発に至った背景から教えてください。


三石: ユニットバスルームの開発に携わった先輩の体験談を交えてお話ししたいと思います。まず背景は、1964年の東京オリンピック開催を控え、国内外からの観客を受け入れるホテルの建設ラッシュが起こりました。多くの客室を備えたホテルが建設されたわけですが、その客室分の浴室が必要となりますよね。そんな中、日本初の大型高層ホテル「ホテルニューオータニ」を建設することになり、「客室1044室に備える浴室を作ってくれないか」とう話が在京拠点に舞い込んできたそうです。当時は建築業界全体がものすごく忙しくて、どこも人手が足りないし、時間も限られている。要は、“大量の浴室を効率よく作らなければならない”。それも外国人宿泊者のために、三点式(トイレと洗面器、バスタブがセットになったタイプ)の浴室を作ってほしいと。


――三点式というのは、今でいうビジネスホテルなどにあるタイプの浴室ですね。浴室開発にあたって、ホテル側からの条件はどのようなものだったのでしょうか。


三石: その当時、日本の浴室はタイル貼りで洗い場がある「在来工法(建築に直接タイル貼りで仕上げる工法)」でしたから、1室あたりの工期は約1ヵ月かかっていました。ですが、ホテル側から求められたのは“1044室を約17ヵ月で完成させる“という「短納期」、それと高層建築に耐えられる「軽量化」でした。加えて、「防水性」と「使う素材」への配慮も条件でした。


――これまでにない浴室を作ることがミッションだったのですね。そもそも何故TOTOに声が掛かったのでしょうか。


三石: 当時のTOTOの主な商材は、陶器製の便器と洗面ボウル、FRP(繊維強化プラスチック)製のバスタブ、蛇口やシャワーといった水栓金具で、ちょうど三点式のバスルームを作るのに必要な部材を製造販売していたため、声が掛かったようです。ただ、それらの部材はあっても浴室として成り立たせるための部材(床・壁・天井)はありませんし、浴室という空間を完成させるノウハウも持っていませんので、初めて尽くしのチャレンジでした。プロジェクトメンバーは当時、「とんでもない話だ」と愚痴をこぼしていたようです(笑)。


――プロジェクトには、どのようなメンバーが集められたのでしょうか。


三石: まず検討段階には30代前半の技術者2名が、その後サポート役として2名が集められて4名体制でプロジェクトが始動します。使う素材の検討から、部材や機器類の選択、付属設備を含む総合的なデザイン設計、それら膨大な要件の検証など、昼夜問わず「やることは山のよう」だったそうです。


――初めて尽くしのプロジェクトで、やることは山のようにある。その中で一番の苦労は、どのようなことだったのでしょうか。


三石: なにしろ三点式のお風呂なんて日本にはほとんどない時代ですから、入浴文化そのものが異なるものを創造する難しさ、軽量と言われてもどの位でどんな材料を使うか、防水性と品質の担保をどのように両立させるか、すべてを「限られた時間の中で、自分たちで考えながら作り上げていくことが大変だった」と言っていました。


――たしかに、自分たちの知らない文化のものを作らなければならない。大変なミッションでしたね。


三石: 当然、苦労もあったと思いますが、一方でそういった開発に内心ワクワクしたと思います。「誰もやったことがない課題を与えてくれたからユニットバスルームは実現した。ホテルニューオータニは大きな教室だった」としみじみと振り返っていました。


――そんな苦労の結果生み出した初代ユニットバスルームの一番のポイントは何だったのでしょうか。


三石: 部材を工場で製造し、現場で組み立てる建築方法である「プレハブ工法」を参考に、独自の「セミキュービック方式」を開発したことですね!
「セミキュービック方式」の組み立て手順(一部抜粋)
① 防水パンの上に腰下フレームを設置
② 腰下フレームの上に上部壁フレームと天井を設置
③ 壁パネル、ドア、器具類を取り付け完成


 その結果、従来1ヵ月かかっていた1台あたりの工期を、ユニットの据え付けから器具取付までをわずか2時間に抑えることができたんです!セミキュービック方式は、浴室を上下半分のユニットに分け、器具や給排水管を組み込んだ腰下フレームと上部壁フレームをそれぞれ工場で組み立て、現場で合体させるという方式です。メリットは、半分の状態でトラックの荷台に乗せて搬入するので、運搬効率のよさと搬入のしやすさです。
左上:工場での製造風景
左下:工場から現場へ、トラックで運搬
右:クレーンを使って上階に搬入


――日本の浴室は在来工法しかなかった訳ですから、ユニットバスルームの誕生で建築そのものが変わったと言えますね。


三石: 常識が変わりましたね。カッコよく言うと“エポックメイキング”。これはTOTOだけで実現したことではなくて、建築業者さんと設備業者さんとTOTOの3者が熱い想いを共有して、共に創り上げた賜物だと思っています。


――世の中になかったものを創った、まさに“イノベーション”ですね!
ホテルニューオータニに納入したユニットバスルーム(1964年)


注記|大成建設株式会社、株式会社西原衛生工業所の協力のもと納入


三石: ホテルニューオータニ竣工のあと、建築業界では大きな反響があって、おかげさまで次々と依頼が舞い込んできました。建築業者さんから“これはいい!浴室丸ごとTOTOがやってくれるから現場の手が助かる”といった具合に、ホテルや高級レジデンスといった大型物件での需要が高まりました。


――うれしい反響ですね。ただ工場の中は大変なことになったのではないでしょうか。


三石: 当時は現場ごとのオーダーメイドで対応していましたので、それは大変だったと思います。でも、建築業界に限らず、それまでなかったものが生み出されることが当たり前の時代でしたからね(笑)。
2.オーダーメイドから「規格化」へ
――ユニットバスルームは、ホテル向けから住宅向けへと発展していきます。住宅向け第一号として、1966年(昭和41年)に集合住宅向けユニットバスルーム「UB-S1」を発売していますが、どのような経緯で生まれたのでしょうか。


三石: 時代は高度成長期。日本中が住宅不足状態で、公団住宅をはじめとした集合住宅の建築ラッシュが続いていました。建築が追い付かないという、東京オリンピック前夜と同じような状況となり、住宅向けのユニットバスルームという需要が生まれました。そこで開発したのが「UB-S1」でした。


 幅600mmを基本モジュールとして部材サイズを規格化して組み合わせることで、現場ごとに異なる寸法に対応できるようにした商品です。規格化した部材は搬入がしやすく、内組(内側から組み立てる)構造を取り入れたことで組立性に優れ、工期の短縮にもなるので好都合でした。
集合住宅向けユニットバスルーム「UB-S1」(1966年)


――住宅向けということで新たに取り組んだことはありますか。


三石: それは何といっても「量産」です。それまでFRP浴槽は、ハンドレイアップ成形といって一点一点手作業で製造していたのですが、規格化によって作り置きができるようになりました。さらに、大量注文への安定供給を行うために「油圧式FRPプレス機」を導入し、生産量がなんと150倍に向上!プレス成型(金型による製造)なので、品質の安定にもつながりました。
「油圧式FRPプレス機」の導入(1973年)
3.北海道でブレイク!?
――続いて、戸建住宅向けユニットバスルーム「KBシリーズ」(1977年発売)は、北海道でブレイクしたようですが、どのような理由からでしょうか。


三石: 集合住宅とは別の流れで、北海道にはユニットバスルームが好都合な理由が2つありました。一つは「工期」。積雪で冬場は建築工事ができないので、冬以外の季節に効率よく工事をしたいという需要。もう一つは、北海道は寒いから「断熱性が高いお風呂が欲しいという要望」があった。それらのニーズには、ユニットバスルームが最適だったのです!現場で組み立てるだけのプレハブ工法なので、限られた時期に集中的に工事ができる。さらに建築躯体から切り離された箱型の空間なので、在来工法のお風呂よりも寒くない。そういった理由で北海道でブレイクしたのです。
左:戸建住宅向けユニットバスルーム「KB シリーズ」(1977年)
右:トラックで搬入、設置までの過程を解説するイラスト(当時のカタログより)


――北海道で支持を得たユニットバスルームが、その後一気に全国へと広がっていったのですね。


三石: 実際はそうではありませんでした。じわっと、だんだんとだったようです(笑)。集合住宅と違って戸建住宅の場合、お風呂は一現場に一つしかありませんよね。ですから短い工期で効率よくという要望は特に起こらない。北海道のように冬場に工事できないとか、特別な断熱性が欲しいという要望がない地域では、それほど広まらなかったのです。


 文化としても、お風呂は「汗を流す場所」くらいの感覚でしたから、家を建てる大工さんが作ってくれるもので、お風呂に求めるものも今ほど多くなかったのだと思います。


――では、どのようなきっかけで広まっていったのでしょう。


三石: 広まり始めたきっかけは、1970年代の終盤から、ハウスメーカー各社によるプレハブ住宅(規格化された戸建住宅)が増えてきたことでした。プレハブ住宅を構成するさまざまな部材に“規格化“の波が生まれて、そこにユニットバスルームがばっちりはまったのです。


 1986年にはTOTOの浴室製造を担うグループ会社「千葉TOTO」を設立。TOTOの他にも多くのメーカーが市場参入してきて、この頃から「ユニット化率」という指標で呼ばれるほど全国に普及し始めたんだと思います。
4.「ユニットバスルーム」から「システムバスルーム」へ
――満を持して投入した戸建て住宅向け「フローピアシリーズ」(1988年発売)から、呼び名を「システムバスルーム」に変えていますよね。


三石: 私は1989年入社で、まさに開発の最前線にいたのですが、「フローピアシリーズ」は、お客様の声から生まれた商品なんです。これまでのように規格化したものの量産ではなく、お客様ごとに異なる嗜好を叶えるために、床・壁の色柄や素材、器具をオーダーメイド感覚で選べるようにバリエーションを増やしました。そして名称でも、規格化から一歩進んだ感覚を表すために「システムバスルーム」としたのです。
左:システムバスルーム「フローピアシリーズ」(1988 年)
右:カラー・部材一覧表(当時のカタログより抜粋)


 システムバスルームの呼び名には、在来工法に比べて“ユニットバスルームは自由度が低い、というイメージを脱却したい”という気持ちがありました。もちろんそれだけでなく、実際にデザイン性にもこだわり、多彩なバリエーションを揃えることで応えました。


――バリエーションを増やすということは、管理面でも大変だったのではないでしょうか。


三石: バリエーションを増やして、かつ効率よく作らなければならない。そのために工場では生産を自動化するために、生産管理面だけでなくお客様への提案ツールなどに、当時としては珍しいデジタルを活用して「システム化」を図りました。呼び名だけでなく、商品を取り巻くすべてを変化させて実現した訳です。
5.競争によって進化していく、より快適な浴室づくり
――フローピアシリーズの進化形「NEWフローピアシリーズ」(1993年発売)が登場しますね。


三石: このシリーズの特長は大きく2つあって、1つは、選べるアイテムやバリエーションをさらに増やしたことです。壁柄にはタイル素材や人工大理石の大型パネルを追加し、デザイン性を向上させた。より快適に過ごせるようにと、テレビやオーディオ、演出照明、ブローバス(ジェットバス)、ミストサウナ‥といった嗜好性の高い付加価値機能のバリエーションを増やして、グレードアップを求めるお客様のニーズに応えました。
左:システムバスルーム「NEW フローピアシリーズ」(1993 年)
右:オーディオシステム、ブローバスの紹介(当時のカタログより抜粋)


 2つめは、自由で多彩なプランニングを簡単に行えるシステムを開発したこと。選べるアイテムごとに「セレクト記号」を付けて、本体品番とセットで選択することで、膨大な品番の中から自動的に欲しい商品が選定される仕組みです。これによりお客様への提案から発注業務までをスピーディーかつ正確に行えるようになったのです。


 この頃になると、戸建住宅もマンションもどんどん注文が増えていき、1995年には「ユニット化率50%」を超えるほど普及してきました。需要そのものが増えていますから、競合メーカー同士が切磋琢磨してとにかく頑張っていた時代ですね。
「セレクトシステム」が導入された当時のカタログ(青字が「セレクト記号」)


――こだわりや高級志向のお客様が増えてきたのでしょうか。


三石: まだバブルの名残があって、ラインアップがハイスペックでしたね(笑)。とにかくお客様のご要望に応えたいという気持ちで企画していましたから。当時、企業スローガンを「浴室向上会社TOTO」と掲げていて、色々な意味ですべてを向上させよう!という勢いがありました。


――競合メーカーとの差別化という点では、どのような取り組みがあったのでしょうか。


三石: 市場が成熟していく中で、ユニットバスルームに対するお客様からの要求が高まってきて、各メーカーが挙って新たな機能開発に取り組みました。TOTOは「ものづくり」に対してこだわりの強い会社ですから、ものづくりへの“情熱”と“独自技術”を結集させて、今では「業界スタンダード」となった機能「カラリ床」や「魔法びん浴槽」などがこの頃開発されています。
「カラリ床」(2001年~)
独自の排水パターンによって乾きやすい床。
翌朝のお手入れ時には床が濡れていないのでくつ下でも入ることができる。
「魔法びん浴槽」(2004年~)
浴槽を丸ごと断熱材で包むことで冷めにくい浴槽。
6時間経っても2℃しか下がらないので、追い焚き回数を減らせる。
*「魔法びん浴槽」はTOTOの登録商標
6.ユニットバスルームは、リフォームに最適です!
――業界スタンダードは、組立者向けにも独自の進化を遂げていますよね。
「マンション用リモデルバスルーム」(2002年発売)とは、どのような商品でしょうか。


三石: マンションのリフォームを行うには2つ押さえるポイントがあります。まず、新築現場と違って「四方を壁で囲まれた狭い空間」で防水パンや浴槽を取り替えなければなりません。もう一つは「工事にかけられる時間」です。リフォームはお客様が家に住んでいる中で工事するので、少しでも早く終わらせなければなりません。いかに短く、早く終わらせられるか。ポイントを整理すると「狭い空間で、手早く」。この状況に対応すべく開発したのが「床大型点検口」です。お客様にとっては直接関係ないけれど、じつは組立者にとって救世主のようなアイテムだったんです!
「床大型点検口」(2002年~)
洗い場の床が点検口を塞ぐフタになる構造。
搬入から組立、配管作業まで、大きな穴を利用してスムーズに行うことが可能。


――床に「穴」を開けるという発想は、常識では考えにくいのですが・・・


三石: そこが肝です!常識に囚われない発想こそ、ものづくりでは大事なことだと思います。業界初として生まれた「床大型点検口」は、現在の最新機種にも受け継がれています。


――斬新なアイディアが続々と生まれて進化していますね。


三石: そうですね。2002年にグループ会社の社名「千葉TOTO」を「TOTOバスクリエイト」へ変更したのですが、――“バスクリエイト”って聞いたときはちょっと恥ずかしいなと思ったけど(笑)。ただ、当たり前と言われたことでさえ覆して、まだ世の中にないものを創ってきた。“クリエイティブな浴室開発を行う会社です!”と、今は胸を張って言えます。
TOTOバスクリエイト 本社・佐倉工場(1987年竣工)


 何よりユニットバスルームそのものが「日本初」ですから、新しいものを生み出す“開発魂”というのが大きくありますね。お客様のために浴室の快適性を考え続けるということを60年間ずっと続けています!
7.思い描いていた「未来」が実現している!?
――今から10年前、ユニットバスルーム誕生50周年の際に自身が掲げた「未来」が実現していますね。
三石氏がユニットバスルーム誕生50周年の際に掲げた展望
(記者発表スライドより抜粋)


三石: 実現したこともあるけれど、解決すべき課題は尽きません。例えば、“お風呂掃除”の手間を減らすために、清掃性のよい床や浴槽の素材を進化させましたし、床を自動で洗浄する「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」や「おそうじ浴槽」を作りました。それでもお掃除がゼロになった訳ではありません。毎日の掃除を週一回にはできたけど、まだ掃除していますよね。これはやっぱり月一回くらいにしたいですね。
「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」(2018年~)
TOTO独自技術「きれい除菌水」を床全体に噴霧し、床掃除の頻度や負担を軽減する。


 “スマホを持ち込んでゆっくりする”ということで言えば、「ファーストクラス浴槽」「ゆるリラ浴槽」といったリラックスできる浴槽や、肩や腰を心地よく刺激する「楽湯 RAKU-YU」のように、一人の時間を過ごす浴室でバスタイムの質の向上を進めてきました。ただ、それで終わりとは考えていません。
「楽湯 RAKU-YU 肩楽湯(かたらくゆ)」(2018年~)
幅広で大容量のお湯であたたまる。
背中を包み込む、人間工学を応用した形状の「ファーストクラス浴槽」(2018年~)で身も心もリラックス。


 これまでずっとやり続けていますが、“過去の自分たちの技術の否定“と新たな創造は、永遠に追求し続けなければならないことだと考えています。将来の方向性をキーワードで言うと、「作り方」「運び方」「組み立て方」です。工場での作り方(製造)ではオートメーション化を、運び方(物流)と組み立て方(施工)については、まさに社会的課題にもなっている人手不足に対応するために、さらに進化させていかなければならないと考えています。もともとユニットバスルームは、1964年当時の社会からの要請をもとに生み出した商品ですし、その部分をさらに磨いていくのは当然のことと思っています。


――浴室の使い方や過ごし方は、これからも変わっていくと思いますか。


三石:自分だけの時間をゆっくり過ごすということで、「使う浴室」から「過ごす浴室」みたいな言い方をしますが、もう皆さんが当たり前のようにやっていますよね。そんな過ごす空間としての浴室の進化という点では、「美容」や「健康」という要素が出てくると考えられますよね。浴室は生活の中でおそらく確実に裸になった自分と向き合う時間になるからこそ、自分の体のコンディション作りやケアへの観点で関心は今後も高くなると感じています。


――リラックスやリフレッシュの、その先みたいな感じですね。


三石: そうなりますね。リラックスやリフレッシュは「心」の部分で、美容や健康は「体」にあたるものと思います。心と体はつながっていて、浴室はそのどちらにも密接していて、心と体をどちらも解放なり整えたりする大事な空間と言えます。TOTO商品の中でも一番その部分を求められる商品ですし、進化させる課題だと思っています。
システムバスルーム「SYNLA(シンラ)」(2018年~)
『上質で心休まる穏やかな時間をすごす』
リラックスを追求した先進機能を堪能できるバスルーム。


――次の節目、10年後に向けた想いをお聞かせください。


三石: 50周年の節目に、ユニットバスルーム誕生に携わった先輩開発マンは「やること全てが初めてだった。デザインと機能を組み合わせることが何より難しかった」と振り返りました。そして私は「防水性と品質、デザインと機能を組み合わせることを考え続けることは、これからも変わりません」と表明しました。未来に向けた開発への想いは、10年経った今も考え続けていて、“変わらない”ということが結論です。


――TOTOのものづくりの根幹は変わらない、ということですね。


三石: 真の部分は変わらない。でも、その上にある商品は進化していく。お客様や社会の変化を捉えて、さらに新しいことを、さらにデザインとテクノロジーを融合させて、これからも変わらない想いで進化を続けていきたいと思います。
取材:TOTOバスクリエイト 佐倉工場にて(2024年3月某日)


――ありがとうございました。

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