駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している

2024.04.24 11:40
この記事をまとめると
■高速道路のSA・PAでは、駐車枠不足などの問題が深刻化している
■乗用車と大型車兼用の駐車枠の整備や、大型車専用の予約できる駐車枠が整備されている
■「ミニPA」と呼ばれる施設の整備や水素ステーションの普及も始まりつつある
SA・PAは常に進化中だった
  全国の高速道路には、SA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)が合わせて852カ所あります。道路を管轄する各社では、つねに現状と利用者の要望の把握に努め、改善をはかっていますが、近年はインターネットショッピングなどに影響によって、大型車の高速道路利用台数が大幅に増加。2005年から2020年までで約15万台も増加しており、慢性的に駐車マスの不足が問題となっています。また、トラックドライバーの働き方改革に向け、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用となるなど、大型車の駐車そのものにも変化が起こり始めています。
  さらに、一般車両においては電動化の波が徐々に大きくなりつつあり、とくにBEVやFCVが長距離を走る上では充電や充填のための休憩が必要。そうした設備を整えたり、速やかな駐車のために満空情報が早めに確認できるようにするなど、さらなる改善が求められています。
  そんななか、すでに進められている改善策がありますのでご紹介したいと思います。
  まずは大型車だけでなく一般車両にも起こっている、慢性的な駐車マス不足。令和5年2月現在のデータでは、大型車で平日はSA・PA全体の約5〜7割で駐車マス不足が起こっており、休日では約1〜2割が不足。一般車両では、平日・休日ともに約1〜2割のSA・PAで駐車マス不足が起こっているとのこと。この状況を改善するために、大型車と一般車両(小型車)の駐車マスを「兼用化」する動きが進んでいます。
  通常は駐車枠が白線のみで示されていますが、もう1本ブルーのラインが引かれている駐車マスが、兼用マス。まだ見慣れないかもしれませんが、この枠は大型車なら1台分、小型車なら縦に2台分の駐車マスとなるため、なるべく先に小型車1台が駐車している方に、続けて駐車するようにすると大型車が残りの兼用マスを使うことができて効率的な駐車が可能となります。
  また、最近高速道路なのに道の駅の看板を見かけた、という人もいるかもしれませんが、これも駐車マス不足解消のための工夫のひとつ。ETC2.0を搭載していることが条件となりますが、SA/PAの施設間隔がおおむね25km以上空いている区間を対象に、スマートICなどから2km圏内にある道の駅への一時退出をOKとし、指定時間(おおむね2時間)以内に戻れば高速道路を降りなかったのと同じ料金で通行できるようにしているのです。長距離割引などがある場合は、それも継続できるので助かりますね。
待望の水素ステーションもSAに登場!
  続いて、2021年4月1日から、確実に駐車したい人のための「予約可能な駐車マス」があるのをご存知ですか? これは、足柄SA(上り)と浜松いなさインターチェンジの路外スペースに設けられたものですが、残念ながら一般車両ではなく、ダブル連結トラック用の駐車マスの話です。じつは2019年1月に特殊車両通行許可基準が緩和されたことを受けて、NEXCO3社ではダブル連結トラック用の駐車マスの整備を行ってきたところ、自分勝手にそれ以外の車両が駐車してしまい、ダブル連結トラックの駐車ができないという問題が発生。
  そこで、確実に駐車できるよう、事前予約ができるようにしたとのこと。まだ一般車両には適用されていませんが、「休日の混雑時などは一般車両の駐車マスも予約制にしてもいいのではないか?」という議論が持ち上がっているようなので、将来的には一般車両も事前予約ができるようになり、駐車待ちの行列が減るかもしれませんね。
  さらに、大型車においてはSA・PAの新しい利用方法が生まれているところもあります。これはドライバーの働き方改革を進めるためにもひと役買っていますが、スマートICが設置された新東名高速道路の浜松SAに中継物流拠点である「コネクトエリア浜松」が整備され、運用を開始しています。
  長距離輸送の大型車は、大阪方面から来た車両と、東京方面から来た車両がここで落ち合い、ドライバー交代をしたり、トレーラーやベッドを交換することが可能となるもの。従来ならドライバーの拘束時間は2〜3日必要だったところ、コネクトエリア浜松を利用することで日帰りが可能となり、約12時間程度に短縮できるとのこと。路面の平坦性を確保し、照明完備で夜間でも作業が可能というのも嬉しいところですね。
  さて、一般車両向けの改善策としては、より精度の高い満空情報の提供があげられます。現在は、SA/PA内に設置したカメラからの画像データを処理して、混雑状況を把握しているほか、フリーフローアンテナを設置することでそこから得られるETCデータを活用した満空判定技術も導入されています。
  それに加えて今後は、赤外線レーザーなどを使った先進の画像処理技術を活用して、全駐車マスの利用状況を完全に把握し、よりきめ細かな満空情報の提供が可能となっていくとのこと。ETC2.0はもちろん、スマホアプリでの情報提供も行い、ユーザーが確実に駐車できるような環境づくりを整えていくようです。
  また、高速道路上の余っているスペースを活用し、「ミニPA」を整備していくことも検討されています。これは数台の駐車マスとトイレがある程度のものになりそうですが、渋滞時など切羽詰まった時にはそれだけでも助かるものですね。
  そしてもうひとつ、2023年9月15日に、高速道路に初めて水素ステーションがオープンしました。これは東名高速道路の足柄SA(下り)で、一般車両だけでなく大型車にも短時間で充填が可能とのこと。航続距離の長さがウリのひとつであるFCVですが、やはり500km以上の走行は不安が伴うものでした。でも今後は、足柄で充填できるようになったことで、さらに先へと目的地を伸ばすことができるのではないでしょうか。
  ということで、さまざまな時代の変化に合わせて変わりゆくSA・PA。今後もあっと驚くようなサービスが登場するかもしれませんね。

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