こんなデザイン「日本じゃ作れない!」と思ったら日本人の作品だった! 奥山清行氏が描いた「KODコード61バードケージ」のデザインセンスに脱帽

2024.04.16 17:30
この記事をまとめると
■2023年にケン・オクヤマ・デザインが「コード61バードケージ」を発表した
■コード61バードケージは、2005年に発表された「バードケージ75th」を進化させたワンオフモデル
■スペックが明かされていないコード61バードケージだが、FRトランスアクスルレイアウトであることだけが発表されている
ピニンファリーナでフェラーリもマセラティも手がけた奥山清行氏
  ヨーロッパでもっとも高い格式と伝統を誇るともいわれる「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」。毎年イタリアのコモ湖畔にあるヴィラ・デステをメイン会場に開催されるこのコンクール・デレガンスでは、クラシックカーマニアを唸らせる至高のモデルの姿を見ることができるが、同時にコンセプトカークラスとしてエントリーする自動車メーカーやカロッツェリアが誇る最新のモデルもまた、大きな見どころとなっている。
  2023年に、このコンセプトカークラスで日本のカロッツェリアとしては初めて、その最新モデルを世界初披露したのが、デザイナーの奥山清行氏が率いるケン・オクヤマ・デザイン(KOD)だ。
  奥山氏は、アメリカのゼネラルモータースではチーフデザイナーを、またポルシェではシニアデザイナーとして多くの作品を残したあと、1995年にイタリアの名門カロッツェリア、ピニンファリーナへと入社。1998年にはチーフデザイナーに抜擢され、フェラーリのエンツォや612スカリエッティなどのモデルを、2006年に退職するまでの間に残している。
  その奥山氏が、ピニンファリーナ時代にもうひとつ携わった有名な作品が、マセラティが1959年から1961年にかけて、ル・マン24時間などを含むスポーツカーレースに参戦するプライベーターのために製作、販売したティーポ60/61。その緻密なフレーム構造から通称バードケージと呼ばれたモデルの現代版コンセプトカーでもあり、またピニンファリーナの創立75周年を記念したアニバーサリーモデルでもあった2005年発表の「バードケージ75th」だった。
  あのマセラティMC12のカーボンファイバー製モノコックを使用し、710馬力の最高出力を誇るやはりマセラティ製V型12気筒エンジンをミッドシップ。ドアを兼ねるバブルキャノピーを採用するなどの斬新なアイディアで大きな話題を呼んだことは記憶に新しいところだ。
久々のワンオフモデルは自らの過去作品をオマージュ
  ピニンファリーナを退職した奥山氏は、日本やロサンゼルスをベースに個人事務所を設立し、再びカロッツェリアとしての仕事をスタートする。
  2008年には早くもファーストモデルとして、のちにワンオフモデルとなる「コード7」をジュネーブショーで発表。その後も「コード8」、「コード9」、「同スパイダー」、「コード57」、「コード0」等々のモデルを積極的に製作。ちなみにコード57はフェラーリの599が、コード0はランボルギーニのアヴェンタドールがベースとなっていたため、KODの注目度は新型車が登場するたびに高まっていった。
  今回紹介する「コード61バードケージ」は、前で触れたピニンファリーナ時代のバードケージ75thの進化型ともいえるモデルで、その基本構造体はもちろん前作同様スチールパイプを細かく組み合わせたパイプフレーム(バードケージ)。
  ボディパネルはこちらも軽量なCDRP製パネルで成型されており、そのデザインは前後が強く絞り込まれ、またフロントフェンダーのボリュームを強調するために、さまざまな造形の工夫を見せているのが特徴だ。
  いかにもイタリアの伝統的なオープンスポーツ、バルケッタが受け継いできたシルエットらしく、フロントウインドウはコンパクトな格納式に、そしてサイドウインドウも存在しない。ドアは上方に向かって跳ね上がるデザインだ。
  ホワイトのボディカラーに鮮やかなブルーのセンターストライプでペイントされたコード61バードケージのキャビンは、そのブルーのセンターストライプのパネルによって左右に分割されたツインコクピット。センタートンネルの周囲やサイドシルの内側などには、そのフレーム構造の一部を見ることもできる。
  KODからは、このコード61バードケージに関するスペックは発表されていないが、バードケージ75thでミッドシップだった基本設計は、FRトランスアクスルレイアウトに変更されていることが発表されている。
  コード61バードケージの販売は、ごく少数のみが行われる見込みだが、あるいはそれはこれまでのKODの作品のように、ワンオフモデルとなる可能性も高い。スーパースポーツとしてのパフォーマンスはもちろんのこと、自動車の世界におけるオートクチュールともいえる、究極の存在たるワンオフモデル。その価値は限りなく大きい。

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