相棒のマスタング! さっきまで普通に走ってたのになんでATレバーが動かんの!? 【ドラマチックな愛車との別れ まるも亜希子編】

2024.04.14 17:20
この記事をまとめると
■自動車ライターたちが体験した衝撃的な別れ方をした思い出の愛車を紹介
■まるも亜希子さんは旅行先で気に入った5代目フォード・マスタングを愛車として所有していた
■運よく故障知らずだったが、車検後から調子が悪くなり、最終的には不動となった
独立後に憧れのマスタングをゲット!
  大学卒業とともに初めての海外旅行でアメリカのL.Aへ行ったときに、当時現地で大流行していたのが5代目のフォード・マスタングでした。キラキラと光る海辺の道を、マッチョな大男が楽しそうに運転している姿や、金髪の女性が颯爽と乗りこなしている姿を見て、ひと目惚れ。「いつか私も、このマスタングに乗りたい」と憧れながら帰国したのでした。
  でも、当時は入社したのが欧州のクルマ記事をメインに扱うTipoという雑誌の編集部だったので、アメ車はちょっと別モノという感じでなかなか手に入れることができず……(いやホントは、いま考えるとありえないくらい給料が激安だったので買えなかったというのが正しい)。
  そんなこんなでようやく手に入れることができたのは、ひと目惚れから10年が経過し、フリーのカーライフ・ジャーナリストとして独立したころでした。当時はV8が欲しかったけど、中古でもすんごい高くて手が出ず、結果的にはV6モデルに落ち着きました。
※写真はV8エンジン
  ボディカラーはホワイトで、ほぼノーマルの外観はちょっとヤレかけてたけど、一見するとゴツくて強面なのに、どこかフレンドリーさがあるところがお気に入り。ふかふかしたモケットのシートは座り心地がいいし、おおらかな大排気量エンジンも好調でした。
  マスタングというと、いまでいうオラオラ系なんじゃないかとか、肉食系のスポーツカーなんじゃないか、というイメージが強いかもしれないんですが、実際にどこへ行くにもマスタングに乗ってみると、ぜんぜん違うということに気がつきました。
  たとえば高速道路を普通に走っていても、見た目が怖いからか勝手に前走車がどんどん車線変更していって道をあけてくれちゃうんですが、その期待に応えようとアクセルを踏んでもOHVエンジンはジワーっとしか加速しない。一拍おいてようやくブーンと速度がのってくる感じで、いつも心のなかで「せっかく退いてくれたのにスミマセン」と謝りながら走っていました。
  その点、クルージング中のゆったりとした、まるで大船に乗っているような癒しの乗り味はたまらない魅力。「さすが、1日に数百km走ることなんて当たり前のアメリカ生まれだなぁ」と、スケールの大きさを感じさせてくれました。
不幸の連続! お別れは突然に……
  そんな蜜月が2年ほど続いたでしょうか。「アメ車は壊れる」といろんな人に脅されていたのに、奇跡的に(?)うちのマスタングはノントラブルで、オイル交換など基本的なメンテナンスを自分でやっていれば、問題なく走ってくれていたのですが……。
  きっかけは車検でした。某ガソリンスタンドで扱っていた車検プログラムに申し込み、マスタングを1日預けました。するとなぜか、戻ってきたときにリヤフェンダーあたりにあったはずのアンテナがなくなっていたんです。最初は気がつかなくて、数日後にラジオを聴こうとしたら何度やってもザザザという雑音しか流れてこないので、「なんだろう?」と思って点検したところ、手動の伸縮式となっていたアンテナがごっそり抜けてしまっているのを発見。
  もちろん、すぐさまガソリンスタンドに行って、どういうことなのか問い合わせたのですが、担当者がいないだの、確認するから少し待てだの、挙げ句の果てには最初から付いてなかったんじゃないか、などといわれ、まったく取り合ってくれなかったんですね。
  で、そうこうしていたら今度は助手席側のパワーウインドウがヘンな動きをするようになるという事態が発生。開くことは開くのですが、ガコッガコッガガガみたいな動きなのです。左ハンドルだったので、マックのドライブスルーなんかは助手席(右側)の窓を開けて受け取るわけですね。これはちょっと恥ずかしかったなぁ。
  そして……その日はやってきました。いつものように師匠を乗せて仕事に出かけ、箱根へ。天気もよく、颯爽とワインディングを駆け抜けてくれたマスタング。東京へと戻り、師匠を自宅まで送り届け、さぁガソリンでも入れてから帰宅しよう。そう思って自宅に近いガソリンスタンドに立ち寄ったのです。給油を終え、エンジンをかけてATのレバーをDに入れ……ようとしてもビクともしないではないですか。「えっ、どうして?」と焦った私はエンジンを一度切り、再始動させてもう一度レバーに手をかけたのですが、やっぱり動かず。
  何度やってもレバーが動くことはなく、知り合いの修理工場に救援を頼んでレッカーしてもらいました。後日、原因を調べてもらったところ、残念ながらAT本体が壊れているようだとのこと。修理するには、同じATを取り寄せて載せ替えるしかなく、それには高額な修理代が必要とのことで、マスタングはこれを機に泣く泣く手放すことになってしまったのです。
  こんなに急に、こんなにあっけなくお別れがやってくるなんて。私にとって初めてのアメ車の相棒となってくれたマスタングは、アメ車のおおらかさ、強さ、懐の深さといった魅力を存分に教えてくれた、いまでも大好きな1台です。
  しばらくして、引き取ってくれたガレージから連絡があり、なんと台湾の人がMTに載せ替えてドリフト車にするんだといって買って行ったよというからビックリ。どこかで、かっこいいドリ車に生まれ変わったのかもしれないと思うと、それはそれでなんか「いいな」と思えたことが幸せでした。

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