「ラリーとドリフトのドライビングはすべてが違うが経験は役に立つ」 FDJ開幕戦でWRC王者ロバンペラに直撃インタビュー!!

2024.04.11 19:50
この記事をまとめると
■2024年のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンが4月6〜7日に富士スピードウェイで開幕
■2022〜2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラ選手が初戦から参戦した
■ラリーとドリフトの違いやマシンのフィーリングなどを直撃した
WRCチャンピオンが早くも日本で大暴れ!
  2024年のFDJ(フォーミュラ・ドリフト・ジャパンが4月6〜7日、富士スピードウェイで開幕し、既報のとおり、ファイナルで小橋正典選手との一騎打ちを制した高橋和己選手が大会3連覇を達成した。しかし、それ以上に今大会で注目を集めていたのが、2022〜2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラ選手だ。
  ロバンペラ選手はラリー競技の最高峰シリーズのWRCで活躍するほか、ドリフト競技でも活躍しており、2022年にはドリフトマスターズ・ヨーロッパで躍進。さらに、2023年にはフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第2戦のエビスでデビューウインを飾ると、第6戦の岡山で2位に入賞したことは記憶に新しい。
  そのロバンペラ選手はWRC第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」でシーズン初優勝を獲得すると、その勢いのままFDJ開幕戦の富士に登場。6日の予選ではハイスコアをマークし、堂々の2位で予選を突破したほか、7日の決勝でもTOP32で朱元路選手を破り、TOP16にコマを進めていた。
  残念ながら草場佑介選手と対戦したTOP16では追走で離され、TOP8への進出は果たせなかったが、それでも多くのファンがWRCドライバーの迫力あるファイトを満喫したことだろう。
  そんなラリー競技およびドリフト競技で活躍するロバンペラ選手を富士の会場で直撃。まずは6日の予選終了後、2位で決勝進出を果たしたロバンペラ選手にラリーおよびドリフトにまつわる話を聞いてみた。
  ——今日(4月6日)の予選はどうでしたか?
 ロバンペラ選手:いつものように興味深い1日だったよ。
  ——このコース(富士)はどうですか?
 ロバンペラ選手:シンプルに見えるけど、それほど簡単ではないね。本当に速いコースで、最初のコーナーが速いのに、その後のコーナーはテクニカルで、大きな角度でドリフトするのは簡単ではないから特定のセットアップが必要になってくる。
  ——昨年の岡山からセッティングを変えたんですか?
 ロバンペラ選手:かなり変えたよ。フロントのジオメトリーを変更したのでウエットコンディションでよくなってきた。ドライでは大きな違いはないけれど、少なくともウエットでは改善されたよ。
  ——昨年の岡山のときのように、明日(4月7日)の決勝も雨が降る可能性がありますが、いかがですか?
 ロバンペラ選手:昨年の岡山での雨は調子があまりよくなかったからね。クルマに大きな角度をつけるのは簡単ではなかった。だから、今回の修正は雨のときに役立つことになると思う。
  ——エンジンパワーもアップしたんですか?
 ロバンペラ選手:予選の1回目の走行では少しパワーが落ちていたけど、2回目はよくなっていてパワーがあった。このコースはグリップが高いから、コーナーから抜け出すためには多くのパワーが必要になるよ。
  ——ラリーのターマックタイヤとドリフトのタイヤは似ていますか? 何か違いがありますか?
 ロバンペラ選手:あまり似てないよ。ドリフトで使用するタイヤはセミスリックで、かなりグリップを得ることができる。ドリフトはクルマを滑らせることだと誰もが思っているけれど、ドリフトさせるためにはグリップ力が必要で、多くのパワーが必要になる。そのために私たちはタイヤとシャシーから可能な限りグリップを引き出そうとしているし、速く走らせようとしている。グリップがしっかりしているとドリフトするのは簡単ではないから、それが難しいところだね。
優勝は逃すも次戦へ向けた気合は充分
  ——ラリーとドリフトでドライビングに違いはありますか?
 ロバンペラ選手:説明するのは難しいけれど、すべて違うかな。ラリーではときどきドリフトしていることもあるけれど、クルマは四輪駆動で、各ラウンドで可能な限り速く走ろうとしている。もちろん、ドリフトでも速く走りたいと思っているけれど、こっちはスムースである必要があって、ステアリングや大きな角度修正がないようにスムースに見える必要がある。
  それでも、どちらの競技もクルマを小さな箱にいれるような正確さが必要で、クルマをどこに置いているのかを把握する必要がある。コーナーのチャンスは1回だけど、常に正しい場所にヒットする必要があるところはラリーもドリフトも似ているね。
  ——ラリーの経験がドリフトにも役に立っていますか?
 ロバンペラ選手:ラリーの経験はドリフトに適応するのに役に立っているよ。あらゆる種類のドライビングが、レースカーに乗って限界で走っているときに役立つと思う。それは逆も同じで、ドリフトで新しい限界を見つけたときはラリーカーでも役に立つと思う。
  ——でも、ドリフトは1分以内の競技ですよね。ラリーはもっと長いと思いますが、ドライビングの取り組み方や心構えに違いはありますか?
 ロバンペラ選手:ラリーは木曜日から日曜日まで集中する必要があるからね。間違いが許される余地がないから難しい。でも、ドリフトも30秒で勝負が決まるし、そこでもミスは許されないから、違う意味で難しいかな。
  ——ドリフトマスターズ・ヨーロッパにも出場していますが、スピード重視のヨーロッパの競技に対して日本のFDJは大きな違いがありますか?
 ロバンペラ選手:ヨーロッパは精密なドライビングをする選手が多いけど、日本はスタイル重視、アクション重視で、本当に素敵なスタイルでドライビングしているドライバーが多い。それにドライバーごとにドライビングのスタイルが違うところもいいと思う。FDJのドライバーは必ずしも正確という訳ではないけれど、彼らは懸命にプッシュしているから日本は素晴らしい。ドライビングのアプローチが違うから、それに近づいて背後でキープすることは本当に難しいよ。
  こうして4月7日の決勝に挑んだロバンペラ選手は、前述のとおり、トップ32で朱元路選手との一騎打ちを制覇。しかし、トップ16では草場佑介選手との追走で引き離されてしまい、惜しくもトーナメントで敗退することとなった。
  ——今日(4月7日)のトップ32とトップ16について振り返ってもらえますか?
 ロバンペラ選手:トップ32はまぁまぁだった。すべてがうまくいったから満足しているよ。でも、トップ16ではチームメイトのクサバ(草場佑介)が速いことを知っていたからね。簡単ではないことはわかっていた。トップ16のリードランは本当によかったけれど、そのあとすぐ、彼と戦うには自分に十分なグリップがないことに気づいたし、それが最大の問題だった。ベストを尽くしたけれど、グリップがなくて追いつけなかった。クサバも本当にうまく運転していたよね。
  ——グリップが足りなかったのは路面温度の問題ですか? それともタイヤの特性ですか?
 ロバンペラ選手:いろいろあると思う。クサバのGR86に対して自分のGRカローラはフロントの重量が重いから、GR86のほうがリヤタイヤに重量を乗せやすいと思う。それに僕が装着していたヨコハマと彼が装着していたブリヂストンでタイヤの違いもあったと思う。
  ——日本でドリフト競技に参戦したのは、これで3戦目ですよね。ロバンペラ選手に多くの日本のドライバーが衝撃を受け、あなたのドライビングに合わせようとしていますが、そういった変化を感じますか?
 ロバンペラ選手:確かにクルマがより速くなっているよね。私たちがよりよくなるように努力してきたし、ほかのドライバーおよびチームも同じようにしていることは嬉しいね。
  ——今回は悔しいリザルトだったと思いますので、リベンジが必要ですよね?
 ロバンペラ選手:もちろん、リベンジしたい。富士に来る前は高速コースで難しいけれど、自分たちのマシンが最速だと期待していたし、実際にそうだったと思う。それにマシンをもっと改善できるかどうか確認する必要もあるので、予定はまだ決まってないけれど、またチャレンジしたいね。
  このように今大会では残念なリザルトに終わったが、そのドライビングは迫力満点で、ファンにとっては記憶に残る1戦となったに違いない。

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