【最後の挑戦】難病ALSを解明する細胞解析装置の実用化に向け研究費を集めたい!

2024.03.22 03:39
ALSなど神経難病の原因解明に欠かせない、細胞活動の解析装置の実用化に向けた挑戦です。これまで3度挑戦し約1000名の方から約1500万円ものご支援をいただきました。最大の技術課題に解決の目途が立ち、特許を申請し論文を執筆する準備が整ったため、来年度の実用化を念頭に最後のプロジェクトに挑みます。
はじめまして。株式会社ナノルスの宇理須(うりす)恒雄と申します。この度は私の研究に興味を持っていただき誠にありがとうございます。私は2018年に「ALS発症のメカニズムを解明する、細胞活動の解析装置」の試作プロジェクトを、2020年春、2021年冬にも実用化に向けたプロジェクトを実施いたしました。
おかげさまで、これまでに約1000名の方から約1500万円ものご支援をいただき、細胞の解析装置のプロトタイプが完成したばかりか、研究の有用性を確認し、実用化に向けて大きな後押しをいただきました。ご支援いただいた方、ご協力いただいた方、その節は本当にありがとうございました。
この3年間、研究の傍ら、展示会への出展や講演を通して研究成果やその可能性について周知を図ってきました。日本のみならず、世界の研究者や企業から期待の声を寄せていただいています。
そして、特許を申請する関係で詳細は控えますが、この度、最大の技術課題に解決の見通しをつけることができました。論文の執筆にも着手ができます。研究を始めてから15年。いよいよ実用化が目の前に迫っています。度重なるお願いで恐縮ですが、最後のご支援のほどよろしくおねがいいたします。
はじめましての方のために、あらためて装置の必要性や私が開発するに至った経緯をご説明いたします。専門的な話になり恐縮ですが、ご一読いただけますと幸いです。
<プロフィール>宇理須 恒雄自然科学研究機構・分子科学研究所 名誉教授
1973年東京大学理学系大学院化学科修了・理学博士。日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所研究員。1983年日本電信電話(株)LSI研究所研究員・グループリーダー。1992年自然科学研究機構分子科学研究所教授。2011年名古屋大学革新ナノバイオデバイス研究センター特任教授。2015年名古屋大学グリーンモビリティ連携研究センター客員教授。2016年名古屋大学未来社会創造機構客員教授。2020年2月株式会社ナノルス設立。
※研究分野、実績、特許などの詳細は文末に記載しております。
幼い頃から興味を持つとトコトンのめり込む性質だった私は、22歳のときに研究者を志します。以来、約50年。研究者生活を振り返ると、量子力学、相対性理論、レーザーの開発、光検出器の開発、表面科学の基礎研究、さらには病気(神経変性疾患)の研究と、多くの研究者がある特定の分野を追究するなかで、思いもかけず非常に広範な学問分野を渡り歩いてまいりました。
転機となったのは2011年。親しくしていた方がALSに罹患。その原因解明と治療法開発の研究を懇願されたことを機に、私はこの研究を開始いたしました。しかし残念ながら、その方に成果をご報告することはできませんでした。彼の遺志を実現するためにも、このプロジェクトを成功させ、装置の開発、そして発症原因の解明を急ぎたいと思います。ご遺族の方々にもお会いしましたが、その深い悲しみに触れ、こんな思いをする方を一人でも減らしたいと研究への想いを強くしました。
ALSの原因解明の研究には、私の50年の研究経験がすべて役立っており、なにか運命のようなものを感じます。この研究をするために、これまでの広範な分野での研究があったように思うのです。また、さまざまな分野の第一人者や権威と呼ばれる多くの方々との出会いにも恵まれています。この出会いとご協力に感謝し、全力で現在の課題に取り組む所存です。
2018年に「ALS発症のメカニズムを解明する、細胞活動の解析装置」の試作プロジェクトを、2020年春、2021年冬にも実用化に向けたプロジェクトを実施いたしました。
その背景には、国からの資金援助が2020年3月31日で終了し名古屋大学で研究をつづけることが資金的に困難な状況となったことがあります。しかし、ALS患者の方、そしてご遺族の方の想いに応えるためには、なんとしても研究を継続させなければいけません。そのために、2020年2月5日にはベンチャー企業『ナノルス』を立ち上げました。
現在は皆さんからのご支援のおかげで細胞の解析装置のプロトタイプが完成。実用化に向けて最大の技術課題の解決に目途が立ったところです。
そこで、最後となる4度目のクラウドファンディングに挑戦することにいたしました。度重なるお願いで恐縮ですが、ご支援のほどよろしくおねがいいたします。
ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis /筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える「運動ニューロン(運動神経細胞)」が侵される、難病のひとつに指定されている病気です。数年前に話題になった「アイス・バケツ・チャレンジ」で注目が集まりました。
発症すると全身の筋力が低下し、歩くことも話すこともままならなくなり、呼吸に必要な神経も障害され、発症から3〜5年で自力での呼吸が困難となるため、人工呼吸器による補助が必要となります。しかし、知覚神経や自律神経は侵されないため、五感や記憶、知性を司る神経は正常のまま。つまり、意識や感覚がはっきりしているにも関わらず、顔にとまった虫を手ではらうこともできなければ、大切な人を抱きしめることもできなくなるのです。
10万人に1人が発症すると言われ、現在、日本には約8300人前後、世界には約12万人の患者さんがいます。ALSは脳の運動神経細胞が何らかの形で損傷して発症するとされていますが、原因は解明されていません。 
ALSの病態を明瞭に示す計測法が無いことが、原因解明が困難となっている理由と考えています。私の知る限り、ピペットパッチクランプという手法(図1)で、ALSの患者さんと健常者の神経細胞で、イオンチャンネル電流に明瞭な差が観測されているのが唯一のデータではないかと考えます(図2)。このような明瞭な違いはALSだけではなく、多くの神経難病で、ピペットパッチクランプで、患者と健常者の間での明瞭な違いが観測されています。
多くの神経難病での原因解明の困難さは、病態が非常に複雑なため計測法が無いことにあるように思います。 ALSを例にとりますと、病態に関連することがわかっている遺伝子は、未発見の物も含めると数百近くあると推定されていますが、そのうちの一つ、例えば、TDP48という遺伝子についても、数十の突然変異があることがわかっております(図3)。
すなわち、全部で数千から一万近くの病態があるわけです。 さらに解析を困難にしているのは、神経細胞ネットワーク自体が非常に複雑なことです(図4)。ピペットパッチクランプは1点しか測定できないので、神経細胞ネットワークのどれか一つの細胞でイオンチャンネル電流を測定しただけで数千の病態のどれかを特定するのは不可能なわけです。
解明するために必要なものは、2つ。ひとつは、生きた患部のサンプルです。実際の患者さんから採取するわけにはいきませんが、これはiPS細胞の登場によって解決されつつあります。そして、もうひとつ今回のプロジェクトで実用化を目指す「細胞の解析装置」なのです。
神経細胞ネットワーク上の多数の細胞について、同時にイオンチャンネル電流の測定と、遺伝子の解析を行うことにより、患者の病態を特定できるのではないかと考え、プレーナーパッチクランプという技術を開発しています。
平坦な基板に多数のピペット構造を形成したものです(図5)。開発中の装置は遺伝子解析の機能は持っていませんが、フロンテイアバイオシステムズ社が単一細胞の遺伝子解析装置を開発しており、一緒に販売することになっております。
現在、展示用試作機を製造した段階で、このクラウドファンデイングの資金を活用し、残る技術課題を解決し、2024年度内に製品化を達成し、ALSなどの神経難病の原因解明の研究への応用研究をスタートする予定です。
一個の細胞を計測できる装置は、すでにあります。しかし、脳とは無数かつ多種類な神経細胞ネットワークでできている、非常に複雑なもの。ALSをはじめ神経系の難病というのは、その複雑なネットワーク上に遺伝子の変異など発症の原因と、情報を伝達するスイッチの破損などの結果が網目(あみめ)上に分布しており、さらに、その分布は個人個人で異なるため、発症のメカニズムを解明するためには、複数の細胞を同時に解析する必要があるのです。
開発中の解析装置は、4個の細胞を同時に計測できる技術。5年後までに計測点を100から数百個に増やしていきたいと考えています。(技術の詳細はホームページ:神経難病制圧基金を参照ください。)
大学や国からお金を工面できないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。当然のことと思います。しかし、私は正規の教授は約8年前に退いておりますし、国の補助金を申請するにも「若い研究者を支援する」という主旨の補助金が多く、78歳という年齢がネックになっているのです。ご支援いただいたお金は、細胞の解析装置の実用化に向け、製作費と研究費に充てさせていただきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。どうしても専門的な話になってしまうため、わかりづらいと思われる点もあったのではないでしょうか。それでもこうして最後までお読みいただけたことを、心から御礼申し上げます。
ALSをはじめとする神経系の難病の解決は、人類にとっておよそ150年にわたる悲願です。プロジェクトの回数を重ねるたび、一歩ずつ解明に近づいていることを確信しています。最後となる今回のプロジェクトの達成は、発症のメカニズムの解明に向け、そして治療や新薬の開発に向けて大きな一歩となるはずです。
装置が完成した暁には、装置を製造・販売するとともに、原因解明に向けて今度は患者の方それぞれの脳を育てるという研究に従事したいと考えています。再三にわたるお願いで恐縮ですが、ぜひ、もう一押しの支援をお願いいたします。
5,000円:
研究の進捗状況を報告するナノルス通信をメール配布(~年2回)。
長尾義明氏(ALS患者、日本ALS協会初代会長)の絵葉書3枚1組を送付。
10,000円:
研究の進捗状況を報告するナノルス通信を配布(~年2回)
長尾義明氏(ALS患者、日本ALS協会初代会長)の絵葉書3枚1組を送付。研究所を案内し研究の進捗を紹介
30,000円:限定180名
研究の進捗状況を報告するナノルス通信を配布(~年2回)
長尾義明氏(ALS患者、日本ALS協会初代会長)の絵葉書3枚1組を送付。研究所を案内し研究の進捗を紹介
2024年秋開催予定の第17回ナノメデイシン国際会議(会場:名古屋工業大学を予定)で研究成果を報告し、謝辞にお名前を記載。
50,000円:限定10名
研究の進捗状況を報告するナノルス通信を配布(~年2回)
長尾義明氏(ALS患者、日本ALS協会初代会長)の絵葉書3枚1組を送付。
研究所を案内し研究の進捗を紹介
2024年秋開催予定の第17回ナノメデイシン国際会議(会場:名古屋工業大学を予定)で研究成果を報告し、謝辞にお名前を記載。
1年以内に発表予定の国際論文誌の謝辞にお名前を記載。
100,000円:限定10名
研究の進捗状況を報告するナノルス通信を配布(~年2回)
長尾義明氏(ALS患者、日本ALS協会初代会長)の絵葉書3枚1組を送付。
研究所を案内し研究の進捗を紹介
2024年秋開催予定の第17回ナノメデイシン国際会議(会場:名古屋工業大学を予定)で研究成果を報告し、謝辞にお名前を記載。
私自身が指定の場所に行き、研究成果を講演。
3月上旬 プロジェクト開始
3月下旬 プロジェクト終了
4月下旬 リターン、随時発送
※上記はあくまでも予定のスケジュールです。
研究の進捗状況により変更になる可能性があることをご了承ください。
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宇理須恒雄が渡り歩いた研究分野
分子構造学(1968-1973)、半導体レーザー開発(1973-1975)、光増幅器開発(1975-1977)、液晶テレビ開発(1977-1978)、高速光検出器開発(1978-1980)、光ヘテロダイン検出技術開発(1980-1981), フェムト秒光パルス発生技術開発(!981-1983)、シリコン半導体微細加工技術開発(1983-1992)、 シリコン半導体の表面科学(1992-2007)、アルツハイマー病の機構解明(2007-2010)、 ALSの原因解明のためのハイスループット診断装置の開発(2010- 現在)
詳細はホームページ(http://nidfund.com/)を参照ください。
1.「レーザー発振で、雑音のお陰で、非常に短い光パルスが安定に存在する」ことを証明(1983)。2.真空紫外光による半導体の新しいナノ加工技術を発明(1988)3.アルツハイマー病において、脳にアミロイド凝集体の形成機構を新たに解明 (2010)。4.神経・精神難病の原因解明と創薬のための新解析装置を発明(2014)。
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◎国際特許(PCT出願)
1.「プレーナーパッチクランプ装置、該装置用電極部及び細胞イオンチャンネル電流計測方法」独立行政法人科学技術振興機構出願、PCT/JP2012/081556 発明者 宇理須恒雄、Wang Zhihong, 宇野秀隆、Obuliraju Senthil Kumar, 長岡靖崇
2.「神経細胞ネットワークの形成およびその利用、並びに神経細胞播種デバイス」、独立行政法人科学技術振興機構出願、PCT/JP2013/057976, 発明者:宇理須恒雄、、ワンツーホン、長岡靖崇、西藤美穂
3. 「プレーナーパッチクランプ装置およびプレーナーパッチクランプシステム」独立行政法人科学技術振興機構出願、PCT/JP2014/072808, 発明者:宇理須恒雄、、ワンツーホン、宇野秀隆、長岡靖崇、小林 啓
4. 「細胞播種培養装置」 独立行政法人科学技術振興機構出願, PCT/JP2015/051905, 発明者:宇理須恒雄、ワンツーホン、宇野秀隆、長岡靖崇
◎国内特許
1、「マイクロバルブを有するマイクロ流路デバイス」、 特願2013-228299、 出願日2013年11月1日、 発明者 佐藤嗣紀、 宇理須恒雄、 宇野秀隆、 権利者 株式会社不二越、 国立大学法人名古屋大学
2、「細胞光応答制御用基板、細胞光応答制御装置、細胞光応答検出装置、細胞光応答制御方法および細胞光応答検出方法」 特願2009-079411,出願日2009年3月27日、発明者 宇理須恒雄、宇野秀隆、浅野豪文 権利者 大学共同利用機関法人自然科学研究機構、
3.「パッチクランプ素子用基板、平面基板型パッチクランプ素子および細胞イオンチャンネル活性測定方法」 特願2008-046145、出願日平成20年2月27日、発明者 宇理須恒雄、宇野秀隆、浅野豪文 権利者 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
4.「細胞内容物の回収方法および回収装置」、特願2017-160962、 出願日:2017年8月24日、発明者: 高村禅、宇理須恒雄、石垣診祐、宇野秀隆、 権利者:名古屋大学、北陸先端科学技術大学院大学。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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