自動車メーカーが純正採用する高級オーディオってどんな特徴がある? 元プロミュージシャンが徹底解説!

2024.03.17 11:40
この記事をまとめると
■純正オーディオに採用されているハイエンドブランドを紹介
■各メーカーはそれぞれのクルマ専用にオーディオを開発している
■マツダの一部車種に関しては純正オーディオもかなりこだわっているのが特徴だ
ミュージシャンが語る純正採用の一流オーディオメーカーたち
  自宅でオーディオシステムを組み上げ、いい音で音楽を聴ける環境にいる人は稀ではないだろうか。かつて、筆者がプロミュージシャンだった時代には自宅‎にちょっとしたオーディオ視聴用スペース、簡易スタジオスペースを持っていたのだけれど、いまではそれは叶わず、自宅で音楽を聴く際はブルートゥース接続のサウンドバー(TV用)、Hi-Res Audio搭載のPCスピーカーやスマホ+イヤフォンというのが現実だ。
※かつての自宅スタジオスペース。奥にはJBLのモニター
  しかし、家でのリスニング環境が整っていなくても、プライベートなスペースでいい音で音楽を聴くことはできる。それが車内空間である。ただし、クルマに標準搭載される純正オーディオはコスト重視のものがほとんどで、ラジオを聴く程度ならまったく問題ないものの、音楽ファンがいい音で音楽を聴くには物足りない(例外あり。後述)。
  標準搭載のオーディオで満足している人もいるだろうが、一度、コストがかけられた高級オーディオメーカーのプレミアムサウンドシステムを体験すれば、その違いに驚き、車内が上質なリスニングルームになることを実感できるだろう。
  具体的には、音の広がり、ボーカルの定位、サウンドのクリアさと厚み、ベース(低音)のキレと締まりなどが異なり、圧倒的な音のよさに感動すら覚えるかも知れない。もちろん、防音設備の整った本格的なリスニング環境で聴くのとでは、走行する車内は走行ノイズなどによって不利なのは当然だが、それすらもノイズキャンセリングシステム、車速連動ボリュームコントロールなどで、ある程度は改善できるシステムもあるのだ。
  車載される高級オーディオメーカーのプレミアムオーディオブランドとしてBOSE、JBLなら多くの人が聞いたことがある、知っている……はずだが、そのほかにも世界的なプレミアムオーディオブランドが車内用のシステムを用意している。例えば、マークレビンソン、ハーマンカードン、ディナウディオ、フォーカル、ロックフォードフォズゲートなどだ。
  では、改めて標準搭載のオーディオとプレミアムオーディオサウンドシステムとの違いを説明すると、すでに述べたように、コストのかけ方がまったく違う。プレミアムオーディオサウンドシステムは、車両と同時開発され、車種専用のベストな設計にはスピーカーのマウント方法、専用アンプ、専門家による音のチューニングなどが含まれるとともに、スピーカーに使われる磁石やコイルなどの性能も遥か上になる。
  かつて、キャデラックのBOSEサウンドシステムの取材で、マサチューセッツ州のBOSE本社を訪れ、開発中のキャデラックBOSEサウンドシステムについて現車で説明を受けたことがあるのだが、ドアマウントスピーカーの場合、ドア内部構造がBOSE専用となっていて、いわゆるデッドニングまで施されているこだわりに驚かされたものだ。だから大音量でも、ビビリなど出ないのである。
  ここからは、そんなプレミアムサウンドシステムの主要メーカーと対応車種について紹介したい。
●BOSE(ボーズ)
  ボーズはマサチューセッツ工科大学のボーズ博士が自身の研究によって製品化した、主にスピーカーを扱うプレミアムオーディオブランドだ。ライブ会場の901シリーズ、カフェの天井にある101シリーズのスピーカーを目にしたこともあるだろう。
  ボーズは1980年代初めにすでに世界初の車種専用プレミアムサウンドシステムをリリース。現在はホンダ、マツダ、日産、三菱、キャデラック、ポルシェ、ルノーなどが純正採用している。繊細でクリアな高音、自然なボーカルを忠実再現する中音、そしてリッチでパワー感のある低音の再現性の素晴らしさで世界的に知られているが、とくに豊かな低音のキレ、締まりに定評があり、まるでコンサートホールにいるかのような音場再現も大きな特徴となる。
  ちなみに、現行シビックだけでも右/左ハンドル、ファブリック/レザーシート、ハッチバック/セダンといったバリエーションによって、シビックの世界市場全体で見れば13種類の専用チューニングが施されているのだから音作りは徹底している。
  日産ノートオーラでは、フロントシートのヘッドレストに内蔵した60mmの小型スピーカー( 1席につき2基)を用いたパーソナルプラスサウンドシステムを国産コンパクトカーに初採用。360°音に包まれているようなサウンドを8スピーカーで実現している。
●JBL(ジェービーエル)
  ジェームス B ランシングにより1946年に設立されたアメリカの老舗スピーカーブランドがJBL。家庭用オーディオから映画館、コンサートホール、スタジオなど幅広い分野で定評があり、たとえば松任谷由実さんのコンサート会場でもJBLのスピーカーが無数に使われていたりする。
  現在、同グループのマークレビンソンのカーオーディオもJBLから供給されている。開発中の車両で専用アンプからスピーカーに送る音のチューニングまでを行っている車載例では、トヨタのアルファード、bZ4X、ミライなどが挙げられる。
プレミアムサウンドメーカー製のオーディオは別格!
●Harman/Kardon(ハーマンカードン)
  ハーマンカードンはアメリカのスタンフォード、コネチカット州で1953年設立された最先端オーディオ技術と洗練されたデザインで名をはせるブランドであり、ダイナミックなサウンドが特徴。ラグジュアリーで彫刻的なスピーカーでも有名で、なかでも「Sound Sticks」は、MoMAの永久コレクションにもなっているほど。
  自動車用プレミアムサウンドシステムの純正採用例ではスバルを始め、マセラティ、アルファロメオ、クライスラー、スバル、VW、BMW、ミニ、ボルボ、ルノーなどに及ぶ。
  面白いのは、トヨタbZ4Xとスバル・ソルテラの兄弟車が、それぞれJBL、ハーマンガードンを採用していること。実際に同日、同場所でbZ4Xとソルテラのプレミアムサウンドシステムを比較視聴したのだが、筆者の好みは、とくに低音の聴かせ方でハーマンガードンのほうだった(※音の好みは人それぞれで、優劣ではない)。
  なお、筆者がホームオーディオ、カーオーディオの試聴用に長年用いているのは、リッキー・ピーターソンの「SMILE BLUE」というアルバムの1曲、「What You Won’t Do For Love」。これは、かつて某、日本のトップシンガーソングライターのコンサート会場で、大物プロデューサーが音響を確認するために使われていたトラックでもあり、使われている楽器の多さ、こだわりあるステレオ感、ワイドレンジ、強いアタックなど、コンサート会場の音場を創り上げるのに最適な曲である(と、プロデューサー本人に聞いた)。
  じつはその曲、下手なカーオーディオでは、録音されているすべての楽器が聴こえてこない、あるいはステレオ感が伝わりにくいという意地悪な曲でもあって、だから筆者自身の基準試聴曲として重宝しているのである。
●Mark Levinson マークレビンソン
  1972年に設立された、ハイエンドオーディオの世界で知らない人はいないアメリカのハイエンドオーディオブランドが、マークレビンソン。プロオーディオのプリアンプがそのスタートで、以来、ホーム用のハイエンドオーディオとしても確固たる地位を築いてきた。2001年にはレクサスとの協業を発表。レクサス車のプレミアムサウンドシステムを担うことになった。
  このほかにも、1925年にデンマークで創業した高級オーディオブランドのBang & Olufsen/バング&オルフセン(アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、アキュラなどが採用)、フランスに本拠を置く、家庭用およびマルチメディア用のスピーカー、自動車用オーディオシステム、レコーディングスタジオ用のモニタースピーカー、ヘッドフォンを生産しているFOCAL/フォーカル(プジョーなどに採用)、大迫力のドンシャリサウンドでも定評あるアメリカの音響機器メーカーのrockford fosgate/ロックフォードフォズゲート(先代アウトランダーに採用)など、さまざまな車載用プレミアムサウンドシステムメーカーがある。
  ちなみに現在、筆者が車内で聴いているプレミアムサウンドシステムは、VWの一部車種にOP採用されていた1977年創業のデンマークの高級スピーカーメーカーのDynaudio/ディナウディオだ。
  プレミアムサウンドシステムの実力を自身の愛車で身をもって体感したのは、同じ車種の標準スピーカー搭載車(2014年型VWゴルフ7ヴァリアントハイライン)から、Dynaudio/ディナウディオプレミアムサウンドシステムをOP装着した同型車(2020年型VWゴルフ7.5ヴァリアントハイライン マイスター プレミアムサウンドシステム”DYNAUDIO”パッケージ装着車)に乗り換えたときだ。
  CD、SDカードを介した音源はもちろん、ラジオから流れてくる言葉、音楽もまた、まったく異なって聴こえてくる。例のリッキー・ピーターソンの音源で視聴したのだが、総出力400W、10チャンネル、9スピーカーの構成で、ラゲッジルームの下にサブウーハーが搭載されていることもあって、音のダイナミックさ、繊細さ、音の広がり、高音、中音、低音のそれぞれの聴こえ方のバランスは見事。すべての音源の輪郭がはっきりしていて、ボーカルはまるですぐ目の前で歌っているようだし、ギターやベースの奏者の指で弦をなぞる様さえ再現してくれるのだから、音楽好きにはたまらない。Dynaudio/ディナウディオを装備したクルマを手に入れてからは、わが家の理想的リスニングルームは車内になったのである。
  さて、冒頭で、音楽ファンがいい音で音楽を聴くには、標準装備の純正オーディオシステムでは物足りないはずだ(例外あり。後述)と記したが、例外あり、というのは、マツダがMAZDA3で採用したMazda Harmonic Acoustics(マツダ・ハーモニック・アコースティックス)と呼ばれる純正カーオーディオのこと。
  DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)の導入から、アンプ、3リットルの容量を持つカウルサイドスピーカー(CX-60は4.8リットル)に代表されるスピーカーの取り付け位置にまでこだわった、マツダ渾身の純正カーオーディオなのである。ダイナミックレンジの拡大で、追加料金なしの純正カーオーディオとは思えない音のよさを創り出している例もあるということだ。
  最後に、プレミアムサウンドシステムのメリットついて。それは、車種専用に開発、チューニングされ、アンプ、スピーカーにコストをかけていることから、車種ベストな音を、新車時からまったく手を入れずに楽しめることに尽きる。クルマのなかでいい音で音楽を聴きたい……という音楽好きの要望を、もっとも手軽に叶えてくれる方法が、プレミアムサウンドシステム装着車を手に入れることだ。
  当然、多くの場合、OPとなり、それなりの出費は必要だが、家でハイエンドホームオーディオを揃えるよりはリーズナブルだろうし、そもそも家にリスニングルームがないのであれば、いまのわが家もそうだが、車載プレミアムサウンドシステムの選択は大いに価値あるものだと考える。結果、クルマに乗る楽しみ、ドライブする楽しみの幅が(渋滞時を含め)大きく広がるはずである。

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