なぜ英国貴族は現代まで生き残ることができたのか――その秘密を書き尽くした『教養としてのイギリス貴族入門』本日発売!

2024.03.18 11:00
株式会社新潮社
イギリス研究の第一人者が明かす、驚くべき生存戦略!

イギリス政治外交史の第一人者である君塚直隆氏が、様々な英国貴族たちを取り上げ、その成り立ちから現代に至るまでの歴史を紐解く『教養としてのイギリス貴族入門』を3月18日、新潮社より刊行いたします。
■たくましく、したたかに!英国貴族の生存戦略とは
イギリス貴族と聞いてあなたは何を想像しますか? 広大な敷地を持つカントリーハウスでの気ままな暮らし。社交界シーズンにはロンドンのマナーハウスでパーティーを愉しむ姿、人気ドラマ『ダウントン・アビー』のようなイメージでしょうか。
確かに、そのような大貴族は未だに存在しますが、昔に比べるとその数は大きく減っています。二度の世界大戦とその間に施行された「法外な」相続税によって、貴族の多くは一気に没落してしまったのです。
それでもイギリスにはいまだに世界で唯一の「貴族院」が残っており、貴族たちが及ぼす影響力は、政治、経済、社会、文化など相変わらず多様な分野に及びます。
 近隣国で革命の風が吹き荒れるなか、イギリス貴族はなぜ生き残ることができたのでしょうか。そのヒントは「ノブレス・オブリージュ」に隠されていました。本書は、英国研究の第一人者が貴族史を紐解きながら、したたかにしぶとく、その存在感を示すイギリス貴族の歴史と現状を書いた一冊です。


■目次
第一章 イギリス貴族の源流と伝統
貴族の誕生  イングランド貴族の起源  五つの爵位の登場(公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵)  ジェントリの存在  序列に厳しい貴族社会 《コラムI》貴族のたしなみ――狩猟と釣り

第二章 歴史の担い手としてのイギリス貴族
議会政治の支配者として  外交と帝国の中枢として  イギリス経済の牽引役として
地域社会の要として  文化の発信者として  《コラムII》貴族の季節――ロンドンでの社交界

第三章 栄枯盛衰のイギリス貴族史

デヴォンシャ公爵家
有名哲学者ホッブズを家庭教師に  「清教徒革命」のさなかに亡命  「名誉革命」で公爵家へ  首相に就任した第四代公爵  奔放な夫婦生活を送った五代公  チャッツワース・ハウスに造られた巨大温室  岩倉使節団を圧倒した巨大噴水  株式投資で一山当てた八代公  財団化によって今も健在

ソールズベリ侯爵家
エリザベス一世の女王秘書長官として  伯爵位とハットフィールド・ハウスの獲得  革命に翻弄されたソールズベリ一族  中興の祖となった女傑メアリ・アメリア  苦労人だった第三代侯爵  兄の急死から首相就任へ  華麗なる五兄弟  ロイド=ジョージを失脚に追いやった四代侯  「ソールズベリ原則」を確立した五代侯

グレイ伯爵家
「イギリス紅茶の代名詞」となった貴族  「稀代の名演説家」の二代伯  首相として政治改革を実現  南アフリカ会社で築いた莫大な財産  分家から内務大臣と外務大臣を輩出  幣原や近衛も尊敬したグレイ外相

アスター子爵家
アメリカの大富豪に生まれて  「新聞男爵」から子爵へ  米国人女性ナンシーと結婚  子爵継承と政治生命の終わり  イギリス史上初の女性議員  公共の福祉に尽力した兄弟

バイロン男爵家
パリで客死した初代男爵  海軍提督の祖父、女たらしの父  一〇歳で男爵に、二四歳で一流詩人に  ギリシャに死す  コンピューターの発展に寄与した一人娘  《コラムIII》ジェントルマンズ・クラブ――貴族の密談場

第四章 現代に息づくイギリス貴族の影響
貴族たちのたそがれ――農業不況と相続税  第一次世界大戦の余波――貴族政治から大衆民主政治へ  第二次世界大戦後の状況――「お殿様」の時代の終わり  貴族院の衰退  貴族院の起死回生――一代貴族と一代庶民の登場  世襲貴族院議員の激減と今後の貴族社会  《コラムIV》カントリー・ハウスの現在

第五章 二〇世紀のイギリス貴族たち

ヒューム・オブ・ハーセル(一代)男爵
ヒューム一族の系譜  スコットランドとイングランドの狭間で  政界入りした第一四代  爵位を放棄して首相に就任  晩年には開高健と鮭釣りに

オルトリンガム男爵家
皇太子や首相の知遇を得た父エドワード  ケニア総督や陸軍政務次官を経て男爵に  政治評論家となったジョン  過激な女王批判で暴行を受ける  爵位を放棄し、評伝作家として活躍

マウントバッテン女性伯爵
ドイツ出身のマウントバッテン家  第一次大戦で受けた屈辱  海軍司令官として日本に勝利  女性伯爵の誕生  「父の仇」との和解を喜んだ二代伯  《コラムV》貴族を描いた映画

おわりに


■内容紹介
世界で唯一の貴族院が存続する国、イギリス。隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少――幾度もの危機に瀕しながらなお、大英帝国を支え続ける貴族たちのたくましさはどこから生まれたのか。「持てる者」の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫る。イギリス研究の第一人者が明かす、驚くべき生存戦略。


■著者紹介
君塚直隆(きみづか・なおたか)
1967年東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。東京大学客員助教授、神奈川県立外語短期大学教授などを経て、関東学院大学国際文化学部教授。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。著書に『立憲君主制の現在』(2018年サントリー学芸賞受賞)、『悪党たちの大英帝国』、『ヴィクトリア女王』、『エリザベス女王』、『物語 イギリスの歴史』『貴族とは何か』他多数。


■書籍データ
【タイトル】教養としてのイギリス貴族入門
【著者名】君塚直隆
【発売日】3月18日
【造本】新書版
【本体定価】858円(税込)
【ISBN】‎978-4-10-611034-4
【URL】

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