新型スイフトってなんだかヤワになった!? 万人ウケを狙ってスイフトが日和ったのかガッツリ確認してみた

2024.03.11 13:00
この記事をまとめると
■間口の広いコンパクトカーを目指した進化により新型スイフトはスポーティさが薄まった
■新型スイフトは操作系がソフトで万人向けの味付けになったがその走りは日和ったものではない
■ソフトタッチの向こうにある世界を感じてから新型スイフトを評価してほしい
モデルチェンジで万人向けになった新型スイフト
  スズキのコンパクトカー「スイフト」がフルモデルチェンジにより、グローバルモデルとしては4代目(日本での車名で数えると5代目)に進化した。新型の狙いをひと言で表現すれば「FUNを創り出すクルマへ」というもの、より具体的な開発コンセプトとしては「日常の移動を遊びに変える」と定義されている。
  とはいえ、熱心なスイフトファンが新型モデルを試乗すると「すいぶん変わってしまったな」という印象を受けるかもしれない。スイフトといえば、コンパクトカーのなかでも骨太でスポーティ、マニアも納得の走り味を持っているというイメージからすると、新型はずいぶんと間口の広い、マイルドな走り味になったと評価されそうだ。
  その理由は、アクセルやブレーキ、そしてステアリングといった操作系が従来よりも軽くなっているから。非力なドライバーでも気持ちよく運転できるようになっているのはコンパクトカーとしては正しい進化といえるが、逆に従来のマッチョでスポーティなテイストを期待しているファンからすると、肩透かしをくったような手応えと感じるかもしれない。
  あらためて、新型スイフトの成り立ちを整理すると、プラットフォームの基本は従来モデルからのキャリーオーバーながら、パワートレインは完全新設計の1.2リッター3気筒エンジン「Z12E」型と、これまた新規採用のCVTを組み合わせたもので、振り子式テンショナーを介してISGをつなぐマイルドハイブリッドが基本となる(非ハイブリッド仕様も用意)。
  また、スズキの国内向けモデルとしては初めてマイルドハイブリッド+5速MTのコンビネーションを用意したのも進化トピックスのひとつだ。さらに、電動ウォーターポンプにより冷却の最適化を実現しているのも、令和に登場した最新エンジンらしいところ。
高速走行になるとグッと落ち着きを増す操作系
  プラットフォームは変わっていないといっても、ボディには減衰接着剤を多用することで静粛性や剛性感を高めている。さらにサスペンションは「タイヤ以外はすべて新設計」と開発陣がいうほど変わっているのも新型スイフトの特徴。サスペンションストロークを伸ばしたのに加えて、ダンパーの緩衝材であるバンプストップラバーは前後にウレタン製をおごるなど、走りの基本性能を引き上げることを目指している。
  実際、市街地を低速で走ったときには軽いと感じた操作系も、高速走行になるとグッと落ち着きを増すものであるし、インターチェンジなどの大きなコーナーで感じる抜群の4輪接地感は、スイフトの名前に期待する以上のものがある。高速からのブレーキングでは、ペダルを奥に踏み込むほど制動力をコントロールできる味付けになっていることが確認できた。
  すべての操作系がソフトで、万人向けの味付けになっていることは事実だが、けっして新型スイフトの走りは日和ったものではない。スイフトに期待される実力は高めながら、間口を広くしたと捉えるべきだ。その意味では、ちょっと試乗して「新型はヤワになった」と批判してしまうのではなく、ソフトタッチの向こうにある世界を感じてから、新型スイフトを評価してほしいと思う。
  ただし、新開発3気筒エンジンについては、CVTとの組み合わせにおいて、「エンジンの性格を見極める」といった視点で評価するのは難しいかもしれない。筆者が試乗した印象を制御ストーリー的にまとめれば、「アクセルペダルの操作量から必要な駆動トルクを演算、それに合わせてエンジン出力と変速比を最適化する制御が行われている」ものだった。
  排気量はそのままに、4気筒から3気筒へレスシリンダー化したことで、エンジン単体でみるとトルク感は増しているはずなのだが、CVTとの統合制御が巧みなため、そうした進化が隠されているように思う。3気筒エンジンのキャラクターを味わうにはMTに乗ってみるほかなさそうだ。
  ちなみに、市街地~高速道路~ワインディング路と試乗したなかで、それぞれ気になった点も報告しておこう。市街地において段差でリヤタイヤが跳ねる感触がある点と、高速巡行時のロードノイズ、そしてエンジンブレーキの利き具合を合わせづらいといったところは、全体としての出来のよさからすると、もう少し上の仕上がりを期待したいというのが正直な印象だ。
  もっとも、リヤの跳ね感とロードノイズは、タイヤ由来の部分が大きいと感じられるので、もしオーナーになったら早めにタイヤを交換することで解決できそうだ。エンジンブレーキの利き味については、アクセルオフでCVTの変速比をロング側にしてエンジン回転を下げ、燃費を稼ごうとしていることが原因だろう。試乗した「HYBRID MX」グレードには、マニュアル操作のできるパドルシフトがあるので、そちらを有効活用すればまったく問題ないといえる。

あわせて読みたい

レクサスユーザーを満足させるためのコンパクトカー「LBX」が目指したところ
&GP
新型スイフトは燃費大幅向上! ライバルのヤリスより優れてるポイントは? お得グレードも大公開!!!!
ベストカーWeb
dアニメストアが新テレビCMを公開!
antenna
スポーツカー乗るならMTとATどっち?? GR86は人馬一体でワクワク!! 希少なマニュアルモデルが選べるスポーツモデル14選
ベストカーWeb
【比較試乗】ミドルクラスの決定版!ベスト3シリーズを探せ!BMW320i vs 320d xDriveツーリング vs M340i xDrive vs M3コンペティションM xDrive vs M3コンペティションM xDriveツーリング
CARSMEET WEB
「クロワッサン・ブッシュ」綿半スーパーセンター権堂店で先行発売開始
PR TIMES Topics
スズキ・スイフト ハイブリッドMZ(FF/CVT)【試乗記】
webCG
【国内試乗】スタイリッシュなデザインとスポーティな走りが魅力!「スズキ・スイフト」
CARSMEET WEB
世田谷のまちの雰囲気を味と香りに落とし込んだオリジナルブレンドコーヒー「まちの珈琲」販売
PR TIMES Topics
スズキ・スイフト ハイブリッドMX(FF/5MT)【試乗記】
webCG
新型はドコが進化した? 旧型のほうがいい点はある? 新旧スイフトを6ポイントで徹底チェックした
WEB CARTOP
「KAJITA 」新しい季節を彩る新作コレクション発表
PR TIMES Topics
Z世代のニーズにジャストフィット! スズキの新型スイフト試乗レポート
GetNavi web
 「スイフトがいい!」ってクルマ好きは言うけど本当にいいの?どこがいいの?
ベストカーWeb
dアニメストアCMに須田景凪氏の新曲起用
antenna
新型スイフトは質感が爆増!! ヤリスは驚異の燃費36km/Lを記録! ベーシックコンパクト最新勢力図
ベストカーWeb
軽くて安くて乗り味よし!? 次期スイフトスポーツも絶対いいわ!!! 「新型スイフト」公道試乗で見えた劇的進化
ベストカーWeb
子どもから大人まで楽しめる!ライチ収穫体験プラン
PR TIMES Topics
【試乗】新型スイフトは運転しやすく燃費も良好! 乗り心地の硬さと後席だけは購入前に要チェック
WEB CARTOP
新型スイフトスポーツが待ち遠しい! 勝手に予想する性能と期待
ベストカーWeb