もうクルマというよりペットだろ! ウーパールーパー顔のフランス産のマイクロカー「シャンテクレール」が可愛すぎてヤバイ

2024.03.07 17:20
この記事をまとめると
■フランス生まれのマイクロカー「シャンテクレール」を紹介
■3輪車でバイクの単気筒エンジンが搭載されていた
■200台ほどが生産されたが現存しているのはわずか10台ほどといわれている
こんなかわいい見た目で走ってれば交通環境も平和になる!
  いっそのこと、世の中のクルマが全部マイクロカーになったらいいのに! だって、こんなウーパールーパーみたいなのがエッチラオッチラ走ってたら、煽り運転どころか「がんばれー」とか「キャワワ!」なんて声援を送りたくなるはず。
  オーナーだって、このとぼけたフロントマスクを見たらほのぼの気分になって、万が一にもぶっ飛ばそうなんて気にはならないでしょう。一家に一台、マイクロカーを持つならポール・ヴァレが生み出したシャンテクレールを強くオススメしたい次第です。
  このマイクロカー、シャンテクレール(フランス語で雄鶏)は、フランスのロワール渓谷に生まれた裕福な実業家、ポール・ヴァレがS.I.C.R.A.F.という機械工場を開業し、そこの主力商品となるはずだったもの。
  最初、1949年にはスクーターとマイクロカーの中間のようなマシンを作り、オープンフレーム製作のノウハウをゲット。この当時、フランスではスクーターやマイクロカーが大きなビジネスになることを確信していたヴァレ氏は、次いで1955年にはシャンテクレールのプロトタイプをパリサロンに出品。すると、彼の思惑通り大反響を得て、市販車の生産が本格的にスタートしたのでした。
  ちなみに、ポール・ヴァレはグランプリチームであるエキュリー・フランスを設立し、ルイ・シロンのような伝説的なドライバーが運転するタルボ・ラーゴT26レーシングカーをバックアップ。モータースポーツ史においても、その名を残している人物。ですが、これはあくまでマイクロカーやスクーターの宣伝が目的だったこと、当時から公言してのこと。なるほど、スピードマニアならマイクロカーでなく、スポーツカーを作っているはずです。
  さて、シャンテクレールはグラスファイバーのボディを持ち、長閑なフェイスからリヤエンドにかけて絞り込んでいく前2輪、後1輪の3輪マシン。マイクロカーでこのレイアウトが多いのは、2名乗車が必須だったこと、3輪にすることで税制の安いクラスにしたかったことが理由でしょう。また、タイヤ1本分のコストが浮くことも庶民にとっては見逃せないポイントだったに違いありません。
現像台数はたった10台!?
  搭載エンジンは古のバイクメーカー「イドラル(YDRAL)」製、単気筒2ストロークで125cc、あるいは175ccが選べました。最高出力は125ccモデルで6馬力程度とされています。車重は未公表ながら、最高速は同じく125ccで75km/hといいますから、現代の原付に追いつくかどうかってパフォーマンスでしょうか。
  また、マイクロカーではときおり見かけるウェスティングハウス・ジャイロスターターを装備しています。これはレバーを引くとフライホイールが巻き上げら、最高回転数まで上がったところでレバーを落とすと、モーターに結合されたクラッチが噛み合い、航空機のスターターのようにエンジンがまわり出すという代物。始動時にはジェット機もかくや、というほどモーターが唸るのだそうです(笑)。
  フランス製のマイクロカーは、ドイツ製と違ってミニマムなインテリアでなく、快適性を犠牲にしないところも特徴かと。車幅1320mmを有効に使ったフロントシートはソファのように快適で、大人ふたりが余裕をもって座れそう。これまた可愛らしいD型ハンドルも、乗降の妨げにならない形を追求したものだそう。
  そして、ウーパールーパー顔に釣り合うよう、フロントスクリーンも比較的大きめです。これは室内空間、とりわけ天井高を稼ぎたかったからと思われ、ルーフも一般的な折りたたみ式やハードルーフでなく、独創的なT字型のシングルグラスファイバーフレームを採用し、リヤスペースに収納可能となっています。おとぼけマシンのわりに、ヴァレは至れり尽くせりな設計にこだわっていますね。
  シャンテクレールは1956~1958年の間におよそ200台が販売されたとのことですが、現存するのは10台に満たないのだとか。それもあって、オークションに出てくることは稀で、記録としては5万3200ドル(およそ843万円)と、欲しくなっても一家に1台というわけにはいかないお値段かもしれません。

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