ダイヤを誰にでも手に届く価格で提供したい。工業用ダイヤモンドの先駆者”アイリックス”が手掛ける人工ダイヤ「ラボグロウンダイヤモンド」で挑む革新への道

2024.03.05 08:50
アイリックス社は、最先端技術を用いた分光分析・計測装置の開発、製造販売に実績があると同時に、工業用ダイヤモンド製造における第一人者です。


世界最高級グレードと名高い人工ダイヤモンドの技術を生かして、このたびジュエリー業界に進出。


2024年1月には、ラボグロウンダイヤモンド(人工ダイヤモンド)のブランドとして「エフダイヤモンド」をお披露目しました。


ラボグロウンダイヤモンドは、近年、欧米のジュエリー界ではあたり前の存在となり、普及が広まっていますが、日本ではいまだ天然ダイヤモンドが珍重され、大きなダイヤを使った高価なジュエリーは一部の富裕層だけに独占されています。


アイリックス社の「エフダイヤモンド」は、天然ダイヤでは考えられないクオリティと大きさのダイヤモンドを使ったジュエリーを誰にでも手の届く価格で提供するべく誕生しました。


「エフダイヤモンド」誕生に至るまでの道のりと今後の展望について、アイリックス社代表取締役である須納瀬正範(すのせまさのり)と、元政治家という異色の経歴を持つ、エフダイヤモンド事業責任者の稲垣諄子(いながきじゅんこ)に話を聞きました。
事業責任者の稲垣諄子  今年2月ジュエリーサロン3LDK,で開催されたイベントにて
世界中のVIPにも愛用されるラボグロウンダイヤモンド
―エフダイヤモンドはラボグロウンダイヤモンドのブランドですが、ラボグロウンダイヤモンドとはどういうものなのでしょうか?


稲垣:
ダイヤモンドは地球の深部で高い温度と圧力を受けた炭素が結晶となって形成されますが、ラボグロウンダイヤモンドは、同じ環境をラボ(=研究室)で再現することによって生まれた人工のダイヤモンドです。


その組成や純度、輝きは天然のダイヤモンドと全く同じで、GIA、IGIなどの国際的な宝石鑑定機関からも本物のダイヤモンドとして認定されています。


また、天然ダイヤモンドが採掘時の環境破壊や労働問題、紛争の資金源になるなど多くの問題を抱えることに対し、ラボグロウンダイヤモンドは環境に配慮したエシカルなジュエリーであることから、SDGsの観点からも注目されています。
薄いダイヤモンド基板(種)を装置内に並べ、原料となるメタンガスと水素ガスを入れ、マイクロ波でプラズマ状態にすると、種の上に一層ずつダイヤモンド結晶が成長していく
―海外市場では既にラボグロウンダイヤモンドが広く普及しているそうですね。


須納瀬:
GIAがアメリカの宝飾店1300店を調査したところ、昨年7月の時点で天然ダイヤとラボグロウンダイヤの売り上げがちょうど半々になったそうです。ラボグロウンダイヤモンドの価格は天然ダイヤの5分の1ぐらい。つまりカラット数でいえば、天然ダイヤモンドの5倍売れているというわけです。


同じ金額で5倍の大きさのダイヤモンドが買えるのですから、アメリカ市場では完全にラボグロウンダイヤモンドは市民権を得ていて、ハリウッドスターをはじめとするセレブリティたちにも愛用されています。


稲垣:
一方で、日本ではラボグロウンダイヤモンドの普及率はまだ1~2%ぐらい。
宝飾店でも、あまり安い価格でダイヤモンドを売りたくないという事情があります。
ラボグロウンダイヤモンドのことも、キュービックジルコニアやモアサナイト等のダイヤモンドの類似石と混同されていたりと、まだまだ理解が進んでいません。


須納瀬:
日本では、ラボグロウンダイヤモンドを天然ダイヤに劣るもの、本物のダイヤモンドではないと考えている人が多いようですが、ラボグロウンダイヤは本物のダイヤモンドです。世界的な潮流は既に変わってきているので、いずれ日本も変化していくと私たちは考えています。
アイリックス株式会社 代表取締役 須納瀬正範       アイリックス社内にて
工業用ダイヤモンドの技術を宝石作りに応用
―アイリックス社が宝飾業界に参入することになった経緯は?


須納瀬:
私たちはもともと工業用ダイヤモンドを作る製造装置メーカーであり、工業用ダイヤモンドを製造していました。作っていたのはドリルの刃などに使う、黒っぽい工業用ダイヤです。近年、成膜技術が向上したことによって、透明で大口径のダイヤモンドを製造できるようになったことから、宝飾業界への参入を決めました。成膜技術が向上したと言いましたが、これは本当に画期的な技術で、世界でこれほど大口径の透明なダイヤモンドを製造できるところは多くありません。


稲垣:
アイリックス社がダイヤモンド製造に採用しているのはCVD(化学気相蒸着)法といいますが、この製法は大口径のダイヤモンドを作るのに非常に向いています。ですから、もともと宝石用途としてのダイヤモンド製造には条件が適していたわけです。


須納瀬:
世界で戦える優れた技術があるのだから、宝石としてのダイヤモンドを作らない理由はありません。現在ラボグロウンダイヤモンドの製造はインドと中国が中心ですが、私たちはインドの「グリーンラボ」という企業に技術と装置を提供し、そこでダイヤモンドを製造しています。


稲垣:
昨年6月にインドのモディ首相がアメリカのバイデン大統領夫人にプレゼントしたのも、アイリックス社の技術によってグリーンラボ社で製造された7.5カラットのラボグロウンダイヤモンドでした。インドは地球にやさしい工業化を進めていて、いま国策としてラボグロウンダイヤモンドに力を入れています。


その中でも弊社の技術で作られたダイヤモンドは国家元首がプレゼントに選ぶほど品質が高いことが証明されました。
アメリカのバイデン大統領夫人に7.5カラットのラボグロウンダイヤモンドをプレゼントするインドのモディ首相


須納瀬:
ちなみに世界のダイヤモンドの8割はインドで研磨されています。どこで採掘された天然ダイヤモンドであっても、最終的にはインドに集まるんですね。なかでもグリーンラボ社はダイヤモンドの研磨で50年以上の歴史を持つ熟練の老舗です。ですから、カットにおいてはダイヤモンドの最高級グレードであるトリプルエクセレント(3EX)がスタンダード。極めて質が高い。


アイリックス社のエフダイヤモンドは、そのグリーンラボ社で製造から研磨までワンストップで行っているため、非常に高品質でありながらコストを抑えることができるのです。


稲垣:
さらに、自社の技術と装置を使ってダイヤモンドを製造しているため、アイリックス社では商社を必要としません。商社を介さずにダイヤモンドを使った商品を製造・販売することができるため、ハイクオリティなジュエリーを適正価格で提供することが可能になるのです。
エフダイヤモンドの「コルヌイエ」シリーズ
「カンパニュラ」シリーズ


―では、エフダイヤモンドと他ブランドのダイヤとの一番の違いは?


稲垣:
エフダイヤモンドは、一言でいえば身元のはっきりしたダイヤモンドです。他ブランドのダイヤモンドは鑑定書付きでも、辿れるのは「いつ、どこから仕入れた」というところまで。本当の意味でそのダイヤモンドの出自はわかりません。その点、エフダイヤモンドは製造過程を映像で流していて、どうやって生まれたダイヤモンドであるか、胸を張って明らかにすることができます。いまの時代、そんな透明性も求められているのではないでしょうか。
社内からの大反対、社外でのトラブル。それらを乗り越えた先の第一歩
―エフダイヤモンド立ち上げに至るまでの道のりを教えてください。


須納瀬:
宝飾業界に参入するべく事業をスタートしたのは2023年の4月です。最初はラボグロウンダイヤモンドのルース(原石)の卸売りを想定していました。私たちはダイヤモンドには知識と経験がありますが、「宝石」には素人だったからです。


ただ、いろいろな人と話をするなかで、ルースビジネスは厳しい、発展性がないということが徐々にわかってきて、思い切って宝飾ブランドとして「エフダイヤモンド」を立ち上げることを決めました。宝飾ビジネスについては右も左もわからないため、専門家の方に相談に乗ってもらって始めたのですが、いろいろありました(笑)。まず社内から大反対をくらいました。それまでの工業用ダイヤモンドとは市場が全く違うのに無謀だと。


稲垣:
工業用ダイヤの第一人者としての地位がありながら、わざわざ未経験の業界に足を踏み入れるリスクを冒すのか、というのが社内の大半の意見でした。ただ、社長には勝算があったようです。海外でラボグロウンダイヤモンドのジュエリーががどんどん普及していることを知っていたので、必ず日本でも花開く時代が来るはずだと。それを見越してこの事業をやるんだ!と言っていました。


須納瀬:
社内の大反対のほかにも、コンサルティングをお願いしていた方が手を引いてしまったり、紹介された企業と金銭トラブルがあったり、銀座の宝飾店にラボグロウンダイヤを直接持ち込んで不審な目で見られたり、今となっては笑い話ですが、いろいろな事件がありました。ドタバタ劇の一方で、強力な味方や提携企業との関係を着実に構築できたことはありがたかったです。


稲垣:
商品のデザインを担当してくれるジュエリーサロン3LDK,の田中光さんをはじめ、ダイヤモンドを使ったジュエリーを制作してくれる山梨の企業など、多くの人にご協力いただいて、エフダイヤモンドは立ち上げられたと思っています。皆さんのお陰で、第一期の商品ラインナップを揃え、オンラインストアをオープンし、展示販売の場所も用意して、今年1月にブランドとしてのお披露目ができました。これで本当の意味でスタートラインに立てたのかもしれません。
ラボグロウンダイヤモンドでサステナブルかつ若い人たちの背中を押せる存在に
 ―事業責任者の稲垣さんは元政治家(区議会議員)ですね。まったく違う業界に飛び込んだわけですが、前職でのご経験は活かされていますか?
議員時代はCO2削減に向けて家庭ごみの削減やリサイクル等に取り組んでいた
稲垣:
正直に言うと、政治家としての経験が直接活かせているわけではないんです。
ただ、議員時代に培われた、粘り強さや打たれ強さといったものは役に立っているかもしれません。エフダイヤモンドもスタートしたばかりで、ここからが長期戦ですから。諦めずにコツコツと積み重ねていくという意味では政治と一緒です。


それに、議員の頃から若い人たちの夢を応援したい、元気づけたいという気持ちがありまして、エフダイヤモンドでもそれができることに気づきました。経済的な理由で婚約指輪をあきらめている若い人たちも、少し頑張ればラボグロウンダイヤモンドには手が届く。こういう形で皆さんを応援していければと思っています。


ダイヤモンドを身につけることで、明るく元気になれる。一人ひとりが自信を持って輝けるようになることで、日本全体が明るく元気になる。また環境に優しくエシカルなラボグロウンダイヤモンドが普及することで持続可能な社会の実現にもつながればと。
ちょっと大きな話になりますが、エフダイヤモンドでそんな未来を実現できればいいなと願っています。

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