麻実れい　芝居の始まりは所作を盗むことから

20歳で初舞台を踏んでから54年――。麻実さんほど、性別や時代、国や文化を超えて、バラエティに富んだ役を演じた俳優も珍しいだろう。宝塚時代は、「風と共に去りぬ」のレット・バトラーや、日本書紀を題材にした「あかねさす紫の花」の中大兄皇子役で人気を博し、退団後は、シェイクスピアやチェーホフのような古典戯曲から同時代の作家の海外戯曲だけでなく、三島由紀夫や井上ひさし、江戸川乱歩といった日本人作家の作品に…