かわいい見た目にダマされちゃいかん! ミニショベルは簡易的な建設機械かと思ったらハイテクっぷりがヤバかった

2024.02.10 17:30
この記事をまとめると
■ミニショベルはよく目にする建設機械のひとつ
■簡易な機械に見えるがじつは最先端の技術が投入されている
■ミニショベルの構造や最新事情について解説
最先端の技術が惜しげもなく投入されている
  建設機械はいろいろ存在するが、誰もが身近に感じるものといえば、なんといってもショベルカーではないだろうか。なかでも、ガス・水道などといったインフラの絡む小規模な道路工事の際に、必ずといってよいほど使用されているミニショベルは、よく目にする建機のひとつであるといえよう。
  小さなボディには愛嬌があって、単純な構造の簡易な機械といった印象を持つかもしれない。ところが、ここには最先端の技術が惜しげもなく投入されているのである。
  ミニショベルとは、運転質量(全装備質量:完全なフロントアタッチメントを装備して、オペレータが乗車したときの総質量)6t以下、あるいはバケットの容量が0.25立方メートル未満のショベルカーを指すといわれている。すなわち、小型で小まわりが利くので狭小地現場で使用されることが多いため、ほんのわずかなミスがまわりを事故に巻き込む危険性を持つ。
  そこで、重要視される特徴のひとつがオペレータに対する安全性だ。現場は足場の悪いことが多いため、万一ミニショベルが転倒・横転したとき、シートベルトを装着したオペレータがケガをしないように、多くの機種がTOPS(転倒時保護構造)規格適合キャノピーを採用(一部キャノピーがないタイプもある)。
  もちろん、根本的な対策として倒れにくくするために、低重心化も図られている。また、停車時・無人時に傾斜地などでの動きだし防止に駐車ブレーキを採用するほか、操作レバーが安全位置にある場合に限りエンジンがかかるなど、何重もの安全対策を講じているタイプが増えているのだ。
  機種によってはジョイスティック1本で走行できるなど、まるでゲーム感覚で運転が可能になるものもある。これは、操作性にかかわる特徴だ。先の安全性とも共通するが、近年は労働力不足から経験の浅いオペレータも少なくない。もちろん、ベテランを養成することも大切だが、新人でも安全に機械を操作できるに越したことはない。建機の状況が一目でわかるカラー液晶情報パネルの採用も、その一環だといえよう。
  コストの問題も大切だ。資材・人件費・燃料費の高騰が続き、建設事業者は四苦八苦している。そこで、経済性やメンテナンス性の向上が必須となり、燃費節約が建機の大きな特徴になるのだ。エンジンを改善するほか、ショベルの作動に関する効率化も大切だ。作業内容に合わせてエンジンの回転数調整を容易にしたり、アームが一定時間停止したときにエンジン回転数を下げたりするなどの技術がある。
各メーカーは電動タイプの開発にも注力
  メンテナンス性は、人件費や労務改善に有効だ。ミニショベルはエンジンまわりだけではなく、油圧系などのメンテナンスも必要になる。それを一度にできるように、エンジンまわりのカバーが工具フリーで、大きく開く構造になっているものが多い。また、機械内部保護のために、カバーには丈夫な素材を使用するなど、故障を起こりにくくする工夫もある。
  そして、建機で忘れてはいけないのが環境性に関する特徴だ。ミニショベルは住宅地で使用されることも多いので、排気ガスだけではなく騒音・振動なども抑えなければならない。そのために、所管官庁や業界団体が厳しい基準を設けており、それをクリアさせるべく排気システムの開発・防振や防音の対策が行われている。
  近年では電動タイプの開発にも、メーカー各社が力を入れている。すでにいくつかの試作機が出ており、コマツからは市販車も登場した。
  リチウムイオン電池を使用し、急速充電にも対応。ただ、フル充電からの稼働時間は2~6時間程度であるなど、まだまだ課題も少なからず残っているという。さらなる進化が期待されている。

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