とっくに発売されていたハズだったのに不正で先送り! 新型ムーヴはどんなクルマだったのか?

2024.02.10 07:00
この記事をまとめると
■昨年の夏頃に新型ダイハツ・ムーヴが登場する予定があった
■ロッキー&ライズの不正問題で新型ムーヴの発売を延期せざるを得なくなった
■現場の噂では早くても2024年秋ごろの発売になるといわれている
ムーヴは幻となってしまうのか?
  ダイハツの販売店では、2023年5月中旬から、新型(次期型)ムーヴの価格を明らかにして予約受注も開始していた。この時点で販売店では「新型ムーヴの正式発表は6月19日で、7月に入ると生産と納車を開始する。7月下旬頃には試乗車も販売店に入るだろう」と案内していた。
  ところが同年4月に、マレーシアで販売されるダイハツ車について、側面衝突試験の認証申請に関する不正行為が公表され、5月には国内で販売されるダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズに関する不正も明らかになり、社会問題に発展。そこで5月中旬に開始した新型ムーヴの予約受注も停止され、ダイハツの販売店では「予約受注は取り消して、お預かりした申込金も返却している。いままで経験したことのない事態だ」と述べた。
  この後、半年以上にわたり、新型ムーヴに関して何の情報も発信されていない。一連の不正について第三者委員会が調査を行っているためで、2023年5月以降、ダイハツは一部改良やマイナーチェンジも実施していない。
販売は2024年の秋ごろか
  問題は予約受注を開始しながら停止した新型ムーヴの行方だ。新型ムーヴについて述べると、ボディサイズは、予約受注開始時点において全長が3395mm、全幅は1475mm、全高は1655mmとされた。後席側のドアはスライド式になる。この大きさはムーヴキャンバスとほぼ同じで、全長と全幅だけでなく全高とホイールベース(前輪と後輪の間隔)まで共通だ。スライドドアの開口幅も595mmだからムーヴキャンバスと等しい。
  その一方でボディスタイルは異なり、新型ムーヴはボンネットを前方に傾斜させ、フロントウインドウとフロントピラーは少し寝かせている。シートアレンジはムーヴキャンバスよりもオーソドックスで、スライドドアを装着するものの、実用的な機能は現行型ムーヴに近い。
  受注していたときの価格は、もっとも安価な標準ボディのLが129万2500円、上級のXは141万9000円、エアロパーツを装着してターボエンジンを搭載するRSは180万9500円とされていた(いずれも2WD)。ムーヴキャンバスでもっとも安価なXは146万3000円だから、新型ムーヴはスライドドアを装着しながら、価格はさらに安い。
  つまり、新型ムーヴは、従来のムーヴと同様に実用的で求めやすいハイトワゴンとして開発され、後席側のドアはいまのニーズに沿ってスライドドアを装着する。その結果、商品特性がムーヴキャンバスのベーシックモデルのようになった。
  新型ムーヴでは、ロッキーと同様のハイブリッドを追加することも予定され、その価格はノーマルエンジン車の約20万円アップだ。これらの計画が、一連の不正行為により、すべて先送りにされた。
  今後の見通しをダイハツは明かしていない。この対応にも困るが、2024年1月下旬に販売店に尋ねると以下のようなコメントをもらった。「新型ムーヴはすでに完成しており、いつでも市販できる。2024年の9月から10月頃には、おそらく発売できると思う」
  目下のところ、国土交通省は法規適合性の確認作業を進めており、一部の車種は出荷停止の指示を解除された。この作業が一応完了した後で、新型ムーヴを発売する。そうなると販売店が指摘した通り、早くても2024年の秋頃になるわけだ。

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