横断歩道を渡っているのにクルマが止まってくれない! 水たまりの水をはねてかけられた! 道交法違反のクルマから被害を受けた歩行者は訴えられる?

2024.01.29 10:00
この記事をまとめると
■街を歩いているとたまにクルマから水をかけられたりする被害を受けることがある
■そのシーンを警察官が見ていると捕まえることもできるが、事後報告は証拠がないと難しい
■道路交通法には、歩行者等の通行方法についても定められている
クルマから受けた被害、あとで通報できる?
  横断歩道を渡っているときに目の前をクルマが通過したり、水たまりを通ったクルマに水をかけられたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。このような危険行為や迷惑行為は、車両側の交通違反となります。では、車両から迷惑を受けたとき、訴えることはできるのでしょうか。今回は、歩行者に対する車両の違反を紹介し、訴えることができるか考察します。また、歩行者のルールについても解説します。
歩行中にクルマからの被害に遭った! どのような違反になる?
  歩行者として道路を利用しているとき、車両が止まってくれなかったり、水たまりの水をかけられたりしたことがある方もいるのではないでしょうか。このようなことを話している筆者も、歩行者として歩道を歩いているときに、水たまりを通過したクルマに水をかけられた経験があります。
  では、これらの車両と歩行者のトラブルは訴えることができるのでしょうか。ここからは、歩行者に対する車両の交通違反や罰則について解説します。
信号がない横断歩道でクルマが止まってくれない!
  信号がない横断歩道を渡りたいときにクルマが止まってくれないと、安心して横断歩道を渡ることができません。信号のない横断歩道に横断したい歩行者がいるのにクルマが止まらないのは交通違反となります。
  その根拠となる法律は、道路交通法第38条です。法律には次のように定められています。
・横断歩道や自転車横断帯に近づいたとき、横断する人や自転車がいないことが明らかではない場合、その手前で停止できるように速度を落として進まなければならない
・歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線があるときは、その手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければならない
  つまり、横断歩道を渡りたい歩行者のほうが優先ということになります。言い換えれば、横断歩道付近に人がいない場合や横断歩道を渡らないことが明らかな場合はそのまま通過してよいということです。
  この歩行者の優先を無視すると、「横断歩行者等妨害等違反」となります。罰則は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金等です。反則金は、大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、原付車6000円。基礎点数(違反点数)は2点となります。
信号がある横断歩道が青になって横断しているときに、クルマが目の前を通過した!
  信号がある横断歩道の信号が青になって横断歩道を横断しているときに、歩行者の前をクルマが通過した場合も交通違反となります。この場合も「横断歩行者等妨害等」が適用されます。
  罰則は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。反則金は大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、原付車6000円。基礎点数(違反点数)は2点です。
クルマが水たまりを通ったときに水はね・泥はねの被害に遭った!
  雨の日や雨上がりのときに歩道を歩いているとき、車両が水たまりを通過し、水や泥をかけられた場合も車両側の交通違反となります。
  この場合、車両側の「泥はね運転違反」となります。反則金は、大型車7000円、普通車・二輪車6000円、原付車5000円です。なお、基礎点数(違反点数)はありません。
歩行者が絶対優位とは限らない
違反した車両を訴えることはできるのか?
  歩行者として道路を歩いているときに受けた被害を訴えるためには、証拠が必要です。
  違反している現場を白バイ隊員やパトカーに乗車している警察官が目視で確認していれば、被害を立証することができます。しかし、客観的な証拠がない場合、立証するのが難しくなるため、訴えるのも難しいでしょう。
クルマを運転するときは「歩行者の保護」をしなければならない
  クルマやバイクなどを運転するときは、歩行者を保護しなければなりません。道路交通法や国家公安委員会が作成している「交通の方法に関する教則」にも、「歩行者の保護など」という項目があり、車両の運転者は歩行者の横断を妨げたり、泥はね・水はねしないよう気をつけなければならないことが明記されています。
  このようなことからも、クルマやバイクなどを運転するときは、歩行者の通行を妨げたり、迷惑になることをしてはならないのです。
道路では歩行者が優位なのか?
  ここまで、歩行者と車両のトラブルや車両側の違反について述べてきました。ここまでの内容だけを見ると、道路では歩行者が優先かつ優位な立場にあるように感じるでしょう。しかし、歩行者にも道路を通行する際に守らなければならないルールがあるため、絶対的に優位というわけではありません。
  歩行者のルールには、次のようなものがあります。
・歩道または歩行者等の通行に十分な幅員を有する路側帯と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない(道路交通法第10条第1項)
・歩道等と車道の区別のある道路では、原則として歩道等を通行しなければならない(道路交通法第10条第2項)
・道路を横断しようとするときは、近くにある横断歩道で道路を横断しなければならない(道路交通法第12条第1項)
・道路標識等によって斜め横断できる場合を除き、道路を斜めに横断してはならない(道路交通法第12条第2項)
・車両等の直前または直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によって道路を横断する場合や信号もしくは警察官等の手信号等に従って道路を横断する場合を除く(道路交通法第13条第1項)
・道路標識等によって横断が禁止されている部分で横断してはならない(道路交通法第13条第2項)
  道路交通法には、歩行者等の通行方法についても定められています。このことからも、道路では歩行者が必ずしも優先で優位な立場にあると断言することはできません。
  歩行者も車両もルールを守って道路を利用するからこそ、安全な交通社会が実現できるのです。道路を利用する際は、それぞれのルールをきちんと守りましょう。

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