若干キャラかぶり気味で迷うぞ! ゴルフ「GTI」と「R」の性格の違いは? ドッチを買うのが正解?

2024.01.11 17:20
この記事をまとめると
■フォルクスワーゲン・ゴルフのスポーツモデルとして知られているのが「GTI」と「R」だ
■「GTI」と「R」にどんな違いがあるのか、性格の違いとともに説明
■ゴルフVII以降は「GTI」と「R」でより性格の違いを見せることで差別化を図った
ゴルフ「GTI」と「R」って何が違うの?
  FF2ボックスのジャンルを確立し、グイグイ進化させてきたフォルクスワーゲン・ゴルフ。好き嫌いは別としても、存在の偉大さを疑うクルマ好きはいないはず。そんなゴルフですから、ライバルたちが「目指せゴルフ、追い越せゴルフ」としのぎを削ったことも動かしようがありません。
  たとえば、ニュルブルクリンクのラップタイムのように表層的な速さを基準にすれば、シビックタイプRやメガーヌRS。もはやホットを通り越して、レーシングカーのようなクルマも大人気でした。また、上質やハイクラスをうたうコンパクトカーも格段に増え、「質素、だけど十分」というゴルフでは勝負しづらい時代を経てきたのです。
  むろん、フォルクスワーゲンだって手をこまねいていたわけではありません。ゴルフのグレードを拡充したことに続き、商品力の向上を目指し、ゴルフ3世代に至ってはついに全輪駆動のハイパワーモデル「R」を登場させたのです。2.8リッターの狭角V6エンジンを搭載したVR6は、ひと皮むけたかのようなパフォーマンスで、次のR32になるとさらに排気量を増やし、質素とは対照的に「贅沢なゴルフ」というポジションを確立。並みいるライバルたちに一石を投じたといえるでしょう。
  ここで気になるのが、ゴルフには初代から「GTI」というスポーティバージョンが存在していたにもかかわらず、どうして「R」という新型の追加に踏み切ったのか、というポイント。
  ご承知のとおりGTIはホットハッチの代名詞であり、また手の込んだエンジン、きちんと作りこまれた足まわりなど高い商品性を誇るもの。歴代モデルがいずれも「さすがGTI」と評価されてきたわけですから、こちらの商品力を上げさえすれば競合車を蹴散らすことも難しくはなかったはず。
  このへんがGTIとRの違いを紐解くポイントにほかなりません。なにしろ、贅沢バージョンとして設定されたはずのRにしても、ゴルフVIから全輪駆動は継続されつつもシリーズエンジン、すなわち2リッターターボにとどまっています。市場のダウンサイジングに応えたとするならば、GTIとの差ははっきりいってパワーと駆動方式だけにとどまってしまうのです。GTIのよくしつけられたエンジンや、オプションのDCCサスペンションシステムはRの走りと同等とまではいかなくとも、その差はわずかなもの。
  もっとも、フォルクスワーゲンをかばうわけでもありませんが、この時期のゴルフはライバルの攻勢も手伝って、いくらか迷いが見えた気がします。いわば、フォルクスワーゲン自身が「ゴルフ、かくあるべし」という枠組みに縛られてしまったのかもしれません。
  ですが、次のゴルフVIIになると迷いは吹っ切れて、いよいよGTIとRそれぞれの存在価値が高まっていくことになりました。
GTIとRはしっかり棲み分けされている
  2015年以降のフォルクスワーゲンは、ゴルフに限らずシャシー性能、および車体剛性の高さが驚異的な進化を遂げました。これによって、GTIとRの差別化に自由度が増したと考えても無理筋ではないでしょう。つまり、盛り付ける皿が大きく、深くなったことで同じ具材を載せるにしても選択肢、バリエーションが豊かになるということ。
  具体的な差別化としては、足まわりの設定(中心となるのはアクティブサスのDCC)や、パワ―デリバリーをはじめとしたエンジンチューン、あるいはフル電動サポートシートといったインテリアの質までこだわることが可能となったのです。当然、GTIはスポーツ方向へと研ぎ澄まされ、Rはスポーツキャラを内包しつつ、リッチなツーリングカーへと舵が切られたわけです。
  Rのリッチとか贅沢テイストがよく理解できるのはヴァリアント、すなわちワゴンも存在することでしょうか。家族とたくさんの荷物を積みながら、アクセルを踏めば望んだパワーを難なく出し、悪天候や悪路をものともせずにかっ飛んでくれる。フォルクスワーゲンの考えるRユーザーというのは、どちらかというとヴァリアントのユーザーに色濃く反映されている気がしてなりません。
  こうしてRのキャラが明確になってくると、GTIとの差別化はさほど難しくありません。その上、連綿と続いてきたGTIの歴史にはキャラクターづくりに必要なレガシーやアイコンに事欠かないのです。グリルのレッドラインや、チェックのスポーツシート、あるいは小気味いいドライビングフィールなどを積み上げていくことで、ホットハッチの半分くらいは完成してしまうことでしょう。
  とはいえ、残り半分は時代を見据えて味付けをしていかないとならないのは、GTIもライバルと同じ境遇かと。やみくもにニュル最速を目指すのも流行遅れ、かといって中途半端なパフォーマンスではGTIの名折れ、ひいてはホットハッチというジャンルを疑問視すらしたかもしれません。それでも、あえてGTIをラインアップしているのはフォルクスワーゲンの英断といっても差しつかえないでしょう。
  GTIとRはいまや価格差も大きいので、迷う方も多くはいないはず。それでも、選択の機会があったとしたら「スポーティブランドを確立したGTIか、スポーティネスすら内包した贅沢なR」といったポイントからスタートしてみてはいかがでしょう。

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