愛車のカローラセダンとBYDドルフィンをガチ比べ! 勝手に「トーションビームW杯」を開催してみた

2024.01.02 06:20
この記事をまとめると
■現行型カローラの一部ガソリンモデルは、2022年の10月の改良で足まわりが変更された
■カローラが「トーションビーム」になったのでさまざまな車種と比較を行った
■BYDのドルフィンは中国車といえど侮れない高いポテンシャルを足まわりに秘めていた
「トーションビームワールドカップ」を開催!?
  現行型デビュー時のトヨタ・カローラセダン1.8リッターガソリン車から、2022年10月に改良を行ったカローラセダン・ガソリン車に乗り換えると、エンジンが1.8リッター直4から新世代1.5リッター直3へ載せ替えになっただけでなく、リヤサスペンションがダブルウイッシュボーンからトーションビームへ変更された。
  しかも、セダン、ツーリングともにガソリン車のみの変更となった。筆者のような一般ユーザーからすると、ダブルウイッシュボーンからトーションビームへ変更されたと聞くとレベルダウンした印象を受けるが、カタログなどを見ると、HEV(ハイブリッド車)ではなく、ガソリン車向けに最適なものができたので変更したといったような印象を受けた。
  そこでそれならと、世界各国メーカーのトーションビーム採用車と比較試乗する、名付けてトーションビームワールドカップを不定期で開催している。
  第1回はフランス代表としてプジョー408と比較試乗を行ったのだが、車両価格差(408のほうが高い)もあり、その差がモロに出てしまったようで、カローラの完敗との判断を下すしかなかった。そして第2回となる今回は、中国代表として比亜迪汽車(BYDオート/以下BYD)のコンパクトBEV(バッテリー電気自動車)、ドルフィンの標準タイプとの比較試乗を行った。
  なおこのトーションビームワールドカップは、あくまでも改良後トヨタ・カローラセダンのガソリン車を保有するひとりのユーザーが比較試乗を行った際の印象に基づいてジャッジしているものであり、専門的に絶対的な性能評価を行った結果の判断ではないことだけを断っておく。
高い次元で足まわりが設計されている
  日本国内で販売されているBYDドルフィンは、今回試乗したドルフィンのほか、航続距離が476kmになるロングレンジが用意されている。そして、ロングレンジモデルのリヤサスペンションはマルチリンクとなり、ベースモデルのみがトーションビームリヤサスペンションを採用している。この設定の差は、航続距離が増したことによるバッテリーの重量増などを意識したものとのことである。
  以前、マルチリンクサスペンションのロングレンジに試乗したのだが、コンパクトカーとは思えないくらい長距離走行も苦にならないような乗り心地に舌を巻いた。日系ブランドのコンパクトカーと同じつもりで運転すると、かなり異なるレベルに仕上がっているなぁという印象を強く受けた。
  ドルフィンは欧州市場へも輸出されているので、マルチリンクサスペンションは欧州向けなのかと思い調べてみると、欧州では4タイプ設定されているうち3タイプがマルチリンクとなっていたが、そのうち1タイプはロングレンジではなく標準航続距離タイプだったので、欧州に主眼を置いたと言うのはあながち間違ってはいないようであった。
  今回も、高架がメインで継ぎ目も多い首都高速なども含めて試乗を行った。継ぎ目を踏んだり、道路工事などでデコボコの多い一般道路などを試乗したのだが、継ぎ目を踏んだときなどの突き上げ自体はカローラセダンとそれほど大差のない印象を受けた。プジョー408では突き上げと明らかにわかるような挙動も感じなくて驚かされたが、さすがにドルフィンではそこまでの差は感じなかった。
  ただし、いわゆるお釣りがほぼ感じなかったのは大きな違いであった。独立式となるダブルウイッシュボーンに対し、トーションビームはその名のとおり、左右がつながっている構造となる。そのため、カローラセダンで継ぎ目を踏むと、継ぎ目を踏んだときの突き上げ感のあとに、左右を結ぶバーがたわむようなお釣りを感じるのだが、それがドルフィンではほぼ感じることはなかった。
  プジョー408のときのような明確な敗北感はないものの、お釣りをほぼ感じなかったという事実は大きい。トヨタに比べて自動車生産をはじめて間もないなか、なかなか健闘しているといった印象を強く受けた。今後のさらなる成長も見込んでエールを送るという意味で、今回はドルフィンに軍配を上げることにする。
  速度が遅くなると、その存在(BEVは基本音がしない)を知らせる警告音は、アメリカでよく耳にする、移動アイスクリーム販売トラックが鳴らすチャイムのような可愛らしいものであり、そのほかにも車内にいるとさまざまな警告音(たくさんありすぎて何を警告しているのかはいまひとつわからなかった/音は変更可能)も、かわいらしい音が多く、なんだかよくわからないとワクワクしてしまった。
  インパネセンターディスプレイが横長から縦長にも回転できるなど、いまどきのBEVらしいなぁというワクワク感の演出にも余念がなかった。欧州コンパクトと異なり、ヒエラルキーでは下層といった印象もなく、日本車的なヒエラルキーフリーといったクルマ作りにも好感が持てた。ヘッドレスト一体となるフロントシートはサイズもタップリしていて着座感も良かった。
  発展著しい中国だが、まだまだ道路環境は日本並みとまではいえない。大通りは綺麗に舗装されているとしても、自宅からそこまで出るラストワンマイルはかなりラフロードに近い状況となってことも多いようだし、一度都市部から離れれば、幹線道路でもコンディションは良好とは言えないとも聞く。そのような環境に対応させようとすれば、足まわりなどにも、より配慮したクルマ作りとなるのは当たり前ともいえ、中国車もなかなか侮れないのである。

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