【試乗】VWのフラッグシップEV「ID.7」に乗った! あえて「普通のクルマ感」を出したナチュラルな乗り味にBEVの可能性を見た!!

2023.12.30 17:00
この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンが展開するEVブランド「ID.」シリーズのフラッグシップモデル「ID.7」に試乗
■前後方向に伸びやかなスタイルのID.7はその見た目どおり広く快適なキャビンをもつ
■ID.7は、ガソリン車に近いナチュラルなフィールの加速とコーナリング時の安定感をあわせ持っていた
フォルクスワーゲン「ID.」シリーズでもっとも大型なBEV
  2035年までに、域内の乗用車と小型商用車の新車100%をZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル、すなわちBEVもしくはFCEV)に転換するという政策を掲げているヨーロッパ。現在ではこれにeフューエル車も含めるべきとの議論も加わり、いわゆるヨーロッパのEVシフトの成否は先が見えにくい状況になっているが、それでも自動車メーカー各社は、積極的にBEVの開発を進めている。
  今回試乗したのは、ドイツのフォルクスワーゲンの電動化戦略が成功するかどうかを占ううえで非常に重要な意味を持つニューモデル、ボディサイズでは現行モデルのパサートをさらにひとまわり大きくした数字をもつ最新のBEV、「ID.7」だ。
  BEVといえばコンパクトなシティコミューターというイメージがいまだに強いが、広い居住空間でラグジュアリー性を高めながら、長距離のドライブにも抵抗なく使える走りが実現できているのかどうかも、これから誕生するBEVに要求される重要な性能のひとつといえる。
  ID.7のボディデザインは、まずフロントマスクを先進的なスタイルに、そしてサイドを流れるラインをシャープに描くことで、筋肉質なイメージを演出したものだ。
  フロントマスクの特徴は、大きくクローズしたグリルとボンネットの立体的なデザイン、そしてデイタイムランニングライトとターンシグナル用の細いLEDヘッドライトによって特徴づけられたもの。ちなみにオプションではさらに高性能な最新のIQ.LIGHT LEDマトリックス・ヘッドライトを装着することもでき、これは夜間走行の視認性と安全性をさらに高めることに大きく貢献する。
  前後方向に伸びやかなスタイルを持つのがID.7のスタイルの特徴だが、その一方で、ホイールベースは2971mmを確保。したがって、前後のオーバーハングは短く、それによって路上での使い勝手の良さもイメージできる。
  リヤの水平LEDストラップもいかにも最新のBEVといったイメージだが、こちらもさらにオプションではアニメーション・ブレーキランプとダイナミック・ターン・シグナルを備えた3Dテールライトクラスターに変更ができる。
  遊び心がないようで、きちんとこういったアイテムが用意されているのも特長なのだ。
伸びやかなフォルムで広く快適なID.7
  キャビンはこの外観から想像するとおりの広さだ。シートまわりのスペースは、1列目、2列目ともにじつに広々としたもの。とくに2列目のフットスペースは驚くほどに広く、さらにフロア下にバッテリーを搭載していることなど感じさせない、自然な姿勢での乗車が可能だった。
  また、その後方に広がるラゲッジルームは、通常時には535リットル、1列目の助手席までを収納すると、最大値となる1586リットルのラゲッジを積み込むことができる。
  リヤゲートの開口面積も大きく、またテール側のラゲッジルームフロア下には、コンパクトではあるものの床下収納のスペースもある。これもこのクラスならではの大きな魅力といえそうだ。
  じっさいの走りも十分に期待に応えてくれた。すでにドイツではスタッドレスタイヤの装着義務期間に入っており、コーナリングなどではそれを差し引いての評価となってしまったが、286馬力の最高出力と545Nmの最大トルクを発揮する、リヤにレイアウトされるエレクトリックモーターが演出する加速感は物足りなさを感じさせるものではなく、これまでのガソリンエンジンに近いナチュラルなフィールに近いものだったのが印象的だった。
  ちなみに今回試乗したID.7 Proバージョンが搭載するバッテリー容量は77kWh。0-100km/h加速は6.5秒、最高速は180km/hと発表されている。2172kgの車重に対してこの加速性能は十分満足できる数字であるし、実際のドライブ中にパワー不足を感じるような場面はなかった。
  航続距離は603~621km。ブレーキはもちろん回生機能を持つが、強めの回生が入るBレンジでも、実際の制動力はさほど大きなものではなかった。コーナリングはやはり重量のあるバッテリーをフロア下に搭載するだけに、その安定感は抜群。
  ステアリングやサスペンションの動きを含め、フォルクスワーゲンは、このID.7をBEVとしての違和感をできるだけ抱かせない方向にチューニングしてきたようだ。そう確信させるに十分な、そしてBEVの可能性の大きさに期待感を味わえたというのが率直な感想である。

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