日本は世界から見たら特殊な市場! 日本じゃイマイチな車種がアメリカでは30倍も売れる例もあった

2023.12.29 13:00
この記事をまとめると
■日本と海外では同じクルマなのに販売台数に大きな開きがあるモデルが存在する
■日本の市場は軽自動車が4割を占めるため世界的にはかなり特殊だ
■日本とアメリカで比較した場合、コンパクトSUVとセダンにおいて販売台数に大きな開きがある
軽自動車が4割を占める日本市場の特殊性
  日本での販売はそこそこなのに、海外ではものすごく売れているクルマがある。
  その裏には、日本市場の特殊性が関係している。日本市場全体の約4割が軽自動車であり、その軽自動車は日本固有の車両規格。だから、日本市場で海外との比較が可能なモデルは、軽自動車を除いた市場全体の約6割ということになる。
  しかも、市場全体の6割のなかでもミニバンの需要が多く、残りがSUV、セダン、クーペというカテゴリーになる。だが、セダンの重要も最近は急激に減少しており、またスポーティ性の高いクーペのモデルラインアップも極めて少ないのが日本市場の実状だ。そして、海外では日本のようにミニバンのシェアはさほど大きくない。
  そんな日本での発売モデルのなかで、海外での発売台数と大きな開きがあるモデルがいくつかある。その多くが、世界第2位の自動車生産・販売国であるアメリカに集中している。
  背景には何があるのか?
  たとえば、自動車販売台数第1位の中国の場合、日本メーカーのラインアップでは中国市場に特化したクルマが多いため、日本市場との比較が難しい。また、欧州市場では日本全体のシェアがあまり高くない。そして東南アジアでは、それぞれの国で市場特性が違い、それぞれの国の市場規模が欧米中ほどは大きくない。
  こうした状況のために、アメリカと日本との比較で、販売台数が大きく違うモデルがあるというわけだ。
コンパクトSUVのトレンドが販売台数差をさらに広げた
  では、具体的なモデルを、トヨタとホンダそれぞれの2022年実績を基に比較してみよう。
  トヨタの場合、その筆頭は「RAV4」だ。日本では3万118台なのに対して、アメリカではその約13倍の39万9941台にも達している。
  また、「カムリ」の場合、日本の2021年実績が1万620台なのに対して、アメリカの2022年実績は、その約28倍の29万5201台だった。
  次いで、ホンダの場合、「シビック」が日本で8773台にとどまっている一方で、アメリカではその約15倍の13万3932台。だが、これは半導体不足などのサプライチェーンの課題による納車遅れが大きく影響しており、前年2021年実績は26万3787台と日本の30倍近い数字となっている。
  また、「CR-V」についても、アメリカは2022年実績で23万8155台、そして2021年実績が36万1271台と、日本では考えれないほどの数をさばいいた。
  日本市場の2022年実績で、年間10万台超えは、「ヤリス」(16万8557台)、「カローラ」(13万1548台)、「ノート」(11万113台)、そして「ルーミー」(10万9236台)の4台にとどまっている状況だ。
  アメリカ市場の場合、1980年代以降はC/Dセグメントと呼ばれる中小型のセダンが市場の中核にあったが、2010年代以降にはミッドサイズSUVとフルサイズSUVから、コンパクトSUVへのダウンサイジング、または一家族のなかでコンパクトSUVの増車が目立つようになった。
  こうしたトレンドはいまも顕在であり、当面の間、「RAV4」や「CR-V」などのモデルは、日米の販売台数差がさらに広がっていくことになるだろう。

あわせて読みたい

最近デカすぎるよ!! ああ、、今はなきプレミオにアリオン……5ナンバーセダンってやっぱ必要よ!! 今こそのありがたみを考えよ
ベストカーWeb
こんなクルマよく売ったな!!【愛すべき日本の珍車と珍技術】電動メタルルーフを国産車で初めて採用したシルビアヴァリエッタ!!
ベストカーWeb
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
「スタイリッシュなオラオラ顔」で超絶人気のノア! 大ヒットの裏側にある2つの「要素」にナットク!!
ベストカーWeb
新型キックスはアンダー300万円+ガソリン仕様がなきゃダメ!! 日本仕様の課題は価格だけ?? 王者ヤリスクロスに勝つためにどうすりゃいいのか
ベストカーWeb
新TVCM「アニメとススメ!」篇放送開始
antenna
いかにも「カッコイイ」クーペ風SUVは日本で成功しない? 海外とは異なる日本の特殊な市場とは
WEB CARTOP
2023年に世界で一番売れたクルマはテスラ・モデルY! なぜ電気自動車がトップに? 世界のEVの10%を占めるモデルYは何がスゴイ?
WEB CARTOP
にんじん本来の味わいを詰め込んだ「カゴメにんじんジュース 高β―カロテン」のおいしさを体験!
antenna
海外製じゃん……とか色メガネで見るのはちょっと待て! 海外生産で国内販売される日本車はユーザーメリットを考えた結果だった
WEB CARTOP
期待のコンパクトSUV「フロンクス」日本導入!! ジムニー5ドアは25年春に登場へ! スズキの注目車4選
ベストカーWeb
dアニメストアが新テレビCMを公開!
antenna
RX-8 パジェロミニ サンバー ブレイド……10年前の日本車はこんなに面白かった!! 2012年の「消えていったクルマたち」10選
ベストカーWeb
新型への期待高まる!! マツダ6は開発陣の意地を感じるデキ! マツダを象徴する1台と呼ばれる理由は?
ベストカーWeb
蜜柑”せとか”使用した涼感のあるスイーツ「ちとせのわらび餅せとか」登場
PR TIMES Topics
日本車は2台がランクイン! 世界で累計もっとも売れたクルマのTOP5が意外なラインアップだった
WEB CARTOP
スズキソリオの「とりあえずこれ買っておけば間違いない」感じがすごい
ベストカーWeb
トマトジュースという枠を超えて心を豊に満たす、大人のドリンク
PR TIMES Topics
日産サクラの売れ行きを見れば日本でBEVが売れないなんてことはない! ただし大ヒットの裏で必要な「次の一手」とは
WEB CARTOP
いいクルマだったのに…マークXが消えた理由は「名車だからこそお荷物になるわけにはいかなかった」??
ベストカーWeb
“運動×栄養×睡眠で子どもの可能性を最大限に引き出す”がコンセプトのアイテムをリリース!
PR TIMES Topics