なぜか駐車が難しい! 運転に不慣れな人には難易度高めの小型なのに小まわり性能が今ひとつなクルマたち

2023.12.14 17:20
この記事をまとめると
■クルマの扱いやすさを示す指針のひとつでもある「最小回転半径」が見た目の割に大きい車種を紹介
■5.6m以上の小まわり性能を示す理由としてタイヤサイズの変化が影響している
■もちろん国産車だけでなく輸入車にも小まわり性能がいまひとつなクルマが存在する
グレードでも大きく差があることも!
  クルマの運転のしやすさ、扱いやすさ、駐車のしやすさ、Uターンのしやすさの指針のひとつが「最小回転半径」だ。これにはボディサイズはもちろん、ホイールベースの長さ、タイヤの切れ角、タイヤの外径や幅が影響してくる。
  最近の人気車であるSUVやクロスオーバーモデルは、タイヤサイズの拡大傾向にあり、最小回転半径の小ささによる小まわり性があまりよくない……と感じる人も少なくないはずだ。一方で、メルセデス・ベンツやBMWなどのFR(後輪駆動)モデルは昔から、ボディサイズの割に小まわりが効く代表格となっている。
  国産車では、FRの先代までのクラウンも、日本の道、駐車環境に配慮した扱いやすい1800mmの車幅、小まわり性を重視。最小回転半径は5.4mで、車体の大きさの割には、意外なほど小まわりが効いていたのだ。
  小まわりの効くクルマが欲しい……と考えて、だったら比較的車体の小さなクルマを選べばいいじゃんと思いがちだが、比較的コンパクトなクルマでも、じつは小まわりが得意じゃないクルマもあったりするから要注意である。
  そもそも車体のサイズから小まわり性に優れた軽自動車を除くと、クルマのカタログなどの主要諸元表に記載されている最小回転半径の数値で言えば、5m以下ならかなり小まわりが効く部類。5.5mまでならまず小まわり性に困らない範囲、となる。5.6m以上になると、場面によって小まわりが効かないと感じやすくなる。
  もっとも、同じコンパクトカーの車種で小まわりが効くモデルでも、オプションの大径タイヤを注文すると、一気に最小回転半径が大きくなり、小まわりが効かなくなるケースもあった。現行モデルではないが、先代トヨタ・シエンタがその筆頭で、標準の15インチタイヤだと5.2mという抜群の小まわり性を発揮する扱いやすさ、最小回転半径の持ち主なのだが、乗り心地面で褒められたオプションの16インチタイヤを注文すると(一気にフランス車っぽい乗り味になった)、なんと最小回転半径は5.8mになってしまい、コンパクトで扱いやすいはずのコンパクトミニバンのシエンタの実用性が削がれてしまったのである。
  それもあって、現行シエンタでは全車15インチタイヤを履き(16インチのオプションなし)、最小回転半径は先代より小まわりが効く全車5.0mとなっている。
  さて、現行型の国内外のクルマで、比較的コンパクトなボディサイズを持ちながら、意外なほど小まわりが効かない、最小回転半径の大きい国産車と言えば、ホンダ・シビックが挙げられる。初代から7代目までのシビック(5ナンバーサイズ)とは違い、いまのシビックは決して小さくはないのだが、シビック=コンパクトカーというかつてのイメージのまま乗ってしまうと、小まわりが効かない!! と感じてしまいがちなので、あえて取り上げることにした。
  で、その最小回転半径は、メイングレードのe:HEVモデルで5.7m、タイプRともなればここのところの歴代ともに5.9mなのである。Uターン、幅寄せ、車庫入れなどのシーンで、不満を持つユーザーも少なくないと聞く。
ヤリスはめちゃくちゃ小まわりが効くけれど……
  ところで、れっきとしたコンパクトカーで、小まわり性に優れたクルマとして、トヨタ・ヤリスがある。最小回転半径はタイヤサイズによって4.8~5.1mと、軽自動車並みの小まわりのしやすさを示す。
  が、テレビでも放映されたラリージャパン2023で、トヨタ・ヤリスの表彰台独占、トラブルから驚異的な走りで5位にまで順位を上げた勝田選手の活躍を見て、「モータースポーツ用の車両を市販化する」という発想で開発されたGRヤリスを買うぞ!! と息巻いている人は要注意。とくにモータースポーツ参戦のベース車でカスタマイズ前提、かつもっとも本気なGRヤリスRCを買ってしまうと、最小回転半径はRZの5.3m、RSの5.2mに対して、一気に6.0mになってしまうのだ。
  最小回転半径6.0mと言えば、レクサスLX、LS、メルセデス・ベンツVクラスと同じなのだから、大変である。ラリーカ―として改造するのでなく、一般使用でGRヤリス気分を味わうためだけに買うなら、日常でも使いやすいRZ、RSで決まりである。
  では、輸入車はどうだろう。小粒でピリリにして、最小回転半径が大きく小まわりが効かない……と話題!? な1台がアバルト595だ。全長3.6m程度、全幅1.6m程度にして、最小回転半径は5.4m。5.4m自体は、すでに説明したように、小まわりの効く部類なのだが、ボディサイズからすると、びっくりの小まわり性の悪さということになる。ちなみに最小回転半径は5.4mのクルマといえば、メルセデス・ベンツのEクラス相当である。
  最近、ジワジワと人気が出ている、国産車とは違うオシャレ度あるフレンチMPV、両側スライドドアを持つユーテリティカーがプジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴだ。ベッドキットなどのオプションも揃い、アウトドア、車中泊派にもうってつけの注目車。標準ホイールベースモデルの最小回転半径は5.6mとまずまずで、実際、小まわりしにくいとは感じられないのだが、あとから加わった7人乗り、3列シートの「ロング」は、ホイールベース190mmの延長によって最小回転半径は5.8mとなり、先代トヨタ・アルファードの5.8mと同じ(新型は5.9m!)。アウトドアフィールドを目指し、山のなかの狭い道に迷い込み、Uターン……なんていうシーンでは困ってしまうかもしれない。
  広々とした土地に住み、駐車スペースに余裕があり、比較的狭くない道だけを走るのであれば、最小回転半径はそれほど気にしなくてもいいが、そうでなく、扱いやすく、小まわりが効き、Uターンや駐車のしやすさを重視したクルマ選びをするのであれば、ボディサイズとともに、最小回転半径の小ささ、小まわり性の良さは、クルマ選びのひとつのポイントになるだろう。

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