実用性も増した4代目 ジープ・ラングラー(JL型) 英国版中古車ガイド 最高峰のオフローダー

2023.10.01 00:00
公開 : 2023.09.04
オフローダーのアイコン、ジープ・ラングラー。唯一の魅力を、増えつつある現行型の中古車で英国編集部が再確認します。
もくじ
ー初代から受け継ぐ圧倒的な悪路走破性
ーエントリーグレードでも装備は充実
ー荒野への冒険に備えたルビコン
ー知っておくべきこと
ー購入時に気をつけたいポイント
ートリムグレードとスペック
ー英国編集部の推しチョイス
初代から受け継ぐ圧倒的な悪路走破性
ジープ・ラングラー以上に、離れた場所からでもモデル名を当てられるクルマは少ないだろう。近年は、オシャレなライフスタイルを想起させるSUVとしても支持を集めているが、初代からの圧倒的な悪路走破性も失ってはいない。

3代目のJK型と見た目は似ているものの、現行型は4代目となるJL型で、2017年に発表された。中古車も増えつつあり、世界最高峰のオフロードモデルを、比較的お手頃な価格で狙えるようになってきた。

英国や日本へ上陸したのは2018年で、スタイリングはモダナイズされ、インテリアもアップデートを受けている。新しいインフォテインメント・システムを獲得し、安全性も向上。4ドアのアンリミテッドと、ベーシックな2ドアが選べるのは従来どおり。

ドライビング体験は、一般的な乗用車とは一線を画す。ダナ社製の44と呼ばれるリジッドアクスルが前後に組まれ、最もシリアスなルビコンには、電子制御デファレンシャルと、切り離し式のスタビライザーが備わる。シャシーはあくまでも本格派だ。

ただし操縦性や乗り心地では、同価格帯のSUVに並ぶとは表現しにくい。快適性を求めるなら、ランドローバー・ディフェンダーやトヨタ・ランドクルーザーを考えた方が良いだろう。

それでも、4代目では車内空間が拡大されている。日常的な実用性では、間違いなく3代目から引き上げられている。
エントリーグレードでも装備は充実
英国仕様へ載ったエンジンの1つが、2.2Lの直列4気筒ディーゼルターボ。最高出力200psと最大トルク45.8kg-mを発揮し、燃費は10.7km/Lがうたわれた。0-100km/h加速は9.0秒と、見た目以上に鋭い加速を披露する。

ガソリンエンジンは、2.0Lの直列4気筒ターボで、こちらは271psと40.7kg-mを発生。トルクはディーゼルより細いものの、0-100km/h加速は8.1秒と更に活発で、最高速度は180km/hに届く。燃費は8.6km/Lと褒めにくい。
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
トランスミッションは、8速オートマティックのみ。MTは選べない。

2021年には、6.4L V型8気筒エンジンが北米で登場。最高出力469ps、最大トルク64.7kg-mという剛腕で、0-100km/h加速は4.5秒へ短縮した。英国には正規導入されていないが、並行輸入され流通はしている。また日本では、3.6L V6エンジンも選べる。

同じ2021年、ディーゼルターボは廃盤に。残ったラングラーには、アダプティブ・クルーズコントロールとオート・ヘッドライトが標準装備されるようになった。

英国のラングラーには3段階のトリムグレードがあり、サハラがエントリーになるが、装備は充実している。18インチのアルミホイールにエアコン、LEDヘッドライト、クルーズコントロール、パーキングセンサーとバックカメラなどが標準で付く。

ダッシュボードには8.8インチのインフォテインメント用タッチモニターが備わり、キーレスゴー・システムも装備される。必要そうなものは揃っている。
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荒野への冒険に備えたルビコン
ミドルグレードになるのが、オーバーランド。内装がレザー張りとなり、フロントシートにはヒーターを内蔵。ブラインドスポット・モニターに、ボディ同色のフロントグリルなどが与えられる。

トップグレードが、オフロード性能を極めたルビコン。選出の電子制御デファレンシャルなどのほか、電圧240Vの高耐久オルタネーター、大容量の補機バッテリーなど、荒野への冒険に備えた装備が整えられる。
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
外観も、サイドステップにオーバーフェンダー、3ピースのモジュラー式ハードトップ・ルーフなどで武装。アルミホイールは、17インチへサイズダウンされる。選択式のオフロード・システムと組み合わせれば、辿り着けない場所はないといってもいいだろう。
知っておくべきこと
英国では、2018年に4万4495ポンド(約805万円)からという価格で発売された、JL型ラングラー。現在の中古車市場では、3万5000ポンド(約633万円)以下で2.0Lガソリンか2.2Lディーゼルを探せる。

ルビコンになると3万8000ポンド(約688万円)は必要になるが、新車時の価格は4万6495ポンド(約841万円)だったから、お手頃感はあるだろう。加えて、走行距離が伸びがちな英国でも6万5000kmを切る例が多いということも、魅力といえる。
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
パワフルなラングラーを並行輸入するクライブ・サットン社では、6.4L V8ガソリン版の新古車も販売している。11万ポンド(約1991万円)と、お安くないが。

2021年には、80周年記念の特別仕様車がリリースされている。グレー塗装のフロントグリルやヘッドライト・ベゼル、ツートーン塗装の18インチ・アルミホイール、ブラック・レザーの内装にボディ同色のハードトップなどが盛り込まれ、現在でも人気だ。

英国のジープ・ディーラーは、5年間の車両保証と3年間の点検整備などを包括した、無償サービスを提供している。期間が5年の内容に関しては、多くの中古車がまだ有効な点もうれしい。
購入時に気をつけたいポイント
ボディのサビ
多くのラングラー・オーナーが、ドアヒンジ付近の腐食や、錆びによる塗装の浮き上がりを報告している。英国では保証対象になる内容だが、ディーラーによっては対応に難色を示される場合もあるという。

NCAPの得点
最新のラングラーでも、衝突安全性を評価する欧州のNCAPテストでは星1つしか獲得していない。事故時の生存率は、大人で50%、子供で69%と高くなく、安全支援システムのスコアも32%に留まった。
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
特に胸部や頭部、首の保護評価が高くない。車線維持支援システムや衝突被害軽減ブレーキが非実装であることも、得点に影響したようだ。
トリムグレードとスペック
エントリーグレードのサハラでも、装備は充実していて不満はないだろう。見た目の主張も劣らない。トップグレードのルビコンは、本格的にオフロードを攻め込みたいドライバー向けの内容といえる。
英国編集部の推しチョイス
ベスト:2.2Lマルチジェット・ディーゼルターボ
大型のオフローダーと、ディーゼル・ターボエンジンは相性が良い。強力で洗練され、燃費も悪くない。ガソリンエンジン版より遠くを目指せるはず。

ワイルドカード:2.0Lガソリンターボ
ディーゼルターボより加速は鋭く、運転はより楽しい。1.5Lのフォルクスワーゲン・ゴルフより、0-100km/hダッシュは速いほど。
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
記事に関わった人々
執筆:ジャック・ウォリック
英国編集部ライター

中嶋健治
1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。
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