スバルの技術者ヤバッ! XVからクロストレックまで「段差レス」ラゲッジのアイディアが「目から鱗」だった

2023.05.02 07:00
この記事をまとめると
■歴代スバルXVのラゲッジルームに関するトリビアを紹介
■初代・2代目のラゲッジルーム開口部には段差があったが、3代目以降はフラットにできるようになった
■現行型クロストレックにも、オプションのトノカバーを利用した方式で継承されている
クロスオーバー車だけにラゲッジの使い勝手が気になる
  初代スバルXV(現クロストレック)に接したとき、ちょっと気になったのがラゲッジルーム開口部の段差だった。
  ベース車両のインプレッサとは違い、アウトドアテイストがあり、走破性にもこだわったクロスオーバーモデルだけに、アウトドアやキャンプなどの荷物、はたまた旅行用スーツケースなどを積載する機会も多いはずで、ならばレガシィツーリングワゴンや現在のレヴォーグのように、ラゲッジルームの開口部には段差がないほうが荷物を積みやすく、とくに引き出しやすい。
  また、ハッチバックモデルながらワゴンに近いラゲッジルームの使い勝手を持っているため、愛犬をラゲッジルームに乗せられないわけでもないから、ドッグフレンドリーポイントとして犬の乗降時に足を引っかけやすい開口部の段差はないほうがいい……と、当時からスバルの開発陣、とくにデザイン部門のスタッフに進言していたのである。
  びっくりしたのは、2017年に登場した先代XVのラゲッジルームの仕立てであった。デビュー当時、ラゲッジルームを覗いてみると、「ああっ、開口部に段差があるままじゃん!」とがっかりしたのだが、そのボクを見て、当時のデザイン担当者が誇らしげに言うのである。「ちゃんとラゲッジルームの開口部の段差がなくなるように工夫してありますよ」と。
  つまり、ラゲッジルームのフロアボードが正規の位置だとたしかに開口部との段差は約120mmあり、すでに説明したように、重い荷物の出し入れ、ペットの乗降には「難あり」に見えるのだが、じつはフロアボード後端左右2か所にベルトループがあり、開口部左右にはそれを引っかけるフックが備わっていて(先代インプレッサ&XVのユーザーでも気づいていない人もいるはず)、ベルトループをフックに引っ掛けることで、フロアボードと開口部がほぼフラットにつながるというアイディアが盛り込まれていたのである。ボクもそれなら納得……というわけだった。
  とにかく、ペットの乗降はともかくとして、たとえば重いスーツケースを積載する場合、とくに引き出す方向では、120mmの段差があると、そのぶん持ち上げて引き出すことになり、力を必要とするだけでなく、開口部の段差部分とスーツケースがガリガリっとスレて、両方にキズ付ける心配がある。ところが、ラゲッジルームフロアと開口部に段差がなければ、重いスーツケースもスルスルっと積み込め、スルスルっと引き出せるわけで、アウトドアやキャンプ用品を含め、荷物の出し入れ性は格段に向上するのである。
新型クロストレックで段差解消に新しい手法を導入
  で、新型クロストレック(先代まではXV)に接した際、そこをチェックすると、ガーン、先代にはあったフロアボード後端左右2か所のベルトループと開口部左右のフックが消滅!
  やはり開口部には120mm程度の段差がそのまま存在していたのだった(泣)。
  さっそく、文句を言うべく開発陣に詰め寄ると意外な答えが。「開口部に段差がないようにも使えますよ」(開発陣)。「いや、先代にあったベルトループと開口部左右のフックが見当たらない!」(ボク)と押し問答。
「ではこちらへ」と、開発陣とともにクロストレックの現車に向かい、バックドアを開けてみる。やっぱり段差があるままで、段差を解消するような仕掛けは見当たらない。
  すると開発陣がこう説明してくれたのだ。
「オプションではありますが、トノカバーを付けていただければ、それをフロアボードの下に格納することで、ぴったり開口部とフロアボードの段差がなくなるのです」
  実際、オプションとなるトノカバーをコンパクトに畳み、棒状にしてラゲッジルームのフロアボード下にすっきりと収めると、その高さ分、フロアボード後端が持ち上がり、先代と同じように、やや角度(後ろ上がり)は付くものの、フロアボードと開口部の段差がなくなるのであった(ちょっぴり喜)。純正アクセサリーのトノカバーは1万8700円である。
  こうしたところへのこだわりが、新型クロストレックのユーザーにどれだけ響くかはわからないが、重い荷物の出し入れ性に大きく貢献するアイディアであることは間違いない。もちろん、いつも大きく高さのある荷物を積むから、ラゲッジルームの上下方向が制限されてしまうトノカバーは不要……、あるいはそのために1万8700円は出したくない……のであれば、フロアボードと開口部に段差ができないように、ラゲッジルーム床下後端にハード素材の”詰め物”をすればいいだけ、とも言えるんですけどね。
  とはいえ、開発陣(デザイン部門?)が先代XVに続き、そうした配慮を忘れていなかったのは、うれしい限りである。

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