海外で大人気だったから入れたのにまさかの大ゴケ! 日本のファンにウケなかった「逆輸入車」5選

2023.02.17 11:40
この記事をまとめると
■日本メーカーの海外向けのクルマを国内に導入することを「逆輸入」と呼ぶことがある
■現在でも海外で製造され日本で販売しているモデルは多い
■逆輸入されたもののセールス面で苦戦したモデルを紹介する
待望の逆輸入……となったものの花咲かなかったモデルたち
  全盛期に比べて日本の自動車マーケットがシュリンクしているのは事実。それに伴い、販売チャンネルの統合が進み、各社のラインアップから多様性が失われている。
  実際、かつては多様性を求めて、海外向けに企画開発されたモデルを日本に導入するというケースが少なくなかった。そんな海外で売られている日系ブランド車のことを「逆輸入」などと呼ぶこともあったが、海外で生産されたモデルを日本に導入しているのであれば、むしろ「帰国子女」と呼んだほうが実態に近いといえそうだ。
  もっとも、グローバル化が進んだ時代においては、日本向けに企画した商品を海外にある拠点で生産、日本で販売するということはけっして珍しくない。
  最近のラインアップで言えば、日産キックスはタイで生産されているほか、三菱ミラージュ、日産マーチ、ホンダ・アコードなどもタイで生産され、日本で販売されていた。
  先代までのホンダ・シビックタイプRのほとんど(EP3/FN2/FK2/FK8)はイギリス生産であったし、ホンダNSXはアメリカで作られていたことも知られているだろう。
  現行型では国産に戻ったシビックタイプRだが、イギリス生産だったからといって不人気というわけではなかった。実際、2リッターターボエンジンを積んだFK8はプレミア価格がつくくらいの人気だった。
  しかしながら、思いのほか人気を得られなかったタイプRもある。それがFN2型、日本名は「シビックタイプRユーロ」とされたモデルだ。日本に最初に導入されたのは2009年秋で2010台限定。その後、2010年秋に1500台限定で発売された。
  ご存じのように、当時は日本製のハードコアなシビックタイプR(FD2)も併売されていたこともあって、タイプRユーロはマイルドなスポーツハッチというキャラ付けをされていた。そのため、限定モデルながら人気爆発・超品薄・即完売というわけにはいかなかった。限定だった2010年モデルが2012年まで販売されていたということが、その不人気ぶりを如実に示している。
  同時期にイギリスから輸入されていた帰国子女モデルに、トヨタ・アベンシスがあったことを覚えているだろうか。
  アベンシスが帰国子女モデルとして輸入されるようになったのは2003年からで、アベンシスとしては2代目にあたるモデルが、欧州仕立ての走りとトヨタの信頼性というコスパの高いモデルとして高く評価されていた。しかし、イギリスからの輸入車というバリューが生むマーケティング効果が薄くなったことで日本の販売からフェードアウト。
  3代目にモデルチェンジしたあとも、当初は日本に導入されることはなかった。そんなアベンシスだが、2011年にステーションワゴンの日本導入が復活する。同カテゴリーにおけるライバルが少ないこともあり期待された面もあったが、NAエンジンでFFだけという設定で、スバル・レガシィ/レヴォーグの牙城を崩すことはできなかった印象が残る。
  このように、強力なライバルモデルへの対抗手段として海外モデルを日本に導入するというのは、開発リソースの適正化といった面では妥当であるし、経営判断としてもまっとうといえる。ただし、日本向けに最適化されたモデルに対して、似たようなプロフィールだからといって海外マーケットに向けて開発したモデルが互角に戦えるかといえば疑問もある。
本国では大ウケするも日本では超短命に終わってしまう
  日本ではLLクラスミニバンの元祖的存在として日産エルグランドが伸びていたころ、トヨタは「アルファード」の開発を進めた一方で、ホンダはカナダで製造していた北米向けオデッセイを「ラグレイト」として日本に導入するという判断をした。
  200馬力を超える3.5リッターV6エンジンを積み、全長は5mを超えるという体躯のラグレイトは、ミニバンのフラッグシップといえるモデルだった。しかし、北米市場向けの大きすぎるボディが受け入れられず、一代限りで日本でのモデルライフを終えることになってしまった。その後、国内生産のフラッグシップミニバンとして「エリシオン」が登場するが、こちらも結果的に国内では販売終了となった。ホンダの大きなミニバンが日本でヒットできなかったのは、ラグレイトでの躓きが影響したのだろうか。
  もっとも、ホンダが北米市場から導入したモデルとしては「ラグレイト」は失敗とはいえないかもしれない。なぜならもっと厳しい結果しか残せなかったクルマがあるからだ。それが観音開きのドアを持つクロスオーバーSUV「エレメント」である。
  若者向けのスタイリング、道具としての使いやすさを追求したパッケージ、元気よく走る2.4リッター i-VTECエンジンとリアルタイム4WDによるパワートレインなど玄人筋の評価は高く、SUVムーブメントが広まるなかで、日本でも再評価されるなどしているが、いかんせん時代の先を行き過ぎていた。
  北米で生産された日本仕様が上陸したのは2003年4月だったが、2005年12月には販売終了。3年足らずで見切りをつけられることになってしまった。北米ではスマッシュヒットを果たしていただけに、目論見通りにはいかなかったといったところだろうか。
  同じく、北米と日本の好みの違いを感じさせられたのが三菱のフラッグシップクーペ「エクリプス」だろう。現在ではエクリプスクロスという名前のクロスオーバーSUVとなっているが、当初は北米をメインターゲットとしたスポーツクーペだった。
  日本にも最終モデルのコンバーチブル(4座オープン仕様)が帰国子女モデルとして上陸したが、2004年10月に導入が始まり、2006年3月には販売終了となるほどだった。あらためて見ても、北米向けのバタ臭いスタイリングや左ハンドルだけの設定だったことを考えると、短命だったのもやむなしといったところだろうか。

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