話題の新型クラウン! ぶっちゃけ乗ってどうでした? 【ド直球インプレ 青山尚暉編】

2022.10.24 17:20
この記事をまとめると
■16代目となる新型クラウンが発表された
■4モデルのうち、まず今秋に発売されるのが話題のクロスオーバーモデル
■乗ってみた印象をお届けする
クロスオーバーモデルらしい視界を実現
  16代目となる新型クラウンは、すでに公表されているように、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4モデルが揃う。そしてまず今秋に発売されるのが、話題のクロスオーバーモデルだ。まず、公道で試乗したのが、2.5リッターエンジン+モーターのHV、RS専用の2.4リッターターボエンジン+モーターのデュアルブーストHVの2種類のパワーユニットがある中で、前者のパワーユニットを積むシステム最高出力234馬力のCROSSOVER G Advancedグレードだ(駆動方式はクロスオーバーモデルだけに全車4WD)。
  もっとも、最低地上高は先代比+10〜15mmの145mmだから、悪路走行に適した4WD、クロスオーバーモデルというわけではない。
  グレードは多彩で、G、RS、そしてRS、GにあるAdvanced、Gにあるレザーパッケージを含む全7グレードを用意。そのなかでCROSSOVER G Advancedは19インチタイヤ、上級ファブリック+一部合成皮革を用いる中間的グレードと言っていい。ちなみに新型クラウンのハイライトのひとつとなる、車速に応じて後輪の向きを最大4度切れるDRSは全グレードに標準装備となっている。
  15代目クラウンセダン比較で、全長+20mmの4930mm、全幅+40mmの1840mm、全高+85mm!! の1540mmというサイズを持つエクステリアデザインは素直にカッコいいと思えた。2トーンカラーがあるのも新型クラウンのクロスオーバーモデルならではて、一段とスタイリッシュかつ若々しさを感じさせてくれる。
  運転席に乗り込めば、まずはクロスオーバーモデルでありながら、乗降性に優れていることに気づく。最低地上高145mmに加え、歴代クラウンの中でもサイドシルの段差が約70mmと小さいのが、そう感じさせる要因だ。そして室内は新時代のクラウンの世界そのものだ。12.3インチのTFTカラーメーターと、同12.3インチのセンターディスプレイの横並びの位置関係にもクラウンとしての先進感が見て取れる。が、もっとも新鮮なのは、視界だ。なにしろ前席ヒップポイント地上高は先代比+80mm、後席ヒップポイント地上高も先代比+60mmとなり、クロスオーバーモデルらしい高めの見晴らし視界を実現しているのである。全幅が、クラウンのお約束の1800mmを超えた1840mmになっても、その視界の高さゆえ、運転のしやすさという点では後退していない印象がもてる。
  運転席に座って感動したもうひとつのポイントが、シートのかけ心地の良さ。具体的には、前席はシートバックの肩甲骨の当たり方、座面の安定性、座面とシートバックのつながりにこだわったとのことで、分厚いクッション感とともに、ごく自然に上半身をサポートしてくれるのだから心地よい。
適度な上下動を許す乗り心地がクラウンらしい
  走り出しはもちろんモーター走行。HVだから当たり前だが、その際のスムースさが素晴らしい。DRSを備えた足まわりはフロント/ストラット、リヤ/マルチリンク式で、トヨタとカヤバが共同開発した、レクサスESにも使われている贅沢なスイングバルブ式ショックアブソーバーを用い、DRSの採用でショックアブソーバーをクラウンに相応しいソフト方向にチューニングすることができるようになり、とくに走り出しの5〜10m、微低速域のダンパーの動きを抑えるチューニングが可能になったため、じつに滑らかで上質な走り出しの乗り味が実現されているというわけだ。うねり路、段差を超えた時のフワッとしたいなし方、あえて適度な上下動を許すコンフォータブルな乗り心地は、「やっぱりこれ、クラウンだよね」と思わせるポイントと言っていい。
  クラウンクロスオーバーモデルはすでに説明したように全車4WD。しかし、あらゆる走行シーンで、駆動方式、後輪操舵のDRSの作動を意識させられることはない。つまり、これまでのFRクラウンから乗り換えても、違和感はまずなく、自然に運転できるということだ(DRSによる小まわり性の良さを含めて)。また、試乗した首都高速のカーブでは、かけ心地のいいシートのホールド感にも「いいね」である。自然で上半身が包み込まれるような心地よいホールド感によって、カーブを曲がっても頭が動きにくく、正しい運転姿勢が維持しやすく、結果的に長時間の運転でも疲れにくいはずである。
  加速性能もなかなかだ。アクセルペダルを深く踏み込めば、伸びやかに速度を上げていく。動力性能を端的に表せば、ジェントルに速い……というイメージだ。もっとも、エンジンサウンドは、いきなりフツーというか、ノイジーと感じがちではあるのだが(全体的に静かな市街地走行と高速走行での加速時に顕著)。
  と、なかなかの仕上がりを見せる新型クラウンのクロスオーバーモデルだが、試乗したCROSSOVER G Advancedグレード、設計基準となる19インチタイヤ装着車に関して言えば、切る、戻すどちらの方向にも言えるステアリングフィールの気持ち良さは褒められるものの、粒の荒い舗装を走った際、ステアリングに微振動がビリビリ伝わり続ける点は、トヨタ最上級車種としてちょっと残念な部分(同じ道でステアリングに微振動があった同クラスのクルマはほかに知らない)。21インチタイヤではあまり感じられないことのようだが、開発陣もそこは確認しているようで、早急の対策を望みたい。
  すでに老眼の域に入った筆者がもうひとつ気になったのが、メーター、ディスプレイのナビ画面の文字の小ささ。同じクラウンでもクロスオーバーモデルは若者向け? とすれば関係ないだろうが、歴代クラウンを乗り続けてきたロイヤルカスタマー、つまり高齢者にとっては、文字が見にくい!! と感じるかも知れない。
  クラウンCROSSOVER G Advancedの価格は510万円。同じG Advancedグレードでも60万円高となる570万円のレザーパッケージを選択するとタイヤは自動的によりスタイリッシュな超大径21インチになるが、スタッドレスタイヤの選択肢が限られるとともに、タイヤチェーンも布製しか装着できないとのこと。が、それでもレザーパッケージを選ぶメリットはある(雪国の人は別にして)。というのは、例のステアリング振動の件だけでなく、レザーシートはパンチング表皮となり、前席ベンチレーションシート仕様になる点だ。とくに真夏、シートベンチレーションは乗り込んですぐにエアコンの風を吸い込んでくれることで、背中や腰回りを涼しくしてくれて、汗をかきにくくなり、暑さが和らぐ快適感とともに、シャツなどの背中のシワが低減されるメリットもあったりする。

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