16代目となる新型クラウンは、すでに公表されているように、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4モデルが揃う。そしてまず今秋に発売されるのが、話題のクロスオーバーモデルだ。まず、公道で試乗したのが、2.5リッターエンジン+モーターのHV、RS専用の2.4リッターターボエンジン+モーターのデュアルブーストHVの2種類のパワーユニットがある中で、前者のパワーユニットを積むシステム最高出力234馬力のCROSSOVER G Advancedグレードだ(駆動方式はクロスオーバーモデルだけに全車4WD)。
もっとも、最低地上高は先代比+10〜15mmの145mmだから、悪路走行に適した4WD、クロスオーバーモデルというわけではない。
グレードは多彩で、G、RS、そしてRS、GにあるAdvanced、Gにあるレザーパッケージを含む全7グレードを用意。そのなかでCROSSOVER G Advancedは19インチタイヤ、上級ファブリック+一部合成皮革を用いる中間的グレードと言っていい。ちなみに新型クラウンのハイライトのひとつとなる、車速に応じて後輪の向きを最大4度切れるDRSは全グレードに標準装備となっている。
15代目クラウンセダン比較で、全長+20mmの4930mm、全幅+40mmの1840mm、全高+85mm!! の1540mmというサイズを持つエクステリアデザインは素直にカッコいいと思えた。2トーンカラーがあるのも新型クラウンのクロスオーバーモデルならではて、一段とスタイリッシュかつ若々しさを感じさせてくれる。
と、なかなかの仕上がりを見せる新型クラウンのクロスオーバーモデルだが、試乗したCROSSOVER G Advancedグレード、設計基準となる19インチタイヤ装着車に関して言えば、切る、戻すどちらの方向にも言えるステアリングフィールの気持ち良さは褒められるものの、粒の荒い舗装を走った際、ステアリングに微振動がビリビリ伝わり続ける点は、トヨタ最上級車種としてちょっと残念な部分(同じ道でステアリングに微振動があった同クラスのクルマはほかに知らない)。21インチタイヤではあまり感じられないことのようだが、開発陣もそこは確認しているようで、早急の対策を望みたい。
すでに老眼の域に入った筆者がもうひとつ気になったのが、メーター、ディスプレイのナビ画面の文字の小ささ。同じクラウンでもクロスオーバーモデルは若者向け? とすれば関係ないだろうが、歴代クラウンを乗り続けてきたロイヤルカスタマー、つまり高齢者にとっては、文字が見にくい!! と感じるかも知れない。
クラウンCROSSOVER G Advancedの価格は510万円。同じG Advancedグレードでも60万円高となる570万円のレザーパッケージを選択するとタイヤは自動的によりスタイリッシュな超大径21インチになるが、スタッドレスタイヤの選択肢が限られるとともに、タイヤチェーンも布製しか装着できないとのこと。が、それでもレザーパッケージを選ぶメリットはある(雪国の人は別にして)。というのは、例のステアリング振動の件だけでなく、レザーシートはパンチング表皮となり、前席ベンチレーションシート仕様になる点だ。とくに真夏、シートベンチレーションは乗り込んですぐにエアコンの風を吸い込んでくれることで、背中や腰回りを涼しくしてくれて、汗をかきにくくなり、暑さが和らぐ快適感とともに、シャツなどの背中のシワが低減されるメリットもあったりする。